「Web集客に取り組みたいけど、何から手を付けていいかわからない」
「Web集客は自分1人でできるのだろうか」
このような悩みを抱える個人事業主は少なくありません。
時間や予算に限りがある中でWeb集客を成功させるためには、個人事業主ならではの「戦い方」を押さえる必要があります。
本記事では、個人事業主が今日から実践できるWeb集客の方法を7つに厳選してまとめました。無理なく継続でき、確実に選ばれるための具体策を紹介するため、ビジネスを一歩前に進めたいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
個人事業主のWeb集客でよくある悩み
個人事業主のWeb集客には、以下のような悩みが付きものです。
- 集客に費やす時間がない
- 使える予算が限られる
- どの施策から手を付けるべきかわからない
- 取り組んでいるが問い合わせにつながらない
それぞれの悩みの解消法を解説していきます。
集客に費やす時間がない
「限られた時間をできる限り本業に使いたい」「Web集客に費やす時間がもったいない」
多くの個人事業主が抱える悩みです。
しかし、一時的に本業に費やせる時間が減ったとしても、Web集客に注力する価値は十分にあります。SNSやホームページは、24時間365日働く自動営業ツールになるからです。
休んでいるときも、本業で忙しく新規営業に手が回らない時期も、自社を必要とする誰かが見つけて問い合わせてくれます。一度Web集客を仕組み化できれば、反対に時間を生み出す効果があるのです。
実際、Web集客に投資したリソースは回収できると体感しています。Web集客は「いかに最小の労力で最大の成果を出すか」を考えることが大切です。
使える予算が限られる
「予算がないから、Web集客では大した効果を得られないのではないか」と感じている方も多いでしょう。確かに大手企業と比較して、個人事業主が広告やホームページ制作に使える予算は限られています。
しかし、少ない予算でも集客効果を実感できる施策はたくさんあります。
- WordPressでホームページを立ち上げ、専門知識を発信する
- Instagramで商品の写真やお客様の声を投稿する
- Googleビジネスプロフィールを登録して口コミを集める
- LINE公式アカウントで既存顧客をリピーターに育てる
そもそも個人事業主の場合、大手のように不特定多数へ認知を拡大する必要はありません。個人事業主がWeb集客を成功させるために必要なのは、予算ではなく「発信する情報の質」です。
どの施策から手を付けるべきかわからない
「Web集客の手段が多すぎて、何から手を付けるべきかわからない」とお悩みの方は、以下の順番で施策を検討してみるのがおすすめです。
施策の例 | |
---|---|
1. 信頼感を伝える「土台」を整える | ・ホームページ ・Googleビジネスプロフィール |
2. 「見つけてもらう」ための発信をする | ・広告系 ・ブログ ・SNS |
3. 見込み客と関係性を深める | ・SNS ・LINE公式アカウント ・メールマガジン |
この順番を間違えると、どんなに頑張っても効果が出ず、諦めにつながってしまいます。最小の労力で成果を出すには、優先順位を見極めることが重要です。
取り組んでいるが問い合わせにつながらない
「Web集客に取り組んでも問い合わせが来ない」と悩んでいる個人事業主の方は、以下の点がズレていないかを確認してみてください。
- ターゲティングのズレ(誰のための商材なのか)
- 媒体選びのズレ(どこで見込み客と接触できるか)
- 訴求軸のズレ(ターゲットに刺さる言葉で発信しているか)
「誰に・何を・どこで・どう届けるか」は、本業のサービス品質と同様に重要な要素です。とくに配信媒体は、業種・ターゲットによって向き不向きがあるため、自社に適したアプローチを検討する必要があります。
個人事業主におすすめのWeb集客|ホームページ運営

「今どきホームページ?SNSだけで十分なのでは?」と感じる方も多いでしょう。しかし、個人事業主のWeb集客において、ホームページはすべての土台となる必要不可欠な要素です。
ホームページを持っていない個人事業主が多く存在する時代だからこそ、持っていると箔がつき、差別化につながります。以下では、ホームページ運営の効果を最大化させるポイントを見ていきましょう。
- 見込み客が検索しやすいキーワードを狙う
- コンテンツを充実させる
- 問い合わせフォームを整備する
- スマホ対応にする
それぞれの詳細を解説します。
見込み客が検索しやすいキーワードを狙う
ホームページ運営の大前提は「見込み客に気づいてもらう」ことです。
ダンススクールを営む個人事業主のケースを考えてみましょう。見込み客が自社に問い合わせるまでには、一般的に以下のような流れをたどります。
- ダンスを習いたい人が、Googleで「近隣地域+ダンススクール」と検索する
- 検索結果の上位に表示されたダンススクールのホームページを見る
- 「良さそうだな」と思い、問い合わせする
自社のホームページが「1」の段階で上位に表示されなければ、見込み客に気づいてもらえません。そこで重要になるのが「SEO対策」です。
SEOでは、見込み客が検索しそうなキーワードで、自社のホームページの上位表示を狙います。競合が多いキーワードで上位を狙うのは難しいので、以下のように複数語句を組み合わせたキーワードを狙うのが定石です。
狙うキーワードの例 | |
---|---|
地域密着型ビジネス | ・仙台市青葉区 司法書士 ・北千住 パーソナルジム ・西船橋 ペットサロン |
ネットビジネス | ・新潟 フリーランス ホームページ制作 ・子ども向け 英会話 オンライン 個人レッスン ・中小企業向け ITサポート 個人エンジニア |
以下の記事では、個人事業主が自分でできるSEO対策を紹介しています。
コンテンツを充実させる
ホームページでは、見込み客が求めている情報を十分に提供できるよう、コンテンツを充実させなければなりません。どのような業種でも、以下のコンテンツは最低限必要です。
- 事業内容
- 料金
- 選ばれる理由
- 代表プロフィール
- お客様の声・実績
- ご利用の流れ
- よくある質問
- アクセス情報
より訴求力のあるコンテンツに仕上げるためには、以下のポイントを確認しながら改善を図ってみてください。
よくある失敗例 | 改善策 |
---|---|
自分目線の情報ばかり | 「見込み客にとって」どのように役立つかを伝える |
ターゲットがあいまい | 1人の顧客を思い浮かべてメッセージを伝える |
専門用語の多用 | 誰にでも伝わる言葉に置き換える |
文字だらけ | 写真・画像で直感的に内容を伝える |
一度作成して放置 | 最低でも月1回は更新する |
コンテンツが充実すれば、訪問者の信頼感や行動率がぐっと高まります。
問い合わせフォームを整備する
問い合わせのハードルが高いホームページは、訪問者が増えてもなかなか集客につながりません。よくある失敗例を見てみましょう。
よくある失敗例 | |
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連絡先が電話番号やメールアドレスのみ | →何を伝えればいいのか分からず、問い合わせを断念する |
問い合わせフォームのリンクが1箇所のみ | →リンクを見つけられず、ホームページから離脱する |
問い合わせフォームの入力項目が多すぎる | →面倒くさくなり、問い合わせを断念する |
まずは、どのページからでも問い合わせフォームに遷移できるよう、リンクを分かりやすい位置に配置します。フォームは入力項目を極力減らし、見込み客に負担をかけないことが大切です。
なお、より気軽に問い合わせできる手段として「LINEで問い合わせ」を採用している個人事業主も多く存在します。見込み客からのニーズもあるため、用意しておくのがおすすめです。
スマホ対応にする
近年制作したホームページであれば、多くの場合スマホに対応しているでしょう。万が一対応していない場合は、今すぐ改善することをおすすめします。
スマホに対応しているホームページであっても、以下のポイントは今一度チェックすべきです。
- 表示速度は適切か(最低でも3秒以内)
- 文字の大きさや色、行間などは見やすいか
- リンクやボタンはタップしやすいか
ホームページを作成・更新する際はパソコンで作業することが多いため、上記のポイントは見落としがちです。スマホでも快適に閲覧できるかどうか、欠かさずチェックしておきましょう。
個人事業主におすすめのWeb集客|SNS運用

個人事業主にとってSNSは、検索エンジンと並ぶ主要なWeb集客手段だといえます。「SNS検索を毎日利用する人」の割合は72.5%であるとの調査結果もあり、人々の日常にSNSが深く浸透しているためです(※)。
以下では、個人事業主におすすめのSNSを5つピックアップしました。
- Instagram|ビジュアル訴求
- X(旧Twitter)|リアルタイム性
- LINE公式アカウント|リピーター獲得
- Facebook|コミュニティ構築
- LinkedIn|信頼性重視
それぞれ向いている業種や使い方を見ていきましょう。
(※)PR TIMES「全年代の70%が毎日SNS検索を利用。購買活動へ与える影響とは?スマートシェア株式会社」
Instagram|ビジュアル訴求
Instagramは、視覚的訴求力に優れたSNSです。20代〜30代の利用率がとくに高いものの、40代でも約6割の人が活用していることから、世代に関係なく認知を拡大できる手段だといえます(※)。
とくに以下のような業種・職種では、Instagramのメリットを最大限発揮できるでしょう。
- 美容・エステ・ネイルサロン
- ハンドメイド・クラフト作家
- カフェ・飲食店
- ヨガスタジオ・パーソナルトレーナー
- フォトグラファー・デザイナー
「見せたいものを写真で投稿+ストーリーズで人柄を発信」のようなシンプルな使い方もできるので、取り入れている個人事業主は多く存在します。
(※)総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」
X(旧Twitter)|リアルタイム性
X(旧Twitter)は、情報の速報性・拡散性に優れています。引用リポストや返信で、フォロワー以外にも認知を拡大できることが特徴です。
テキストベースで人柄や知識を訴求するのに適しているため、以下のような業種の方にはとくにおすすめです。
- コーチング・コンサル・講師業
- エンジニア・デザイナー・ライター
- スピリチュアル・カウンセリング系
- 副業支援・投資系
- 士業(税理士・行政書士など)
その他の業種でも、速報性が求められるキャンペーン情報やニュースなどの発信には有効活用できるでしょう。
LINE公式アカウント|リピーター獲得
LINE公式アカウントは、個人事業主でも利用できます。顧客との接点を持ちやすく、リピーター育成にも向いているため、以下のような業種・職種では大きな効果を発揮します。
- 予約型サービス(美容サロン・整体・クリニックなど)
- 個別対応が必要なサービス(コンサル・カウンセリングなど)
- 飲食店・テイクアウト系
- 通販・物販
予約や問い合わせの窓口として利用すると、見込み客にとって行動のハードルが下がります。他のSNSやホームページと連動もしやすいため、開設して損はありません。
Facebook|コミュニティ構築
Facebookの利用ユーザーは、30代〜40代がボリュームゾーンです(※)。InstagramやXより「関係性の構築」を重視する媒体なので、専門性や人柄を訴求したい個人事業主に向いています。
- 信頼が重視される事業(BtoB・不動産・医療など)
- 中高年向けサービス・地域密着ビジネス
- 教室やお稽古系(書道・ピアノなど)
イベント機能でセミナーやオンライン講座、相談会などの参加者を募ることもできます。
(※)総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」
LinkedIn|信頼性重視
LinkedIn(リンクトイン)は、世界中で使われているビジネス特化型SNSです。日本では他のSNSよりも知名度が低いものの、学歴・職歴・実績などを詳細に登録できることから、個人事業主のポートフォリオとして有効活用できます。
- BtoB
- エンジニア・デザイナー・ライター
- コンサル・講師・キャリア支援
- グローバル案件(翻訳・通訳・IT系など)
ビジネスとして真剣に利用しているユーザーが多いため、「SNSは苦手だけど仕事獲得につなげたい」と考えている方には最もマッチする可能性があります。
個人事業主におすすめのWeb集客|その他の手法
ホームページやSNSは、ほぼすべての個人事業主にとって有効な集客手段になります。以下で紹介するWeb集客の手法は、一部の業種・状況にマッチする可能性があるでしょう。
- MEO
- Web広告
- ポータルサイト
自社に取り入れられる手法があるかチェックしてみてください。それぞれ詳細を解説します。
MEO
MEO(マップエンジン最適化)は、Googleマップや地図検索サービスで、自社の情報を上位表示させる取り組みを指します。店舗型ビジネスでは、真っ先に着手したいWeb集客です。

マップ検索で上位表示できれば「今すぐ客」に気づいてもらいやすく、問い合わせや来店に直結します。まずは、自社の情報をマップに表示するために、Googleビジネスプロフィールを登録・設定しましょう。
- Googleビジネスプロフィールを登録し、オーナー認証を行う
- 基本情報(事業所名・住所・電話番号)をホームページの表記と統一させる
- 写真や動画を投稿する
- 口コミを収集し、可能な限り返信する
SEOとの相性もいいので、実店舗のある方はホームページ運営と同時進行しましょう。
リスティング広告
リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告です。ニーズが明確なユーザーに絞って広告を表示できるため、広告費の無駄を削減できます。

採算が合う可能性が高いのは「①広告を出稿している競合が比較的少ない」「②緊急性の高いニーズがある」以下のような業種です。
- 歯科医院
- 特殊清掃
- 害虫駆除
- 修理系(鍵修理・風呂修理・水道修理など)
ホームページが整備されていることは大前提としつつ、相性がいい業種の場合は利用を検討してみてもよいでしょう。
ポータルサイト
ポータルサイトは、多数の企業を寄せ集めたリンク集のようなWebサイトのことです。「食べログ」「じゃらん」などが有名ですね。
大手ポータルサイトはアクセス数が多いため、情報を掲載することで自社のホームページが育っていなくても一定の集客効果が見込めます。
ポータルサイトによる集客が向いている業種や、具体的なサイトの例は以下のとおりです。
向いている業種 | ポータルサイト例 |
---|---|
美容・健康系 | ・ホットペッパービューティー ・EPARKリラク&エステ |
飲食業 | ・食べログ ・ぐるなび |
士業 | ・税理士ドットコム ・比較ビズ |
住宅・リフォーム・修理系 | ・ホームプロ ・くらしのマーケット |
冠婚葬祭・イベント系 | ・ゼクシィ ・OurPhoto |
手軽にリーチを拡大する手段として有効ですが、集客を全面的にポータルサイトに頼ることはおすすめしません。何らかの理由で出稿を停止した際に、集客経路がなくなってしまうからです。
SEOやMEO、SNS運用と組み合わせながら、補助的に利用するのがよいでしょう。
個人事業主のWeb集客を成功に導く心構え
個人事業主がWeb集客を成功させるためには、以下の心構えが必要不可欠です。
- 即効性を求めすぎない
- 人間性で勝負する
- 必要な人に届けばそれでいい
それぞれ詳細を見ていきましょう。
即効性を求めすぎない
多くの方は、Web集客を「何か施策を打てば、すぐに反応がある」と思ってしまいがちですが、現実は異なります。
- ホームページ:信頼の土台となる資産
- SNS:認知を拡大し、ユーザーとの関係性を構築する場
- SEOやMEO:取り組みを継続すると効果が出る看板
このように、Web集客は「資産蓄積型」の手法です。時間をかけて積み上げた努力が、ある時点を越えると加速度的に報われ始めます。
とはいえ、目の前の売上はもちろん重要。今すぐ成果を出したい場合は、短期施策(広告費が必要な施策)と中長期施策(ホームページ・SNSなど)を並行させることをおすすめします。
短期施策で直近の売上を作りながら、Web上の資産をコツコツ育てていくことで、数ヶ月後〜1年後には集客の安定化が見込めます。
人間性で勝負する
個人事業主には、大手のようなリソース(広告費・ブランド力・運用体制など)がありません。このデメリットを逆手に取り、違う戦い方をすることが重要です。
大手 | 個人事業主 | |
---|---|---|
集客の武器 | 予算・ブランド・効率 | 人間性・想い・関係性 |
顧客の印象 | 「あの会社」 | 「あの人」 |
発信するメッセージ | 無難・汎用的 | パーソナル・共感的 |
つまり、大手が避けざるを得ない「属人性」が、個人事業主の武器になります。具体例は以下のとおりです。
- 顔写真やプロフィール、ストーリーなどを積極的に掲載する
- 自分らしい言葉を選んで発信する
- 顧客の声や実際のやり取りなどを、リアルな形で紹介する
現代の顧客は、価格や品質だけではなく「誰から買うか」「誰を応援したいか」を軸として購買する傾向にあります。人としての温度を感じられる情報発信で、他社との差別化を図りましょう。
必要な人に届けばそれでいい
SNSやホームページは、たくさんの人に見られることを重視する必要はありません。認知がどれだけ広がっても、顧客にならない人が大半では意味がないからです。
個人事業主のWeb集客の本質は「必要な人に、深く届けること」。大手と違って万人受けする必要はないため、メッセージを届けるユーザーを徹底的に絞りましょう。
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- 「収入が激減して悩んでいる女性フリーランス」向けのLINE相談
フォロワーやアクセス数などの数字のみに囚われず、反応の質や関係性を重視しましょう。たとえ少数でも「濃いファン」や「本気度の高い見込み客」に出会える発信をすることが、Web集客で成果を出すポイントです。
個人事業主のWeb集客は「信頼」が鍵
個人事業主のWeb集客において、優先すべきは信頼の土台を作ることです。まずはホームページの整備に着手しつつ、「PDCAを回す」ことができそうなSNSを選定してみましょう。
資産蓄積型のWeb集客は、すぐに効果が表れるものではありません。継続が結果につながる手法なので、なるべく早期にチャレンジしてみることが大切です。