SSL化とは、Web上の通信を暗号化する仕組みのこと。
SSL化しないとホームページの運営者だけでなく、ホームページを訪問するユーザーにとってもリスクがあります。ホームページの信頼を損なわないためにも、Webサイトを開設したらすぐにSSL化認証を行いましょう。
今回はSSL化しないとどうなるか、SSL化が必要な理由とSSL化の手順について解説します。SSL化について知りたい方はぜひ、最後までお読みください。
SSL化しないとどうなる?起こり得る5つのリスク
SSL化しないと、情報漏洩や表示速度の低下などさまざまなデメリットがあります。SSL化しないことで起こるリスクは、主に5点あります。
- 個人情報が漏洩するリスクがある
- ユーザーに不信感を与え、サイト離脱につながる
- Googleからの評価が下がる
- 表示速度が低下する
- アクセス解析の精度が低下する
それぞれのリスクについて、より具体的に解説します。
個人情報が漏洩するリスクがある
SSL化しないと情報が暗号化されないため、ユーザーの個人情報が外部に漏洩するリスクがあります。ホームページ内のお問い合わせフォームや商品・サービスの申し込みを通してユーザーの情報が漏洩するかもしれません。
特にユーザーの氏名や住所、クレジットカードの番号や口座番号が漏洩した場合、被害は甚大なものになるでしょう。被害が発生した場合、信頼の低下や損害賠償の可能性が考えられます。
一方、SSL化して送受信した情報は暗号鍵を持ったユーザーのみ解読できるため、情報漏洩のリスクを減らせます。
ユーザーに不信感を与え、サイト離脱につながる
SSL化されていないホームページを表示すると、URLの横に「保護されていない通信」という文章が表示されます。この表示がユーザーにとって、不信感を与えるリスクがあります。
閲覧するだけならリスクはほとんどないものの、ユーザーが「もしかして危険なサイトかもしれない」と警戒する可能性があります。結果、不信感を持ったユーザーがサイトを離脱してしまうと、せっかくホームページを作ってもコンテンツを見てもらえません。
「保護されていない通信」という表示はSSL化すると消えるため、ユーザーに信頼してもらうためにもSSL化認証を行いましょう。
Googleからの評価が下がる
SSL化はSEO評価にも関わります。GoogleはSSL化を推奨しており、SSL化していないとGoogleからの評価が下がるため、検索順位が下がりユーザーにホームページを訪問してもらえるチャンスを逃してしまいます。
一般的に公開されているホームページはSSL化されているものが多いため、SSL化していないだけで他のサイトと差がついてしまいます。SSL化はSEO対策の一つとして必須と言えるでしょう。
表示速度が低下する
SSL化をしないとHTTP/2プロトコルが利用できず、SSL化したホームページと比較して表示速度が低下します。
SSL化を行うと、HTTP/2プロトコルを利用できます。HTTP/2プロトコルとはWebページのデータをサーバーから取得する通信方法(プロトコル)の一つです。HTTP/2プロトコルを利用すると、通信速度を高速化できます。
アクセス解析の精度が低下する
SSL化はGoogleアナリティクス解析の精度に関わります。Googleアナリティクスは、ユーザーがWebサイトを訪れる経路やアクセス数を調べるために役立ちます。
SSL化していないとリファラーは不明のため、アクセス解析の精度は低下します。
SSL化するとリファラー(参照元)となるドメインが確認できるため、どのドメイン由来でユーザーがサイトを訪問したかわかるようになります。
Web集客の上でアクセス解析は必須です。
SSL化認証により、正確にアクセス解析ができるよう設定しておきましょう!
独自SSL証明書の種類は3種類
SSL証明書には3つの種類があります。種類によってコストや取得の難易度が変わります。
- ドメイン認証型
- 企業認証型
- EV認証型
価格の安さや取得の手軽さはドメイン認証型>企業認証型>EV認証型、信頼性はEV認証型>企業認証型>ドメイン認証型の順に優れています。
それぞれのタイプについて解説します。
ドメイン認証型
法人・個人に関わらず利用できる、一番手軽で安価な方法です。必要なのはドメインだけなので、個人事業主でも認証できます。
サーバーによっては無料で取得できます。
個人ブログならドメイン認証型で十分です!
企業認証型
ドメインだけでなく、運営組織の存在も含めて認証する方法です。EV認証型より簡便ではあるものの、書類審査もあるため手間やコストもかかります。手間、コストがかかる分、ドメイン認証型よりも信頼性が高い方法です。
EV認証型
企業認証よりさらに信頼性の高い認証型です。申請した企業が物理的、法的に実在していることをより厳密に証明します。企業認証型よりもさらにコストがかかります。
SSL化の手順
SSL化の手順を3ステップで解説します。
- ホームページを開設後、すぐSSL化がおすすめ
- SSL化証明書を申請・インストールする
- リダイレクト設定
詳しい手順は認証型やサーバーによって異なるため、ここでは一般的な方法を解説します。
ホームページを開設後、すぐSSL化がおすすめ
SSL化認証は、ホームページを開設してすぐに行うのがおすすめです。SSL化認証すると、リンクが「http://〜」から「https://〜」に変わります。
リダイレクトはできるものの、URLの変更はなるべく避けたいもの。名刺やSNSでも最初から変更後のURLにした方がわかりやすいでしょう。ホームページを立ち上げたらすぐにSSL化を行い「https://〜」のリンクに変更しておきましょう。
SSL化証明書を申請・インストールする
SSL化証明書を申請・インストールします。SSL化証明書には「共有SSL」と「独自SSL」があり、SSL化証明書には「独自SSL」が必要です。先述のとおり、独自証明書にはドメイン認証型、企業認証型、EV認証型の3種類があります。
認証の方法や認証の種類、使用しているサーバーによって申請する方法は異なります。
リダイレクト設定
リダイレクトとは、URLを変更した際に古いURLから新しいURLに転送する仕組みのことです。SSL化証明書を取得したら、リダイレクト設定も行いましょう。
SSL化証明書を取得した段階で、URLは「https://〜」に変更されます。ユーザーがSSL化認証前の「http://〜」へアクセスしたとき、リダイレクトをしていれば自動で変更後のアドレスへ接続します。
WordPressであれば、プラグイン「Redirection」などを使えば簡単に設定できます。
SSL化する際の注意点3つ
SSL化の際に注意すべき点をまとめました。
- 定期的に更新が必要
- 他のセキュリティ対策も必要
- 一部のSSL化認証にはコストがかかる
SSL化はあくまでセキュリティ対策の一つであり、万能ではありません。できることを把握した上で、SSL化認証を活用しましょう。
定期的に更新が必要
SSL化は定期的に更新する必要があります。期限が切れると情報を暗号化できなくなるため、証明書の期限に注意しましょう。
証明書によっては自動で更新してくれるものや、期限が切れる前にリマインドしてくれるものもあります。定期的にWebサイトを確認し、認証が有効であることを確認しましょう。
他のセキュリティ対策も必要
SSL化はあくまで、送受信した情報を暗号化するためのものです。サイトの乗っ取りや他のルートからの情報漏洩までは防げません。
SSL化はサイト全体のセキュリティを保証するものではないので、注意しましょう。SSL化認証のほか、ウイルス対策ソフトやバックアップもあると安心です。
一部のSSL化認証にはコストがかかる
一部のSSL化認証にはコストがかかります。特に企業認証型、EV認証型のSSL化認証は費用が高額になりがち。コストの相場としては月々数万円〜高くて数十万円の認証もあります。SSL化認証にあたり、事前に費用を確認しましょう。
まとめ
Webサイトを運営する人にとって、SSL化は必須のプロセスです。安全性を高め、信頼できるWebサイトを作るためにもSSL化を活用しましょう。
SSL化が終わったら、リダイレクトも忘れずに行いましょう!
SSL化のほか、ウイルス対策ソフトやバックアップもあると安心です。それぞれの機能を把握した上で、健全なWebサイト運営に役立てましょう。