自宅サロンを開業したいと思い立ったとき、最初に気になるのが「何から始めればいいの?」ということではないでしょうか。初期費用や準備、手続き、集客など、考えるべきことが多くて不安になる方も多いはずです。
そこで今回は、自宅サロンを開業するための具体的なステップを分かりやすく解説します。メリット・デメリットから準備のポイントまで、成功への道筋をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください!
主婦や初心者におすすめの自宅サロン業種
自宅サロンは、低コストでスタートできたり、家庭と両立しながら柔軟に働けるたりするため、主婦や初心者に人気のビジネスです。初めてでも挑戦しやすい自宅サロンの業種は以下のとおりです。
<ネイルサロン>
ネイルアートが好きな方におすすめの業種。必要な道具も比較的少なく、コンパクトなスペースでも始めやすいのが特徴です。
<エステサロン>
フェイシャルケアやボディケアを提供するエステサロンも人気です。簡単なハンドマッサージやスキンケアからスタートし、徐々にスキルを高められるでしょう。
<リラクゼーションサロン>
アロマセラピーやリフレクソロジーなど、癒しを提供するリラクゼーションサロン。心身のリフレッシュを求めるお客様に、リラックスできる空間を提供できます。
なお、マツエクサロンも人気業種のひとつですが、美容師免許や保健所の許可が必須です。自分の得意分野や楽しめること・興味のあることなど、無理なく始められる業種を選びましょう。
自宅サロンを開業するための具体的な7つのステップ
自宅サロンを成功させるには、準備段階でしっかりと計画を立てることが重要です。以下のステップを参考に、理想の自宅サロン開業を目指しましょう!
- ターゲット・コンセプトを決める
- 事業計画書を作成する
- 開業資金を準備する
- 自宅内のサロンスペースを決める
- 内装・設備を整える
- 開業手続きと許可申請をする
- 集客活動をする
1つずつ深掘りしていきます。
①ターゲット・コンセプトを決める
自宅サロンを成功させるために、まずはターゲットとコンセプトを明確に決めましょう。
ターゲットとは「誰に」サービスを届けるのか、コンセプトは「どんな価値を」提供するのかを指します。この2つをしっかりと定めることで、お客様にサロンの魅力が伝わり、集客にもつながります。
- ターゲット:仕事や育児で疲れている30代の女性
- コンセプト:自宅で気軽に癒しと美を感じられるプライベートサロン など
自宅サロンがあるエリアの特徴も参考にしながら、具体的に決めましょう。
②事業計画書を作成する
ターゲットやコンセプトが決まったら、次に「事業計画書」を作成しましょう。事業計画書には、事業の運営方法、運営にかかる費用、予想される収益などを記載します。
しっかりと計画を立てておくことで、資金や事業運営の方向性が明確になります。自宅サロンの場合、事業計画書は必須ではありませんが、作成しておくことで経営をスムーズに進められるでしょう。
③開業資金を準備する
事業計画書の作成が完了したら、開業資金を準備します。ネイルサロンなら道具や材料、エステサロンなら施術ベッドや用具の購入費などがかかります。
導入する機器の値段によっては高額になることもありますが、無理なく始められる範囲でスタートするのがおすすめです。自己資金が足りない場合は、融資や助成金の活用も検討するとよいでしょう。
自宅サロン開業で利用できる補助金・助成金の一例は以下のとおりです。
- 小規模事業者持続化補助金
- 事業再構築補助金
- 地域雇用開発助成金
- 地方自治体の独自支援 など
各ホームページで詳細を確認し、適応できるかどうか判断してください。
④自宅内のサロンスペースを決める
自宅内のどの部分をサロンとして使用するかを決めます。
玄関近くの一室やリビングの一角など、お客様が利用しやすい場所を選びましょう。入り口からの動線をスムーズにすることで、初めて訪れるお客様にも安心感を与えられます。
また、生活スペースとサロンを明確に分けるために、仕切りを設置したりプライバシーを確保したりする工夫も大切です。お客様が快適に過ごせるように意識しましょう。
⑤内装・設備を整える
自宅サロンの内装は、ターゲット層やコンセプトに合ったデザインにすることが大切です。
お客様がリラックスできるよう、生活感を極力なくし、落ち着いた雰囲気を作りましょう。シンプルで清潔感のある空間は、どの業種でも好印象を与えます。
また、照明や家具は統一感のあるものを選び、サロン全体の雰囲気を整えることで、お客様の満足度が向上するでしょう。
⑥開業手続きと許可申請をする
サロンの開業にあたり、必要な手続きや許可申請を行いましょう。
開業日から1ヶ月以内に、開業届を税務署へ提出する必要があります。さらに、業種によっては特別な許可が必要な場合も。たとえば、マツエクサロンやマッサージサロンでは、保健所への申請を行い、「美容所登録」を済ませる必要があります。
地域ごとに規定が異なる場合があるため、事前に管轄の保健所で確認しておきましょう。
⑦集客活動をする
自宅サロン開業に必要な手続きが完了したら、集客活動を始めます。
SNSやブログでの情報発信や、地域でのチラシ配布など、オンライン・オフラインを組み合わせてお客様にアプローチしましょう。写真を活用して、サロンの雰囲気や施術内容を伝えると、より多くの人に魅力が伝わります。
また、地域でのチラシ配布やお試し価格のキャンペーンを実施することで、新規のお客様を呼び込みやすくなります。さらに、満足したお客様から口コミが広がるような仕組みを作ると、安定した集客につながるでしょう。
自宅サロンが「違法」とならないための注意点3つ
自宅サロンを運営する際には、法律や契約内容を守ることが大前提。違法にならないよう、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 賃貸契約に違反していないか
- 税金の納付を忘れていないか
- 消防法に違反していないか
1つずつ解説します。
賃貸契約に違反していないか
自宅が賃貸物件の場合、契約内容の確認は必須です。
多くの賃貸契約では、住居以外の目的で物件を使用することが禁止されています。サロンを運営することで契約違反となり、退去を求められる可能性もあります。
そのため、自宅サロンを開業する場合は管理会社や大家さんに相談し、事前に許可を得るようにしましょう。契約内容を改めて確認して、想定外のトラブルを防ぐことも大切です。
税金の納付を忘れていないか
賃貸物件を事業用として契約する場合、消費税が課されます。
一般的な住居用賃貸契約には消費税がかかりませんが、事業としての利用を始めた場合は課税対象となります。とくに、住居用契約から事業用に切り替えた場合、消費税の納付を見落としやすくなるのです。
納付が遅れると追徴課税が発生することもあるため、忘れないようにしましょう。
消防法に違反していないか
自宅サロンを開業する際は、消防法の規定も守りましょう。
自宅サロンとして営業を始める7日前までに「防火対象物使用開始届出書」を提出する必要があります。この手続きは、賃貸物件でも一軒家でも共通です。
自宅サロンを開業する3つのメリット
自宅サロンを開業するデメリットは以下のとおりです。
- 低コストで開業できる
- 時間の融通が効きやすい
- 通勤の必要がない
自宅サロンには、他の働き方にはない魅力が多くあります。どんなメリットがあるのか、具体的に見てみましょう!
低コストで開業できる
自宅サロンのメリットのひとつは、低コストでスタートできることです。
店舗を借りる必要がないので家賃もかからず、内装や設備にかかる費用も必要最低限でOKです。資金面の負担が少なく、リスクを抑えながら始められるので、初心者でもスタートしやすいでしょう。
時間の融通が効きやすい
自宅サロンは、営業時間や予約の調整がしやすいこともメリットの1つです。
とくに子育て中の方は、家族の予定に合わせたスケジュールを立てられます。ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能であり、無理なく運営を続けられるでしょう。
通勤の必要がない
自宅サロンは、文字通り自宅で仕事ができるため、通勤の手間が省けます。
通勤時間を削減することで、その分をサービスの準備やリフレッシュの時間に充てられます。また、移動のストレスがないため、より効率的に働ける環境もメリットといえるでしょう。
自宅サロンを開業する3つのデメリット
自宅サロンを開業するデメリットは以下のとおりです。
- プライバシーの保護が難しい
- 仕事とプライベートの境界が曖昧になる
- 立地によっては集客が難しい
自宅サロンのメリットとあわせてデメリットも理解し、納得のいく形でスタートしましょう。
プライバシーの保護が難しい
自宅で運営する以上、住所を公開しなければならない場合もあり、プライバシーやセキュリティのリスクが伴います。
また、知らないお客様を招くことに抵抗を感じる方もいるかもしれません。防犯カメラを設置したり、完全予約制にしたりして、安全に配慮する対策をしっかり取りましょう。
仕事とプライベートの境界が曖昧になる
自宅が職場になると、仕事モードとリラックスモードの切り替えが難しくなることも。
お休みの日でもお客様が来ると、リラックスしにくいと感じるかもしれません。営業時間を明確にして、自分のプライベート時間を守るルール作りが必要です。
立地によっては集客が難しい
住宅街やアクセスが不便な場所では、集客が難しい場合があります。
そのため、ターゲット層にアプローチできるような集客戦略や、SNSを活用した宣伝活動が欠かせません。周囲の環境を考慮した上で、運営計画を立てましょう。
自宅サロンを成功させるためのポイント4選
自宅サロンを成功させるポイントは以下のとおりです。
- 適切な価格設定をする
- 集客戦略を実施する
- ホームページやSNSでの情報発信を強化する
- リピーターを増やす
それぞれ詳しくみていきましょう。
適切な価格設定をする
ターゲット層の収入やライフスタイルに合わせた価格設定を心がけましょう。
高すぎる価格はリピーターを獲得しにくく、安すぎる価格は経営を圧迫する可能性があります。初回限定割引やセットメニューを取り入れることで、利用のハードルを下げるのも効果的です。
地域の相場をリサーチし、バランスの取れた価格設定を目指しましょう!
集客戦略を実施する
開業初期の3ヶ月間は、とくに集客に注力しましょう。
SNS広告や地域の掲示板、チラシを活用してターゲット層にアプローチします。また、友人や知人から口コミを広げてもらうのも効果的です。
集客活動を多角的に展開することで、新規顧客を効率的に増やせます。
ホームページやSNSでの情報発信を強化する
サロンの雰囲気やサービス内容をわかりやすく伝えるため、情報発信は欠かせません。
ホームページやInstagram、LINE公式アカウントなどを活用し、キャンペーン情報や施術の魅力を発信しましょう。
写真のクオリティを高めたり、親しみやすい文章を工夫することで、潜在顧客への訴求力がアップします。
リピーターを増やす
安定した経営には、リピーターの確保が重要です。ポイントカードや次回予約割引などの特典を提供して、リピートを促しましょう。
また、顧客に合わせたきめ細やかなサービスやアフターフォローで満足度を向上させることも大切です。「また来たい」と思ってもらえる体験を提供することで、長期的な信頼関係を築けます。
まとめ
自宅サロンの開業には、低コストや自由度の高さといったメリットがある一方で、立地やプライバシーなどの課題もあります。しっかり準備をしてデメリットをカバーしながら、自分らしいサロンづくりを楽しんでくださいね!