自宅サロンは赤字になりにくいと思われがちですが、実際は多くの方が集客の難しさや運営コストの見落としで苦戦しています。赤字続きにならないためには、お客様が「また行きたい」と思える仕組みづくりが大切です。
この記事では、自宅サロンが赤字になる原因と、失敗を防ぐ方法を分かりやすく解説します。これから自宅サロンを始めたい方や、売上が思うように伸びずお困りの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
大前提!自宅サロンは店舗よりも赤字になりにくい
自宅サロンでは、新たに家賃や敷金・礼金などの費用が発生せず、開業準備をゆっくりと進めても赤字の心配がありません。自宅の家賃や光熱費の一部を経費として計上できる点もメリットですよね。
店舗を構える場合は、物件を借りた時点で家賃の支払いがスタートするため、開業準備中から赤字になるリスクがあります。とくに、開業1年目は売上が伸び悩みやすく、家賃が大きな負担となるケースも少なくありません。
初めての開業で赤字は避けたい方や、低コストで開業したい方には、自宅サロンがおすすめですよ。
自宅サロンが赤字になる6つの原因
赤字になりにくいと思われがちな自宅サロンで失敗するおもな原因は、次のとおりです。
- 初期費用が高すぎる
- 経費が多すぎる
- 料金設定が安すぎる
- 技術力が足りていない
- リピーターが少ない
- 集客に力を入れていない
自宅サロンの運営は簡単そうに見えるかもしれませんが、実際は費用管理や集客戦略などの計画性が求められます。赤字リスクを減らすためにも、上記のポイントを押さえたうえで適切な対策をとりましょう。
自宅サロンが赤字になる原因を、詳しく解説します。
初期費用が高すぎる
いくら自宅サロンでも、設備や備品にお金をかけすぎると、初期費用の回収が難しくなり赤字につながる可能性があります。最新の美容機器や高価なインテリアを無理に揃えると、売上が追いつかないまま資金が底をつくおそれがあるため、注意が必要です。
赤字リスクを減らすためにも、初期費用は極力抑え、小さく始めましょう。最初は自宅にある家具やシンプルな備品を活用し、必要最低限の機材でスタートする方法をおすすめします。
設備投資は、売上が安定してからでも遅くありません。お客様のニーズや人気メニューが見えてから追加購入を検討すれば、無駄な出費を防げます。
経費が多すぎる
売上に対して経費が多すぎると、自宅サロンでも赤字になるケースがあるため、定期的な見直しが大切です。売上が安定しない開業初期はできるだけ経費を抑え、無理のない運営を心がけましょう。
自宅サロンの赤字でよく見られるパターンが、広告費にお金をかけすぎているケースです。もちろん、集客にはある程度の広告費が必要ですが、効果が期待できない広告や高額すぎる広告は削減を検討してみてくださいね。
通信プランの見直しや光熱費の節約も、経費を抑えるうえで効果的です。経費の中でも無駄に支出が多くなりがちな部分を洗い出し、定期的にチェックしましょう。
料金設定が安すぎる
他店との価格競争に巻き込まれ、料金が安すぎる自宅サロンは赤字になりやすいため、注意してください。自宅サロンは1人で運営するケースが多く、1日で対応できるお客様の数に限りがあります。無理に価格を下げると、利益が出なくなってしまうんですよね。
忙しいのに売上が伸びない自宅サロンの大半は、価格競争に巻き込まれています。赤字を避けるためにも、適正な料金に変更しましょう。料金を変更する際は「材料費が上がったため」など、具体的な理由を伝えるとお客様にも理解してもらいやすくなりますよ。
高額なメニューには、お得なクーポンをつける方法もおすすめです。初回限定、◯週間以内の来店限定などの割引クーポンを用意すると、少し高めのメニューでも申し込まれやすくなりますよ。
技術力が足りていない
スクール卒業後、実務経験なしですぐに自宅サロンを開業する方は、技術力不足で赤字になるおそれがあります。技術が未熟だとリピーターがつかず、新規のお客様を集めるために広告費がかさむからです。
技術力を磨くためには、実務経験が欠かせません。まずはサロンに勤務して、現場で技術や接客スキルを学んでから自宅サロンを開業しましょう。サロン勤務で自分のファンが増えれば、開業時の集客もスムーズになり、安定した売上を確保しやすくなりますよ。
リピーターが少ない
リピーターが少ない自宅サロンは、新規のお客様を集めるために広告費をかけ続ける必要があるので、赤字リスクが高まります。新規客の獲得には経費がかかるため、収益性がどんどん下がってしまうんですね。
リピーターがつかない原因は4つ考えられます。
- 技術力不足
- 料金が高すぎる
- 接客やサロンの雰囲気がよくない
- 店舗へのアクセスが不便
自分のサロンではどれが当てはまるのかを見極め、改善に取り組みましょう。リピーターを増やすためには、技術力だけでなく、サービス全体の質を上げることが大切です。
集客に力を入れていない
知り合いや身内しか知らないような自宅サロンは、赤字になりやすい傾向があります。集客に力を入れなければ、来店するお客様の数が増えず、売上も思ったように伸びません。
自宅サロンで取り組めるおもな集客方法は、次のとおりです。
- ポスティング
- ホットペッパービューティーなどの集客媒体
- 無料ブログの運営
- X、InstagramなどSNSの運営
ホットペッパービューティーなどの集客媒体は、月額数万円の広告費がかかるものの、高い効果が期待できます。大手の媒体に掲載されると、信頼感や知名度がアップしやすいんですよね。無理のないプランで契約して、効率的に集客を進めましょう。
自宅サロンの赤字を防ぐ方法4選
自宅サロンが赤字になりそうな場合や、すでに赤字が出ている場合は、次の対策を試してみましょう。
- 既存客にアプローチを行う
- リピーターを増やす工夫をする
- 口コミを書いてもらう工夫をする
- 広告以外の集客方法も活用する
上記の方法を取り入れることで、集客が安定しやすくなるため、実施できそうなものから取り組んでみてください。自宅サロンの赤字を防ぐ方法を、詳しく解説します。
既存客にアプローチを行う
自宅サロンの赤字を防ぐためには、一度でも来店してくれたお客様に対して、営業活動を行いましょう。営業方法の一例を次にあげます。
- DM
- 電話
- メール
- 公式LINE
スムーズに営業活動を行うためにも、初回来店時のカウンセリングシートで、DMや電話での連絡可否を確認しておきましょう。
効果的な営業を行うためには、既存客の分類が重要です。来店頻度や時間帯、単価などでお客様を分類し、それぞれに最適な特典やサービスを提案しましょう。
頻繁に来店するお客様には、特別割引や優先予約などのサービスが効果的です。少し間が空いたお客様には、次回来店時に使用できるクーポンや、新メニューの案内を送るとよいでしょう。
リピーターを増やす工夫をする
自宅サロンの赤字を防ぐためには、丁寧な接客やお得な特典でお客様の満足度を高め、リピーターを増やしましょう。リピーターが増えれば、集客コストを抑えつつ安定した売上を確保できるため、赤字を避けやすくなります。
リピーターを増やす方法の具体例は、次のとおりです。
特典 | ・来店時の次回予約で◯%OFF ・◯週間以内の次回予約で◯%OFF ・お友達紹介で◯円OFFクーポンをプレゼント |
接客 | ・笑顔を意識し、お客様がリラックスできる雰囲気を作る ・顧客情報をメモして、個別に合った接客を行う ・質問や相談には真摯に対応し、お客様に寄り添う |
店舗環境 | ・清掃や整理整頓を徹底して、快適な空間を保つ ・心地よい香りや音楽を取り入れ、リラックス感を高める ・お客様が快適に感じる室温を保ち、必要に応じて声がけをする |
上記の方法を取り入れれば、少しずつリピーターが増え、集客が安定していきます。無理のない範囲でできることから始めて、少しずつ改善を進めてくださいね。
口コミを書いてもらう工夫をする
自宅サロンでの赤字を防ぐためには、お客様に口コミを書いてもらい、サロンの信頼性を高める工夫が欠かせません。自宅サロンは怪しい・怖いと感じる人も多い一方で、第三者の評価があると安心感を与えられるからです。
Googleマップやホットペッパービューティーの口コミが多いと、信頼できるサロンとして認識されやすくなります。また、万が一悪い口コミを書かれた場合も、迅速かつ誠実に対応してサロンの信頼性を高めましょう。
口コミを集めるためには、次のような工夫が効果的です。
特典の提供 | 次回◯%OFFやミニプレゼントなどの特典があると、口コミが増えやすい |
サービス直後の口コミ依頼 | お客様が満足しているタイミングで口コミを依頼すると、高評価を得られる可能性が高まる |
サロンの口コミが少なくて困っている方は、上記の方法から試してみてください。少しずつ信頼度が上がり、集客も安定してきますよ。ただし、Googleマップの口コミは特典をつけることが禁止されています。
Googleのガイドラインだけでなく、ステマ規制にも抵触するおそれがあるので、絶対にやめてくださいね。
広告以外の集客方法も活用する
自宅サロンでの赤字を防ぐためには、XやInstagram、無料ブログなどお金がかからない集客方法も活用しましょう。SNSや無料ブログを活用すれば、広告費を抑えながら効率よく新規のお客様を獲得できます。
無料ブログやSNSで集客する際は、クーポン配布やお友達紹介での割引など、お得な特典も用意しましょう。申し込みハードルが下がるだけでなく、投稿やシェアを通じて情報が拡散される可能性も高まりますよ。
SNSや無料ブログで集客するには、定期的な投稿が大切です。施術の様子やビフォーアフターの写真、期間限定キャンペーンなど、お客様の興味を引く内容を発信しましょう。
自宅サロンが赤字になる前に!不安を解消して集客を増やす方法
自宅サロンは「怖い」と思われがちで、店舗よりも集客が難しく感じますが、次の対策をとればお客様の不安を解消できます。
- 住所を公開して信頼を得る
- 店内の写真を掲載して安心感を提供する
- メニューや料金を明確に記載する
- オーナーの自己紹介や経歴を掲載する
- 生活感が出ないように注意する
自宅サロンで安定した収益を上げるためには、安心して利用できるサロン作りが欠かせません。自宅サロンが赤字になる前にできる、お客様の不安を解消して集客を増やす方法を詳しく解説します。
住所を公開して信頼を得る
自宅サロンの不安を解消して信頼性を高めるためには、住所・電話番号・事業者の氏名などの情報を公開する必要があります。とくに住所が非公開だと怪しいと思われるだけでなく、お客様が通いやすさを判断できないため、来店につながりません。
なお、Webやチラシで集客する場合、サロンの住所を非公開にすると法律違反になります。ただし、ホットペッパービューティーの場合は、詳細な住所は予約確定後のメールで公開する形でも広告を掲載可能です。
自宅サロンの住所を公開する際は、防犯対策を徹底しましょう。防犯カメラの設置や施錠のほかに、SNSでプライベートの様子や家族の個人情報を公開しないなどの工夫も大切です。
店内の写真を掲載して安心感を提供する
自宅サロンの不安を解消するためには、店内の様子が分かる写真を複数枚掲載して、来店時のイメージを湧きやすくしましょう。事前に店内の様子を確認できると、お客様は安心感を得やすくなり、来店のハードルが下がるんですね。
可能であれば、外観や施術室だけでなく、玄関やトイレの写真も掲載しましょう。とくにトイレは、多くのお客様が不安を感じるポイントです。事前に写真で清潔感を確認できると、お客様も安心して来店できますよ。
メニューや料金を明確に記載する
自宅サロンだと、高額請求や強引な勧誘をイメージする人もいるため、メニューや料金を明確に記載して信頼性を高めましょう。料金が分かりやすく記載されていれば、お客様は事前に予算を把握できるので、安心してサービスを受けられますよ。
回数券を導入する場合は、料金だけでなく有効期限も記載してくださいね。また、オプション料金やキャンセル料の有無も記載しておけば、来店前の不安が解消されて申し込みにつながりますよ。
オーナーの自己紹介や経歴を掲載する
自宅サロンに安心して来店してもらうためには、オーナーの自己紹介や経歴、顔写真などの掲載が大切です。どのような人がサービスを提供するのか分からないと、お客様は不安に感じてしまいますよね。
オーナーのプロフィールには、次の情報を記載しましょう。
- 名前
- 年齢
- 施術歴
- 得意な施術
- 実績
- 保有資格
- サロンに対する想いやお客様へのメッセージ
上記の情報を記載しておけば、オーナーへの共感や親しみが生まれ、お客様も安心して来店しやすくなりますよ。
生活感が出ないように注意する
自宅サロンに安心して来店してもらうためには、清潔感のある空間作りを心がけ、生活感をなくすことが大切です。清潔感に欠ける自宅サロンは、お客様に「行きたくない」と思われてしまいますよね。
玄関・トイレ・廊下などはとくに生活感が出やすいため、家族のものが見えないように、常に整理整頓しておきましょう。お客様が帰ったあとには、汚れがないかチェックして、掃除を念入りに行うことも大切です。
自宅サロンでは、家庭の匂いにも気をつける必要があります。とくに料理の匂いは残りやすいため、消臭スプレーやアロマディフューザーを使い、リラックスできる快適な空間を作りましょう。
まとめ:経費を抑えれば自宅サロンは赤字になりにくい!
自宅サロンは、店舗よりも初期費用や固定費を抑えやすいため、適切に経費を管理すれば赤字になりにくいと言われています。不要な経費がないか定期的に見直し、SNSや無料ブログでの集客も取り入れ、広告費を抑える工夫をしてみてくださいね。
自宅サロンで安定した収益を得るためには、リピーター作りが欠かせません。既存のお客様への営業活動や、お客様が再訪したくなる接客や特典の工夫を行い、リピーターを増やしましょう。適切な対策により、赤字を防いで長期的にサロンを運営できますよ。