ChatGPTとClaudeは、いずれも高性能なAIです。しかし、得意分野や特徴はそれぞれ異なります。
本記事では、両者を徹底比較し、性能や機能、日本語の言い回し、料金プランの違いなど、あらゆる角度から比較しました。これからAIを使おうと思っている人や、作業によって使用するAIを変えたい人は、参考にしてください！
ClaudeとChatGPTの違いを早見表で比較
ClaudeとChatGPTは、どちらも最先端のAI技術を使用した言語モデルですが、開発元から機能、利用料金、言語対応など、細かな違いがあります。ClaudeとChatGPTをさまざまな視点で見た比較表で確認してみましょう。
| 項目 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| 開発元 | Anthropic | OpenAI |
| 開発目的 | 安全で倫理的なAIの開発 | 人間のように対話できるAIの開発 |
| 利用環境 | ウェブブラウザ、アプリ、API | ウェブブラウザI、スマホアプリ、AP |
| 料金 | 無料、有料 （Claude 3.7 Sonnet） | 無料（GPT-3.5、4）、 有料（GPT-4.5） |
| 得意分野 | 長文生成、複雑な推論、正確な情報提供 | アイデア出し、翻訳、多言語対応、プログラミング支援 |
| 応答の精度 | 高い | 非常に高い |
| 文章の比較 | 正確で論理的 | 自然で人間らしい |
| 安全性・論理性 | 非常に高い | 高い |
| 会話の記憶 | 長い （200Kトークン） | 短い （32Kトークン） |
| プログラミング | 対応 | 非常に得意 |
| 画像生成 | なし | あり（DALL-E） |
| 最新情報のソース | 2024年10月まで | 2023年10月まで （ただしウェブ検索で情報の取得が可能） |
| ユーザー評価 | 高い | 非常に高い |
| 日本語 | 文脈を理解していて丁寧 | 自然で分かりやすい |
| 使い分け | 正確性、倫理性を重視するタスク | クリエイティブ、多様性を重視するタスク |
| 公式サイト | Anthropic | Open AI |
開発元・開発目的の比較
Claudeとは、元OpenAIの研究者によって設立されたAnthropic社によって開発されました。Constitutional AIという独自の技術を用いて、AIシステムの安全性と倫理性を高めています。
一方、ChatGPTは、OpenAI社によって開発されました。2015年に非営利団体として設立され、汎用人工知能（AGI）の実現を目指し、幅広い用途に対応する対話型AIとして進化をつづけています。
| 項目 | Claude （Anthropic） | ChatGPT （OpenAI） |
|---|---|---|
| 開発元 | Anthropic | OpenAI |
| 開発年 | 2021年 | 2015年 |
| 開発目的・理念 | AIの安全性と倫理的研究が主な目的人類に貢献するAIシステムの構築 | 汎用人工知能（AGI）の実現と安全性の確保 人類全体がよりAIを使いやすい環境を目指す |
| 安全で信頼性の高い人間がコントロールしやすいAIシステムの開発 | 人間のような対話や幅広いタスクに対応できるAIの開発 | |
| Constitutional AIという独自の手法でAIの安全性と倫理性を高めることに努力している | GPTアーキテクチャに基づき膨大なデータから学習し、人間らしい自然な文章生成やタスク実行を実現する |
このように、開発元と開発目的の違いが、それぞれのAIモデルに大きく影響を与えていると言えるでしょう。
利用環境と料金の比較
ClaudeとChatGPTはウェブとAPIのほかに、iOSとAndroid向けアプリも用意されており、より幅広い環境で利用できます。
| 項目 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| 利用環境 | Web、API、 スマホアプリ（iOS, Android） | Web、API、 スマホアプリ（iOS, Android） |
| 無料プラン | あり（Claude 3.7 Sonnet) | あり（GPT-3.5、4） |
| 有料プラン | Claude Pro、Team等 （20ドル/月～） | ChatGPT Plus 、Pro等 （20ドル/月～） |
| 有料プランの特徴 | ・拡張思考モード（推論）あり ・長いコンテキストにも対応 | ・GPT-4.5の利用 ・優先アクセス ・より高速な応答速度 |
| API利用 | できる | できる |
| API料金 | モデル、トークン数による従量課金 | モデル、トークン数による従量課金 |
| 主な利用方法 | ・ウェブサイトでのチャット ・API経由でのアプリ連携 ・スマホアプリでの利用 | ・ウェブサイトでのチャット ・API経由でのアプリ連携 ・スマホアプリでの利用 |
料金に関しては、2025年3月時点でClaudeとChatGPTの両方に無料プランがありますが、高度な機能を利用するには有料プランが必要です。
Claudeの最新料金プランは公式サイトの料金ページに掲載されています。長期間利用する場合、Claudeは年払いの方がお得です。
同じくChatGPTも公式サイトに料金プランのページがあります。
得意分野と用途の比較
Claudeは、長文の要約や生成、複雑な推論、そして正確な情報提供を得意なAIです。一方ChatGPTは、アイデア出し、多様な文章生成などを得意としています。
| 項目 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| 得意分野 | ・長文の要約や生成 ・複雑な推論、倫理的な判断 ・正確な情報の提供 | ・アイデア出し ・多様な文章生成 ・翻訳や多言語対応のプログラミング支援 |
| 特徴 | ・高い精度と信頼性 ・安全性と倫理性を重視 ・論理的で一貫性のある回答 | ・クリエイティブに強い ・多様なスタイルに対応 ・幅広い目的で利用できる |
| 具体的な活用例 | ・複雑な論文の要約 ・契約書のレビューとリスク分析 ・倫理的な問題に関する議論 | ・キャッチコピーの生成 ・ゲームのシナリオ作成 ・多言語でのカスタマーサポート |
そのため、用途はそれぞれ異なります。
- 情報の調査・分析
- レポート作成
- YMYLジャンルのレビュー
- コンテンツ制作
- 小説や脚本の作成
- メール文の作成
- 外国語学習・翻訳
- プログラミング学習
どちらがよいというわけではなく、目的や使い方に合わせて使い分けるようにしましょう！
応答の精度と文章の比較
Claudeは、事実に基づく情報や論理的な推論では非常に高い精度で回答します。生成する文章は、自然で読みやすいですが、どちらかと言うとフォーマルで洗練された文体です。
一方、ChatGPTも精度が高いですが、間違った情報を含む可能性があるため、注意が必要です。また、ChatGPTは、自然で人間が書いたような文章を生成し、さまざまな文体に対応しています。
| 項目 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| 応答の精度 | 非常に高い | 高い |
| 文章の自然さ | 丁寧で読みやすい | 人間が書いたような文章を生成する |
| 文章のスタイル | フォーマルで洗練された文体 | 柔軟で多様な文体に対応可能 |
| おすすめの用途 | レポートの作成 論文の要約 | 物語やキャッチコピーの作成 日常会話 |
使用する際は、それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて使い分けることが重要です
安全性・論理性の比較
Claudeは、独自のAI技術を活用した、安全性と倫理性を重視した設計になっています。この技術は、AIが人間の価値観に沿った行動をするように設計されています。
ChatGPTは、さまざまな回答に対応していますが、公序良俗に該当するような内容には、フィルタリングがかかる仕組みです。
| 項目 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| 安全性への取り組み | Constitutional AIによる安全性と倫理性を重視した設計 | 大規模なデータセットを用いた学習と人間によるフィードバックを通じた改善 |
| 特徴 | 安全性と倫理性を最優先 論理的に理解できる | 汎用性が高い 幅広いタスクに対応可能 |
また、論理性についてはClaudeのほうが優れています。複雑な質問や話でも、論理的に理解して、根拠にそった回答をしてくれます。
ChatGPTも同じですが、複雑な質問や文脈がややこしいものに関しては、回答できない場合があるため注意が必要です。
会話の記憶・コンテキストの比較
Claudeは、非常に長い会話の記憶を持っており、過去の会話内容を長期間記憶しています。一方、ChatGPTは会話の記憶が限られており、会話が長くなると過去の内容を忘れることも…。
| 項目 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| 会話の記憶範囲 | 非常に長い | 限定的で時間がたつと忘れやすい |
| コンテキスト理解力 | 複雑な会話や質問でも理解できる | 高いものの複雑な文脈は理解できないことが多い |
また、コンテキストに関しても、Claudeが優れています。理解力が非常に高く、複雑な文脈や会話の流れを正確に理解できます。
ChatGPTも同じですが、長文すぎる内容や複雑な文脈は理解できないこともしばしば。そのため、Claudeは長期的なタスクに向いており、ChatGPTは単純な会話や短期的なタスクに向いているといえるでしょう。
プログラミング対応力の比較
ClaudeとChatGPTは、どちらもプログラミングに関するタスクをサポートする機能がありますが、対応力には違いがあるので、抑えておきましょう。
| 項目 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| コード生成能力 | 指示に基づいて正確なコードを生成できる | 非常に高い多様なプログラミングタスクに対応できる |
| デバッグ能力 | コードの問題点を指摘し修正案を提示できる | 非常に高いバグの原因を特定し効果的な修正方法を提案できる |
Claudeは、Python, JavaScriptなど、主要なプログラミング言語に対応しています。一方で、ChatGPTはClaudeよりも多くの言語に対応していて、JavaやRubyなどにも対応しています。
画像生成の有無
Claudeは、画像生成機能を持っておらず、テキストの生成と処理に特化しています。一方、ChatGPTは、画像生成AI「DALL-E」と連携することで、テキストから画像を生成できます。さまざまな画像を、テキストで指示を出すだけで生成されるので便利です。
こちらは実際に生成された画像で、ブログやメディアのアイキャッチに使用できそうなものができました。Claudeに比べると、ChatGPTはクリエイティブ向けのAIといえるでしょう。
情報の最新性の比較
AIの学習データは、バージョンや使用するものによって変わります。ClaudeとChatGPTも同様で、最新情報が知りたいなら有料版の使用をおすすめします。
| 項目 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| 学習データ範囲 | 2024年10月までの情報 | 2023年10月までの情報 |
| 最新情報への対応 | 限られている | 限られている |
| 特徴 | 学習データ以降の最新情報には対応できない | 学習データ以降の最新情報には対応できない |
どちらも、学習データ以降の最新情報には対応していません。
しかし、ChatGPTに関しては、Web検索機能を利用できるので、検索するよう指示を入れることで最新情報に沿った回答をしてくれることがあります。どうしても最新情報が必要な場合は、AIに頼るのではなく自分で検索することも一つの方法です。
日本語対応の違い
ClaudeとChatGPTはどちらも日本語に対応していて、特別な設定をせず、日本語で入力することで日本語で答えを返してくれます。
Claudeの特徴としては、AIの特性もあり日本語の言い回しが正確で、文脈を意識した長文の翻訳・生成ができます。一方のChatGPTも、流ちょうで分かりやすい日本語です。
| 例文：How people will react when AI reject commands is another open-ended subject for research.日本語にしてください。 | |
| Claude 3.7 | AIが命令を拒否したときに人々がどのように反応するかは、依然として研究が必要な未解決の課題です。 |
| ChatGPT 4.5 | AIが命令を拒否したとき、人々がどのように反応するかは、まだ研究の余地があるオープンなテーマです。 |
ClaudeとChatGPTの評価と使い分け
ClaudeとChatGPTは、生成する内容や得意なことが違うため、どちらがよいのかはユーザーの求めるものによって分かれます。用途や特徴による選び方をご紹介します。
用途別の選び方
| 用途 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| 仕事・ビジネス | 長文要約や論理的な文章作成に強い | プレゼン資料やアイデア出しに活用可能 |
| 学習・調査 | 正確性の高い情報を提供しやすい | 柔軟な質問対応が可能で会話がしやすい |
| プログラミング | コードの安全性を重視したアドバイス | コード生成が得意で実装例を多く提示 |
| 創作・ライティング | 事実ベースの文章を作成しやすい | クリエイティブな文章作成が得意 |
| 最新情報の取得 | 2024年10月までのデータ | 2023年10月時点のデータ、 ウェブ検索の指示が可能 |
無料プランと有料プランの選び方
ClaudeとChatGPTはどちらにも無料プランがあり、有料プランは月額20ドルからという料金設定となっていますが、細かな違いもあります。
たとえばClaudeは、無料プランであっても使うためにメールアドレスを登録する必要があります。少しだけ使いたい、まだ登録はしたくないという場合は、ChatGPTから試し、回答に不足を感じるようであればClaudeに移行しましょう。
| 項目 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| 無料版の使い方 | メール登録で利用できる | ログインなしでも質問できる |
| 有料版の使い方 | 有料プラン（20ドル／月～）を 選んで登録する | 有料プラン（20ドル／月～）を 選んで登録する |
| 最新モデルの利用可否 | 無料・有料ともに可 | 有料プランは可 |
| コンテキスト長 | 200Kトークン | 無料は8Kトークンまで 有料は32Kトークン～ |
また、Claudeでは、無料でも有料でも最新モデル（2025年時点ではClaude 3.7 Sonnet）が利用でき、基本的に回答内容は同じです。しかし、有料プランの方に難解な質問に答えるために熟考してくれる「拡張思考モード」があり、一度にやり取りできるメッセージ量も多いです。
ChatGPTは、無料と有料版で情報源は同じですが、有料版の方が学習データの質が高く、最適化されているため、回答が異なることがあります。
Googleサービスと連携をする場合はGeminiがおすすめ
ここまでClaudeやChatGPTを比較しましたが、どちらがよいかの決め手に欠けると感じた方のために、Googleが開発した多機能AI「Gemini」をご紹介します。
GeminiはGoogleのサービスとスムーズに連携できるため、次の用途におすすめです。
- Googleドキュメント・スプレッドシートとの連携 → 文書やデータ整理に便利
- Gmailでのメール作成補助 → 業務の効率化に貢献
- Google検索との統合 → 最新情報を取得しやすい
詳細はGeminiとSEOの活用法の記事で解説しています。
Microsoft 365ユーザーにはCopilotが便利
ビジネス向けのAIとしては、「Microsoft Copilot」も選択肢の一つです。
Copilotは、Microsoft 365アプリ（Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteなど）と統合されたAIアシスタントで、作業の効率化を支援します。OpenAI社の大規模言語モデル「GPT-4」を元にMicrosoftが開発したものなので、ChatGPTを使っている人にも使いやすいAIです。
ChatGPTのような汎用的な会話型AIとしての機能はなく、有料版のみですが、Excelでのデータ分析やPowerPointでのプレゼン資料作成を頻繁に行う人には便利です。
| ソフト | 連携例 |
|---|---|
| Word | ・AIによるライティング支援でスランプにならない ・Microsoft Editorと連携して明確な文章を作成 ・自動要約機能で長文のドキュメントを短くまとめる |
| Excel | ・AIがデータを解析してグラフや統計を自動作成 ・ユーザーが必要とする計算式をAIが推奨 ・大量のデータを整理してピボットテーブルを作成 |
| PowerPoint | ・「クリック1回でスライドデザイン」機能により、適切なレイアウトを提案 ・テキストからスライドを作成し、視覚的にわかりやすいプレゼン資料を構築 ・Clipchampと連携し、AIが適切な画像や動画を推奨 |
まとめ
結論として、どちらのAIにもよさがあり、ニーズや使い方によってどちらを利用すればいいのかが変わります。本記事を参考に、あなたに最適なAIを選び、ビジネスや創作活動の可能性を広げていきましょう。
比較表や解説を通じて、それぞれのAIの強みと弱みを理解して、目的や目標に合った最適なAIを選択してくださいね！
