ChatGPTの壁打ちとは？やり方とビジネスで役立つおすすめプロンプトを紹介

ChatGPTは、質問をするとさまざまな回答が返ってきます。しかし、ビジネスやアイデア出しに活用しきれていない人も多いのではないでしょうか？

ChatGPTは無料でも高性能AIモデルが利用でき、長文だけでなく画像やPDF、音声ファイルも扱えるマルチモーダルAIとして進化しています。

思考の整理やアイデア出し、文章力アップなどに役立つ壁打ちのやり方、プロンプト例をまとめたので、参考にしてください。

ChatGPTの壁打ちとは？具体的な4つのアイデア

ChatGPTの「壁打ち」とは、ChatGPTに対して自分の考えやアイデアをチャットして、その反応から思考を深めていく使い方です。

語源はテニスの壁打ちからきていて、思考を整理・強化するためにおすすめです。具体的には、以下のことに使用できます。

一人で作業することが多い場合や、他者視点を取り入れたいときにも効果的です。

アイデア出し・仮説検証

ChatGPTは、ビジネスシーンと私用の両方で新しいアイデアを生み出すときに活用できます。たとえば、以下のプロンプトはおすすめです。

プロンプト	使用するシーン
「新商品のキャッチコピーを考えて」	マーケティング・企画
「〇〇業界の新しいビジネスモデルは？」	企業分析
「もっと若者向けの案を出して」	より内容を深堀りしたいとき
「このアイデアのメリットとデメリットは？」	詳細を知りたいとき

これらの質問をすることで、自分一人では思いつかなかったような、斬新なアイデアをいくつも得られる可能性があります。

長文や表や画像を読み込むことも可能で、深掘りすることで、アイデアを幅広い視点から検討できます。ChatGPTとの壁打ちを繰り返し行うと、質も向上することでしょう。

さらに仮説の検証もChatGPTで壁打ちをすれば、サポートしてくれます。具体的には、以下のプロンプトがあげられます。

これらを質問することで、自分の立てた仮説への第三者からの視点から解説してくれます。また、「この仮説の反論を考えて」と指示することも効果的ですよ。

文章の推敲・リライト

自分が書いた文章や作った画像、表、PDFをChatGPTに提示して、以下の指示をするとクオリティが上がります。

プロンプト	使用するシーン
「この文章をもっと簡潔で分かりやすくして」	伝えたいところが明瞭になる
「この文章をビジネス向けのトーンに変更して」 「〇〇な読者向けに書き換えて」	トーンの調整をすることでターゲット層に伝わりやすい文章になる
「この文章をE-E-A-Tを考慮してリライトして」	SEO対策となり、検索上位を狙える
「この画像（またはPDF）の内容を、分かりやすく要約して説明して」	客観的に見やすくできているか分かる

また、会議のホワイトボード写真やグラフ、資料のPDFなども、手軽に文章化できます。

さらに、日本語の自然さやターゲットに合わせたトーン調整、SEOリライトの精度も向上しており、従来よりも実用性が大きくアップしています。

誤字脱字や冗長な表現も自動でチェックでき、納得できない場合は「反論を考えて」といった追加指示をすることで、さらに洗練された文章を得られるのもポイントです。

戦略・施策の検討（ビジネス活用例）

ビジネスでは戦略や施策を検討することが、成功するかどうかを大きく決めます。ChatGPTの壁打ちでは、条件を詳しく入力することで、戦略に対しての答えを出してくれます。

具体的なプロンプトは、以下のとおりです。

プロンプト	使用するシーン
「〇〇業界でシェアを拡大するには？」	さまざまな角度からの意見やアイデアを提供してくれる
「この戦略のリスクは？」	今まで分からなかった問題点を洗い出してくれる
「競合他社の戦略を分析して」	市場の動向や自社の強み・弱みをより深く理解できる
「A案・B案・C案を比較して、最も実現性が高い案とその理由、リスクもあげて」	複数の施策やアイデアを客観的に比較検討する（GPT-5など最新モデル推奨）

ChatGPTは長文や複数案の同時比較、複雑な条件分岐やリスク分析も得意です。また、PDF資料や表をアップロードして「現状分析＋施策提案」をもらったり、Bing連携で最新トレンドや事例もふまえた助言を受けられます。

社内で施策を検討しているときに意見が出尽くした場合も、ChatGPTで壁打ちをしてみることで新しい視点や思いがけないリスク指摘・提案を得ることができ、さらに深い戦略を考えられるでしょう。

オズボーンのチェックリスト活用法

オズボーンのチェックリストとは、著名な実業家アレックス・F・オズボーンが考案したアイデア発想の手法の一つです。ChatGPTでこのチェックリストを活用すると、新しい視点を得るだけでなく、既存のアイデアを進化させたりするのに役立ちます。

たとえば新しい商品の開発を考えている場合、ChatGPTに対して「このアイデアをオズボーンのチェックリストに基づいて改良する方法を提案して」と質問すると、さまざまな発想が得られます。

このチェックリストは、以下のような9つの視点で構成されています。

項目	内容
転用	他の用途に使えないか？
応用	類似のものからヒントを得られないか？
変更	色・形・機能などを変えられないか？
拡大	より大きく、強く、長くできないか？
縮小	より小さく、軽く、短くできないか？
代用	別の素材や方法に置き換えられないか？
再配置	順番や構造を変更できないか？
逆転	逆のアプローチを考えられないか？
結合	他のアイデアや機能と組み合わせられないか？

発想が行き詰まったときや新しい切り口がほしいときに、より実践的なアイデア拡張ができる点が大きな魅力です。

プロンプト例	使用するシーン
このアイデアをオズボーンのチェックリストで改良する方法を提案して	既存アイデアの発展・ブラッシュアップ
この画像（例：商品写真）をチェックリストに当てはめて新アイデアを出して	写真・イメージから新しい用途や機能を発想する
添付したPDFのサービス内容をもとに、転用や応用案をあげて	資料・提案書・報告書の内容をもとにブレストする
最新の事例やトレンドをBingで調べてから、チェックリストに沿った改善案を考えて	市場の変化や流行を踏まえた発想をする

ChatGPTによる壁打ちのやり方は？プロンプト作成の手順3つ

ChatGPTで壁打ちをするなら、以下の流れでおこないます。

壁打ちをすれば自分では考えられなかった回答が返ってくるので、納得いくまで徹底することが大切です！

テーマや目的に沿ったプロンプトを作成する

ChatGPTとの壁打ちを始める前に、最も重要なことは「何について」考えるかを決めることです。具体的には、以下のようなテーマを設定しましょう。

テーマが分かりづらいと、ChatGPTからの回答も曖昧になりがちです。NGパターンとOKパターンをまとめると、以下のようになります。

NGパターン	OKパターン
「新商品のアイデア」	・20代女性向け ・オーガニックコスメの新商品のアイデア
「売上を伸ばす方法」	新規顧客獲得のためのオンライン施策

このように、テーマを明確にすることで、ChatGPTとの壁打ちの質があがります。

応答に対してさらに質問・提案する

ChatGPTの回答に対して、さらに質問を重ねることで、思考を深掘りできます。たとえば、以下のような視点から質問をしましょう。

また、ChatGPTの提案に対して、反応することも大切です。

ほかのAIに比べて、ChatGPTは対話型のAIなので、会話をするとより精度が高い壁打ちができます。

このように、単なる一問一答ではなく、ChatGPTとの対話からアイデアを発展させ、質を高めていきましょう。積極的に質問や提案をして、ChatGPTの思考力を引き出しながら、思考力も高められることが理想です。

実践的なプロンプト例を用いる

ChatGPTは曖昧な回答をすることがあります。壁打ちの精度を上げるなら、疑問に思っていることをすべて質問しましょう。

重要なのは、曖昧な回答をそのままにせず、納得いくまで質問することです。質問を繰り返すことで、回答の精度は確実に向上します。

曖昧さを解消し、納得いく答えを得るまで、ChatGPTに問いかけ続けましょう。質問を重ねると前の質問を忘れるため、できるだけ具体的、実戦的な質問をすることも重要です。

質問	プロンプト例
アイデアを実現させる方法	新しいサービスのコンセプトは○○でいきたい、 具体的なステップと現時点で考えられる問題点を指摘して
多方面での戦略出し	競合分析を行うため、○○業界における 主要な競合と、それらの強みと弱みを教えて
明瞭化の方向性を入れたリライト	この文章を分かりやすくしたい、 最後の1文が目立つようなリライトの提案をして

【ビジネスでも】ChatGPTの壁打ち活用例3選

ChatGPTの壁打ちは、ビジネスでさまざまな用途に活用できます。活用例としておもな方法を3つ紹介します。

ブログやSNSのアイデア出し、リライト

ChatGPTは文章の作成や改善に役立つツールです。ブログ、SNSのアイデアに煮詰まったとき、ChatGPTが役立ちます。

アイデア出し、リライトの時は漠然と「アイデアを出して」「リライトして」と指示するのではなく、プロンプトでターゲットや投稿の目的を具体的に指示するとよいでしょう。

実際にChatGPTに聞いてみた回答は次のとおりです。

使えそうなアイデアをピックアップして、さらに壁打ちを続けましょう。

追加で「アイデアを元に見出しを作成して」「◯◯のアイデアについてもっと具体的に」などの指示を出せば、さらに詳しく回答を得られます。

ただし、ChatGPTの情報は古かったり、誤りを含んだりしている場合があります。回答をそのままブログ、SNSに投稿するのではなく、必ず内容を確認して必要であれば修正を加えましょう。

マーケティング戦略の考案

マーケティング戦略の考案にもChatGPTが役立ちます。マーケティングに決まった正解はないため、考えるにはまず少しでも多くのアイデアを出す必要があります。

一人でアイデアを考えると煮詰まってしまいがち。ChatGPTと壁打ちする中でインスピレーションを受けて、独創的な戦略が出てくるかもしれません。

実際にChatGPTに聞いてみた回答は次のとおりです。

新しい商品・サービスの開発

クリエイティブな仕事にも、ChatGPTは便利です。新しい商品・サービスを開発するときのアイデア出しを手伝ってもらえば、自分では思いつかないアイデアを生み出せます。

ChatGPTにアイデアを出してもらうだけでなく、自分のアイデアを伝えてフィードバックをもらってもよいでしょう。

実際にChatGPTに聞いてみた回答は次のとおりです。

ターゲット層やテイスト（和風・フルーツ系など）について、より具体的に指示を出せばその方向で考えてくれます。

ChatGPTで壁打ちする際のポイント5選

ChatGPTで壁打ちをする場合、よりクオリティを上げたいなら以下のコツを抑えておきましょう。

壁打ちをしたいと思っている人は、参考にしてください。

目的に応じたプロンプトを考える

ChatGPTとの壁打ちでは、目的に応じたプロンプトを考えることが重要です。壁打ちでは、以下のようなことで使います。

これらの目的によって、適切なプロンプトは異なります。

質問	プロンプト
アイデア出し	「〇〇に関する新しいアイデアを10個あげて」
文章の推敲・リライト	「この文章をより分かりやすく書き換えて」
戦略の分析・検討	「〇〇業界の市場動向を分析して」

目的に合ったプロンプトを投げかけることで、ChatGPTからより的確な回答を引き出せるでしょう。

納得いくまで質問する

ChatGPTとの壁打ちでは、自分が納得できる回答がくるまで、質問を続けることが重要です。優れた回答が得られたとしても、少しでも疑問が残る場合は、追加で質問しましょう。

このように、あらゆる角度から質問を投げかけることが大切です。

ChatGPTは、あなたの質問に対して真剣に答えてくれます。遠慮せずに、納得できるまで質問を繰り返しましょう。粘り強く質問を続けることが、ChatGPTとの壁打ちを成功させる秘訣です。

何度も質問する内に、ChatGPTの回答の型が見えてくるため、慣れてくるとビジネスだけでなく、プログラミング・学習・ライフスタイル関連の問題にも応用できます。

間違っているところは指摘する

ChatGPTは間違った情報や、不適切な回答をすることもあります。

そのような場合は、遠慮なく「それは違うと思う」と指摘しましょう。間違いを指摘することは、ChatGPTの精度向上につながるだけでなく、あなた自身の思考を整理するためにも役立ちます。

誤った情報を鵜呑みにせず、常に批判的な視点を持つことが重要です。ChatGPTと対話しながら、正しい情報、そしてあなた自身の考えを導き出しましょう！

比較や選択を含める

ChatGPTとの壁打ちでは、複数の案を比較したり、選択肢を提示させたりすることが効果的です。その際は、以下のようなプロンプトがおすすめです。

プロンプト	答え
「A案とB案、どちらがよいと思う？それぞれのメリットとデメリットは？」	それぞれの案の長所と短所を客観的に評価できる
「この問題に対する解決策を3つあげて」	さまざまな選択肢から最適なものを選べる
「〇〇業界と〇〇業界で展開する場合、どちらが成功する可能性が高い？」	独自視点で回答を予測してくれる

複数の選択肢を比較・検討することで、より深い内容で検討できます。

ChatGPTにさまざまな視点を提供して、最適な答えを導き出しましょう。

「型」を作って効率化する

ChatGPTとの壁打ちを効率化するためには、よく使うプロンプトを「型」として保存しましょう。それぞれ使用することが多いものをまとめたので、以下を参考にしてください。

型	プロンプト
アイデア出しに最適な型	「〇〇（テーマ）に関する新しいアイデアを〇〇（ターゲット）向けに〇〇個あげて」
文章推敲におすすめな型	「この文章を〇〇な読者向けに、〇〇の観点からリライトして」
戦略分析用に押さえたい型	「○○業界における○○戦略の成功要因を分析して」

このように、自分なりの「型」を作っておくことで、一からプロンプトを考える必要がなくなり効率が上がります。

「型」を活用して、ChatGPTとの壁打ちをよりスムーズに、そして効果的におこないましょう。

ChatGPTで壁打ちを行うメリット3つ

ChatGPTで壁打ちをするメリットは、次の3点です。

人と壁打ちをするのは時間や場所の制限があります。ChatGPTであれば、インターネット環境さえあれば誰でもどこでも壁打ちが可能です。

画像やPDFの内容も壁打ちで活用できるようになっていて、使いやすさも進化しています。

一人でもアイデア、思考を整理できる

ChatGPTを使えば、一人でも壁打ちが可能です。

通常、壁打ちには相手が必要です。聞いてくれる相手がいても、常に都合が合うとは限りません。また、個人で事業をしている場合は適した相手がいない場合もあるでしょう。

ChatGPTとの壁打ちでは、他のメンバーがいなくても問題ありません。仕事をしていて必要だと思ったら、相手のスケジュールを考えずすぐに壁打ちができます。

時間、場所に縛られず使える

人と壁打ちをするときは、時間や場所に制限があります。対面で壁打ちをするときは会議室など話し合えるスペースを確保する必要がありますし、オンライン会議でも相手の都合を考えて時間を調整する必要があります。

ChatGPTはインターネット環境さえあれば時間、場所に縛られず壁打ちができます。深夜や早朝でも相手の都合を考える必要もありません。

学習により回答をブラッシュアップできる

ChatGPTはただ回答を返すだけでなく、フィードバックから学習させて回答をブラッシュアップできます。

最初からChatGPTで思った通りの回答を出すのでなく、フィードバックを通してよりよい回答を目指しましょう。

人との壁打ちではアイデアに限りがあります。会話により斬新なアイデアが生まれることもありますが、何度もフィードバックをしてアイデアを出してもらえるとは限りません。相手によっては気を遣ってしまうこともあるでしょう。

ChatGPTが相手であれば気兼ねなく繰り返しフィードバックを返すことができ、相手に気を遣う必要もありません。

また、AIから出力された情報が正しいか情報源を確認する場合は、Perplexity AIが強力なサポーターになってくれるでしょう。

注意点・ChatGPTで壁打ちしたその先

ChatGPTを使った壁打ちは、頭の中を整理し、思考を可視化するのにとても有効です。しかし、対話を終えた時点で満足してしまうと、せっかくの気づきやアイデアが形にならずに終わってしまいます。

壁打ちの本当の価値は、「考えたことを行動に変え、成果につなげる」ことです。ここでは、ChatGPTでの壁打ちを実践的な成果へつなげる方法を紹介します。

1. 壁打ちで得た「気づき」を整理する

ChatGPTとの壁打ちを終えたあとに大切なのは、得られた情報を整理することです。

会話の中で生まれた発見や考えをそのまま放置すると、時間が経つにつれて意図がぼやけてしまいます。まずは以下の3点を簡潔に書き出してみましょう。

3点を整理するだけで頭の中がクリアになり、次に何をすべきかが明確になります。

2. アイデアに優先順位をつける

壁打ちでは多くのアイデアや選択肢が出てきます。しかし、すべてに手を出してしまうと中途半端になり、結果的にどれも実現できません。

そのため、アイデアに優先順位をつける必要があります。実行に移す際は、次の3つの観点で判断すると整理しやすくなります。

アイデアを整理できたら、今やるべきことを1つ決めましょう。小さくても確実に進められる一歩を選ぶことが、壁打ちを“成果につなげる思考”に変えるコツです。

3. 仮説を行動で検証する

ChatGPTとの壁打ちは、明確な答えを出すためではなく、仮説を見つけるための時間です。

そのため、対話で出てきた結論は、実際に試す必要があります。実践することで、何が有効で何を修正すべきかが見えてきます。

得られた結果をもとに再びChatGPTに相談すれば、次の改善案もすぐに立てることが可能です。「考える→試す→振り返る」を繰り返すことが大切です。

4. 結果を共有し、次の戦略へ活かす

得られた気づきや成果は、チームで共有することでさらに価値が高まります。ChatGPTとの壁打ちで整理した考えをベースに、会議やプロジェクトの議論を進めれば、戦略立案や意思決定の精度も向上します。

もし「壁打ちで出たアイデアをどう社内で活かせばいいか分からない」と感じた場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。

ChatGPTを使った壁打ちに関するよくある質問

ChatGPTの壁打ちは日々の仕事・作業に役立つ！

ChatGPTは、あなたの思考を深め、アイデアを創出するための強力な壁打ちパートナーです。

間違いを指摘して、比較をしながらより深く壁打ちをすることが大切です。