「週末はそこそこ入るのに、平日は予約がない」「SNSを頑張っても反応が薄い」このように集客に悩む飲食店オーナーの声は多いのではないでしょうか。料理には自信があるし、サービスも手を抜いていない。それでもお客様が来ない理由がわからない。
実は、お客様が足を運ばないお店には、いくつかの共通点があるのです。そして、その見直しポイントを正しく理解し、少しずつ改善していけば、状況は確実に変わります。
この記事では、お客様が来ない飲食店の特徴から、今すぐできる改善策、成功しているお店の事例までを具体的に紹介します。集客に行き詰まっている今こそ、あなたのお店を見直すタイミングかもしれません。
お客様が来ない飲食店の7つの特徴と改善策
料理には自信があるのに、お客様が増えないのはなぜだろう?そんな悩みを抱えている飲食店オーナーは少なくありません。集客に苦戦しているお店には、いくつかの共通点があります。
ここでは、お客様が来ない飲食店の7つの特徴と、その改善策をわかりやすく解説します。
- ターゲットが不明確
- 魅力が伝わっていない
- 清潔感がなくや雰囲気が悪い
- スタッフの接客が悪い
- SNS・口コミ対策をしていない
- 商品やメニューが時代に合っていない
- 改善や見直しをしない
まずは、あなたのお店に当てはまる点がないかをチェックしてみましょう。
ターゲットが不明確
誰に来てほしいかが決まっていないと、メニュー・価格・サービスに一貫性がなくなり、結果として誰にも響かないお店になってしまいます。
改善策としては、まずは理想のお客様像(年齢・性別・職業・生活スタイル)を明確にし、それに合わせてお店の方向性を整えましょう。たとえば、「30代会社員の仕事帰り」を想定すれば、メニューは手早く出るもの、価格は1,000円前後に設定するなど、戦略も具体化できます。
魅力が伝わっていない
自分では「うちの料理は美味しい」と思っていても、その魅力が外に向けて発信されていなければ、お客様には伝わりません。
改善策としては、「どのような料理が看板メニューなのか」「なぜ他店ではなくこの店を選ぶべきか」を、一言で語れるようにしておきましょう。メニュー表・看板・SNSなど、あらゆる接点でお店の強みを打ち出すことが大切です。
清潔感や雰囲気が悪い
なんとなく入りづらい、居心地が悪い・・・それだけで、初めての来店チャンスを逃してしまうことは珍しくありません。店内の空気感も重要な商品です。
改善策としては、照明を明るくする、入口周りを整理する、トイレをこまめに掃除するなど、当たり前の見直しを丁寧に行うことで、お客様の印象は確実に変わります。
スタッフの接客が悪い
料理の味が良くても、接客態度が悪ければリピーターは生まれません。無愛想な対応や雑なサービスは、客離れの大きな原因になります。
改善策としては、挨拶・笑顔・丁寧な受け答えといった基本を徹底しましょう。スタッフ間の雰囲気もお客様に伝わるので、日々のコミュニケーションを大切にすることもポイントです。
SNS・口コミ対策をしていない
いい店でも知られなければ存在しないのと同じです。今はGoogleマップやSNS、食べログなどを見てから来店するお客様が多数派となっています。
改善策としては、Googleビジネスプロフィールを充実させ、InstagramやX(旧Twitter)で日々の情報を発信しましょう。お客様に口コミ投稿をお願いするPOPや特典を設けるのも効果的です。
商品やメニューが古い・時代遅れ
流行やニーズの変化に対応せず、何年も同じメニューを出し続けていると、「あそこは昔のまま」と思われてしまいます。
改善策としては、季節限定メニューや、SNS映えを意識した盛り付けなど、新しさを意識した工夫を加えましょう。とはいえ、定番とのバランスも大切。新旧の組み合わせが最も効果的です。
改善や見直しをしない
現状維持に甘んじていると、時代の変化に置いていかれてしまいます。前はうまくいっていたからとか、変えるのが面倒だからとかはNGです。
改善策としては、毎月、売上や来店数、SNSの反応などをチェックし、「今、何が響いていて、何が響いていないか」を見直す習慣を持ちましょう。小さな改善の積み重ねが、大きな成果につながります。
お客様が来ない飲食店がすぐできる改善策5選
何か改善しなきゃとは思うけど、正直、何から手をつければいいかわからないと感じている飲食店オーナーの方も多いですよね。
ここでは、コストをかけずに今すぐ実行できるシンプルな改善策を5つ紹介します。
- Googleビジネスプロフィール(MEO)を整える
- Instagram・LINEで「今日の情報」を発信
- 店頭の看板・のぼりを見直す
- チラシを近隣に配る
- 常連さんに「SNS投稿」をお願いする
特別なスキルや機材がなくても、今日から取り組める内容ばかりですので、順に見ていきましょう。
Googleビジネスプロフィール(MEO)を整える
最優先で見直してほしいのが、Googleマップ上に表示される「Googleビジネスプロフィール」です。ここが整っていないと、せっかく検索されたのにスルーされてしまいます。
まず、営業時間・定休日・メニュー写真・店内の様子などを最新情報に更新しましょう。「店内が明るく清潔そう」「料理が美味しそう」といった印象を持ってもらえれば、来店確率はに上がります。無料で活用できるツールなので、使わない手はありません。
Instagram・LINEで「今日の情報」を発信
SNSが苦手でも、「今日のランチメニュー」「本日のおすすめ」など、短くても、今この瞬間の情報を発信することが大切です。
写真はスマホでOKです。湯気が立っている料理やスタッフの笑顔など、人の温度を感じる投稿は反応が良くなります。LINE公式アカウントで常連さんに限定クーポンを送るのも、来店のきっかけになるでしょう。
店頭の看板・のぼりを見直す
通りすがりの人に、何のお店かわからないと思われていると、それだけで大きな機会損失になります。
たとえば、「居酒屋ランチやってます!」「1杯目生ビール半額」など、パッと見て伝わるキャッチコピーを入り口につけましょう。手書き黒板やのぼり旗は、アナログながらも視認性が高く、地域密着型の集客には非常に効果的です。
チラシを近隣に配る
デジタルの時代とはいえ、住宅地やオフィス街の飲食店ではアナログ施策も侮れません。地域密着型なら、紙のチラシはまだまだ強い味方です。
メニューと地図、電話番号はもちろん、「チラシ持参で○○サービス」など具体的な特典を入れると反応率がアップします。ポスティングに抵抗がある場合は、商店街やビル管理者に設置の相談をしてみましょう。
常連さんに「SNS投稿」をお願いする
今の時代、店側の宣伝よりもお客さんの投稿のほうが圧倒的に信頼されます。だからこそ、お客さんに広めてもらう仕組みを作るのが効果的です。
たとえば、「SNSに投稿してくれた方にデザートサービス」など、気軽な特典を用意してみましょう。店名入りのハッシュタグを提示しておけば、自然とオンライン上にお店の存在が広がっていきます。
お客様が来ない飲食店が成功した3つの事例
味には自信があるのに客足が伸びない、立地も悪くないのに売上が安定しないといった悩みを抱える飲食店は少なくありません。しかし、多くの人気店も、最初から順調だったわけではありません。
ここでは、実際の企業や店舗の事例をもとに、お客様が来ないと思われる状況から脱却するための改善パターンを3つ紹介します。
- 【海帆】立地の弱点を逆手に取る戦略
- 【定楽屋】来店客の7割をリピートさせる居酒屋
- 【元湯陣屋】IT化で生まれ変わった老舗旅館
あなたのお店でも今すぐ取り入れられるヒントがきっと見つかるでしょう。
【海帆】立地の弱点を逆手に取る戦略
車通りは多いけど、歩く人は少ないような国道沿いの店舗を「立地が悪い」と判断してしまうのはもったいない。東海エリアを中心に多店舗展開する居酒屋チェーン「海帆」では、ロードサイド立地を「郊外の銀座」と捉え、車利用者向けの家族連れや郊外住民に刺さるメニューと価格設定で集客に成功しています。
駐車場の広さ、店内の落ち着いた雰囲気、そしてゆったり食事ができる空間。これらを掛け合わせることで、「あえて郊外に行きたい」と思わせ、立地の弱点を逆手に取る戦略を成功させています。
参考:ロードサイドは郊外の銀座。一見不利な国道沿いの居酒屋で集客する~海帆・久田敏貴社長
【定楽屋】来店客の7割をリピートさせる居酒屋
「いくら飲んでも食べても、3,000円以上はかかりません」そんな驚きの価格設定で注目を集めているのが、大阪を中心に展開する居酒屋「定楽屋(さだらくや)」です。メニューは約80種、飲み物も豊富。それなのに明朗会計。上限3,000円の安心感とお得感が、お客様の心理的ハードルを一気に下げ、リピート率はなんと7割を超えるそうです。
さらに、注文はタブレット式で、スタッフの手間も削減。回転率も自然と上がり、結果的に利益も確保できる設計になっています。
参考:【居酒屋】「上限3,000円」以上は支払い不要。来店客の7割をリピートさせる驚異の飲み食べ放題居酒屋~定楽屋(style)
【元湯陣屋】IT化で生まれ変わった老舗旅館
旅館は人が支えるもの。だからこそ、効率化なんてできないと思っていた・・・そう語るのは、神奈川県・鶴巻温泉にある創業100年を超える老舗旅館「元湯陣屋」の女将・宮崎知子さん。一時は経営が傾いたものの、同旅館が採ったのは意外にも徹底したIT化でした。予約管理から清掃の進捗、シフト管理、食材発注まで、あらゆる業務を自社開発のクラウドシステムで一元管理。
特に注目すべきは、「おもてなし」の質を落とすことなく、スタッフの負担だけを減らす仕組みづくり。その結果、従業員の定着率が上がり、クレームも減少。経営は見事にV字回復を果たしました。
参考:IT化で創業100年の老舗旅館が生まれ変わった!今、宿泊業界に必要な業務改革のすべて~「元湯陣屋」女将 宮崎知子
まとめ|お客様が来ない時こそ改善のチャンス!
「お客様が来ない」と感じる状況は、落ち込むばかりでなく、実はお店を見直す大きなチャンスでもあります。今回ご紹介したように、弱点を逆手に取ったり、画期的なアイデアで利益を上げたり、IT化で従業員の定着率を上げて接客の質を上げたりなど、小さな改善から集客の流れは変えられます。
大切なのは、うまくいっていない原因から目をそらさず、ひとつひとつ行動に移すこと。
すぐに満席にはならなくても、着実にお客様の反応は変わっていくはずです。今だからこそできることに目を向けて、あなたのお店らしい集客の形を見つけていきましょう。
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