弁護士はMEO対策が重要！集客の進め方10ステップや成功事例を紹介

Web上の集客に課題を感じている弁護士の方は少なくありません。特に、検索広告やSEOに多くの予算を割けない場合、効果的な対策を見つけにくいのが現状です。

そこで注目されているのが「MEO（ローカル検索対策）」です。MEO対策をしてGoogleマップ上での表示を最適化することで、地域のユーザーに効率良くリーチできます。

本記事では、MEOを活用するメリットや導入手順、他のWeb施策との違いについて詳しく紹介します。

弁護士のMEO対策とは？

MEOとは、Googleマップで自社情報を検索上位に表示させ、集客につなげる取り組みのことです。

たとえばGoogle検索で「横浜 弁護士」と検索すると、横浜エリアに特化した検索結果が表示されます。商圏で自社情報が上位表示されれば、多くの見込み客に自社の存在をアピールできます。

Googleマップに自社情報を表示させるためには「Googleビジネスプロフィール」の整備が必要です。具体的な設定方法は後述します。

弁護士がMEOを活用するべき3つの理由

弁護士事務所は基本的に地域密着で運営されるため、ユーザーも「近くの弁護士」を探す傾向が強くなっています。そのため、Googleマップを活用したMEO施策は、顧客との接点を持つうえで有効な手段です。

ここでは、弁護士がMEOを導入すべき3つの理由を紹介します。

それぞれ詳しく解説していきます。

「今すぐ客」に気づいてもらいやすい

「地名+弁護士」と検索するユーザーは、近隣で良い弁護士を探しているユーザーです。つまり、MEOによって商圏エリアでの上位表示が実現すると「今すぐ相談したい」と顕在的なニーズのあるユーザーに気づいてもらえるようになります。

具体的には、特定のエリアにフォーカスした検索結果で3位以内に入れると、問い合わせの増加に直結します。

ニーズが顕在化しているユーザーほど、成約に至るまでの期間が短い傾向にあります。売上アップにつながりやすい施策を検討している方は、最優先でMEOに着手しましょう。

低コストで継続的に集客できる

顕在層にアプローチする手段として、MEOとともに活用されるのが「リスティング広告」です。

リスティング広告は、使い方によって高い集客効果が期待できる一方、出稿している限り広告費用がかかり続けます。その点、MEOは無料で取り組めるため、運用を外注しなければ集客コストはゼロです。

つまり、Googleマップ経由での問い合わせが増えるほど、広告宣伝の費用対効果が高まっていきます。Web施策の一環としてMEOを取り入れることで、持続可能なビジネスモデルの構築につながるでしょう。

なお、MEO対策の外注は、SEO対策などと比較すると安価です。自力で対策するのが難しい場合でもコストがかさみにくいため、導入ハードルは低いでしょう。

口コミによって信頼性が確保される

MEOで上位表示を実現すれば、顧客からの口コミが多くのユーザーの目に触れ、自社の評判の客観的な証明になります。

実際、口コミをはじめとするUGC（ユーザー生成コンテンツ）を信頼する人は64.6％にのぼり、とくに信頼度が高まるカテゴリは「無形商材（80.2％）」であることを示した調査結果があります（※）。

Googleの口コミは金銭・特典の授受が禁止されており、ユーザーからの信頼性が比較的高いです。後述しますが、MEOでは口コミ収集・返信にも注力するため、取り組みによって弁護士としての信頼感アップにつなげられます。

（※）PR TIMES｜生活者の64.6％が購買行動においてUGCを信頼、購入の意思決定に最も影響を与えるコンテンツ形式は、「テキスト」｜Letro調べ

弁護士のMEO対策の進め方【10ステップ】

MEO対策を成功させるためには、正しい手順に沿って地道に取り組むことが大切です。ここでは、弁護士事務所がMEOを導入する際に実施すべき10ステップを紹介します。

各ステップを実行することで、着実にMEOの成果が現れてきます。

1. 見込み客が検索しやすいキーワードを選定する

最初に、上位表示を狙うキーワードを選定します。以下のように「地名+弁護士+○○」と複合キーワードを対策するのが基本です。

カテゴリ	キーワード例
地名	・新潟市 弁護士 ・阿佐ヶ谷駅 法律事務所
相談内容	・新潟市 離婚 弁護士 ・阿佐ヶ谷 損害賠償 弁護士
費用系	・新潟市 弁護士 無料相談 ・阿佐ヶ谷 交通事故 弁護士費用

上位表示のポイントは「横浜」のように大規模な地域ではなく、「横浜市鶴見区」「桜木町」のようになるべく狭い範囲のエリアを狙うことです。

選定したキーワードは、Googleビジネスプロフィールはもちろん、ホームページやSNSなどWeb上に公開している情報に盛り込んでいきます。

2. Googleビジネスプロフィールを登録する

続いて、Googleビジネスプロフィールに事務所情報を登録しましょう。

正確な住所、電話番号、営業時間の記載はもちろん、プロフィール写真やカバー写真も忘れずに設定してください。初期の情報整備が成果に直結しますので、丁寧に作業を進めましょう。

3. 専門分野にあわせてビジネスカテゴリを設定する

ビジネスのカテゴリは、事務所の特徴を具体的に表現するタグのようなものです。「弁護士」だけだと、ユーザーはどのような内容を相談していい事務所なのかわかりません。

そのため「離婚」「自己破産」「刑事事件」といったカテゴリを細かく設定することで、ユーザーの検索ニーズにマッチしやすくなります。

精度の高いカテゴリ設定ができれば、あらゆる単語の検索表示につながるので慎重に行いましょう。

4. 外観や内観の写真を充実させる

写真は信頼感を大きく左右します。事務所の外観や受付、相談スペースの写真を複数枚アップしてみましょう。清潔感のある印象を与えることで、初めての相談者でも安心して来所しやすくなります。

これはSNSへの投稿にも使用できるので、明るく清潔感のある写真を撮影するように意識してみてください。

5. 商品・サービス欄で業務内容を明示する

商品・サービス欄は、以下のように一覧表示されます。事務所の対応可能な相談内容を分かりやすく記載しましょう。

ここでも対策キーワードを含めることを意識すると、検索結果での上位表示が狙いやすいです。

6. 投稿機能で最新情報を発信する

Googleビジネスプロフィールには「投稿」機能があり、最新情報を発信できます。「セミナー開催」「祝日営業のお知らせ」などはもちろん、ホームページへのリンクを貼ってブログ更新を案内することも可能です。定期的な更新が、アクティブな印象を与えるでしょう。

たとえば「新潟市 離婚 弁護士」のキーワードを狙いたい場合、離婚に関連する投稿を増やすことで、Googleとユーザーに関連性・専門性をアピールできます。

7. 顧客から口コミを収集する

MEOでは、口コミが大きな影響力を持ちます。弁護士に相談したいユーザーは「高額な請求が怖い」「話を聞いてくれずに作業のような形式だったら嫌だ」など、さまざまな不安を抱えている状態です。

誰でも一度は商品購入時に口コミを参考にしたことがあるように、これらの不安を払拭するのが利用者の声となります。星評価や件数は検索順位にも大きく影響するため、顧客に以下のような方法でお願いして口コミを書いてもらいましょう。

金銭や特典など、対価を用意して口コミを依頼することは、Googleのガイドラインで禁じられています。地道な取り組みを継続することが大切です。

8. 口コミに丁寧に返信する

口コミは収集するだけではなく、丁寧な返信対応までセットで考える必要があります。返信の有無や質によって、ユーザーからの信頼感が大きく変わるからです。

とくに重要なのは、低評価の口コミに対する返信です。感情的な反論を避け、以下のように対応しましょう。

9. ホームページのコンテンツを充実させる

Googleは、Web上に公開されているさまざまな自社情報を考慮して検索順位を決定します。そのためMEOでは、Googleビジネスプロフィールだけでなく、公式ホームページの情報を充実させることも重要です。

ホームページには、見込み客が知りたがっている情報を過不足なく掲載しましょう。

さらに、ホームページへのリンクをGoogleビジネスプロフィールに設定します。SEO的にも有利になりますし、より詳しい情報を見てもらうことで、相談へのハードルを下げられるのでおすすめです。

10. 定期的なメンテナンスを欠かさない

MEOは一度設定すれば終わり…ではなく、定期的なメンテナンスが重要です。営業時間の変更、休業日、サービス内容の追加など、変化があった場合にはすぐに情報を更新しましょう。

最新の情報を常に反映することで、検索結果でも好印象を維持できます。

弁護士のMEO対策の成功事例

以下では、MEO対策に成功している2社の法律事務所を紹介します。小規模事務所ながら、大手弁護士法人に負けず上位表示を実現している事例をピックアップしました。

岩渕•浩法律事務所

引用元｜岩渕•浩法律事務所

岩渕•浩法律事務所は、新潟市中央区に拠点を置く法律事務所です。口コミ件数・星評価ともに高く、地域に根ざして頑張る弁護士の方はとくに参考になります。

先生の人間性が垣間見える口コミが、無料の広告塔となり、集客に大きな影響を与えていることが分かります。UGCの重要性がよく示されている事例です。

千葉志法律事務所

引用元｜千葉志法律事務所

千葉志法律事務所は、交通事故の被害者救済に特化した千葉市の法律事務所です。事業年数は比較的浅いものの、老舗の事務所に負けずGoogleマップで存在感を放っています。

SNSを利用せず、すべての情報発信をホームページを通して行っていることも特徴です。先生自身の言葉で「一次情報」の提供を重視していることが、結果としてMEOにも良い影響を与えていることがうかがえます。

弁護士の集客に役立つMEO以外のWeb施策

MEOはローカル検索に特化した施策ですが、さらに集客を安定させたい場合は、他のWebマーケティング手法と組み合わせることが効果的です。

ここでは、弁護士事務所がMEOと併せて活用したい代表的な施策を2つ紹介します。

以下で詳しく見ていきましょう。

リスティング広告の活用

リスティング広告は、検索キーワードに連動して表示されるテキスト型の広告です。

出稿するとすぐに表示されるため、Web施策のなかでも非常に即効性の高い手法として知られています。事前に費用対効果の検証は必須になるものの、以下のようなケースでは有効活用できる可能性が高いです。

広告宣伝の費用対効果を高めるには、SEOやMEOと主軸としつつ、補助的にリスティング広告を活用する形が望ましいでしょう。

SNSによる情報発信

最近では、弁護士もSNSで情報発信するケースが増えています。信頼感のある専門家としての顔を見せることで、ブランディングや指名相談につながる可能性も高まるでしょう。

とくに士業と相性の良いSNSは、テキストベースで情報発信できる「X（旧Twitter）」です。法律系のトピックは文章で内容を伝えやすいため、Instagramのような写真ベースのSNSよりも運用しやすいでしょう。

SNSはユーザーとの距離が近く、親近感を覚えたフォロワーからの依頼につながるケースも少なくありません。ビジネス色を全面的に打ち出すよりも、人間性を伝える手段として活用するのがベターです。

まとめ：MEOで弁護士事務所の集客を加速させよう

MEOは、弁護士のローカル集客にとって効果的な手段です。無料で始められる上、定期的な運用で持続的な成果を得やすいのが特徴となっています。

「専門性」と「地域性」を組み合わせることで、大手やポータルサイトとの差別化も図れるのがメリットです。これからの時代、弁護士事務所の集客はMEO抜きでは語れません。この記事を読み返して、弁護士事務所のMEO対策を始めてみてください。