【比較】ChatGPTとGeminiの違いとは？11個の機能別に検証した結果

AIチャットサービスの中でもとくに有名なGeminiとChatGPTですが、どちらを選ぶべきか迷う方も少なくありません。GoogleのGeminiとOpenAIのChatGPTは、それぞれ異なる強みを持ち、使用感にも違いがあります。

本記事では、GeminiとChatGPTのスペックを比較したうえで、実際に使用して分かった違いをまとめました。GeminiとChatGPT、どちらが自身に合っているかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

ChatGPTとは？

ChatGPTは、アメリカの企業OpenAIが開発・提供する対話型AIサービスです。人間と話しているかのように自然で流暢な言葉を使い、高い文脈理解の力を備えていることが特徴です。

単に質問に答えるだけでなく前後の文脈を理解して対話できるため、ビジネスから日常会話まで幅広いシーンで活用されています。ユーザーの意図を汲み取る能力が高く、指示が曖昧でも適切な答えを導き出してくれるため、「頼れるアシスタント」として利用されています。

Geminiとは？

GeminiはGoogleが提供する生成AIであり、Google検索や関連サービスと深く連携したAIモデルです。

Googleの検索エンジンやWorkspace（ドキュメントやGmailなど）と連動し、インターネット上の最新情報を反映した回答や、Googleアプリを横断した作業のアシスタントとして機能します。

Googleが持つ膨大なデータ処理能力を背景に、論理的な推論や複雑なタスクの解決を得意とし、学習や調査、実務作業をサポートします。

GeminiとChatGPTのスペック・性能比較表

GeminiとChatGPTのスペックを比較しました。性能差やそれぞれの 最大コンテキスト長、料金、対応機能などを詳しく解説します。

項目	Gemini	ChatGPT
開発元	Google	OpenAI
有料サービス	Google AI Pro （旧Gemini Advancedに相当） Google AI Ultra	ChatGPT Plus／Pro／Team
有料サービス月額料金	Google AI Pro：2,900円（1ヶ月無料） Google AI Ultra：36,400円	Plus：20ドル／Pro：200ドル／Team：25ドル
最上位AIモデル	Google AI Pro：Gemini 3Pro Google AI Ultra：Gemini 3 Pro、Veo 3.1などの最新かつ高性能モデル	有料プラン（Pro、Plus、Go、Business）：GPT‑5.1 Instant、GPT‑5.1 Thinking GPT‑5 Pro
最大コンテキスト長	100万トークン	100万トークン （API上限、ChatGPTアプリ上は制限あり）
トレーニングデータ （カットオフ）	非公開	2024年10月
画像生成	対応	対応（DALL·E搭載）
画像認識	対応	対応
動画認識	対応（Veo 3.1との連携や、カスタム動画前処理、高度な動画内容理解が可能）	非対応
音声認識	対応	対応（Whisper搭載）
拡張機能	Googleサービス（Gmail, Docs, Drive, YouTubeなど）	GPTs（カスタムAIモデル）、プラグイン対応
スマホアプリ	Android／iOS	Android／iOS

Geminiの強みは、Googleの技術を活かした検索機能や、Googleサービスとのシームレスな連携です。とくに「Gemini in Chrome」のような新機能により、ウェブ上でのアシスタント能力も強化されています。

ChatGPTは、自然な対話能力や画像生成、拡張機能（以前の「プラグイン」、今は「GPTs」）が充実しており、クリエイティブな作業の効率化に役立ちます。

ただ、GeminiもChatGPTも随時モデルを進化させています。

Gemini：モデル名	リリース時期	特徴・性能
Gemini 1.0	2023年12月	マルチモーダル対応、画像・音声・動画を統合的に処理可能
Gemini 1.5 Pro	2024年2月	推論性能の大幅向上、最大100万トークンの長文脈対応、コードベースや動画全体の分析
Gemini 1.5 Flash	2024年4月下旬	高速かつ効率的な処理に特化、コスト効率と低レイテンシを重視
Gemini 2.5 Pro	2025年5月	コーディング能力とマルチモーダル推論能力の性能アップ
Gemini 3 Pro	2025年11月	最先端の推論能力を基盤とした高性能なマルチモーダル処理、 エージェント機能、バイブ コーディング モデルを搭載

たとえばGeminiの場合、数年の間にバージョン1.0から1.5、2.5、3へと進化しました。また、同じGemini 1.5であっても、高度なタスクと精度に特化した「Pro」や速度と効率に特化した「Flash」といったニーズに合わせたモデルがあり、用途に合わせて使い分けができます。

一方、ChatGPTも近年、GPT-4からGPT-4o（Omni）、GPT-5そして最新のGPT-5.1へとモデルを進化させてきました。

また、同じGPT-5系列でも、応答速度とコスト効率を重視した「mini」や「nano」、長文の読解や推論に強い「Thinking」など、用途やユーザーニーズに応じたさまざまな派生モデルが開発・提供されています。

ChatGPT：モデル名	リリース時期	特徴・性能
GPT-3.5	2022年11月	高速でコスト効率が良い 対話性能向上
GPT-4o（Omni）	2024年5月	マルチモーダル（テキスト・画像・音声） 高速応答、コスト効率も高い
GPT-4.1	2025年5月（ChatGPT有料プラン）、4月（API）	高精度な推論、長文処理（最大100万トークン）、コーディング性能向上
GPT-5	2025年8月	ハルシネーション（事実誤認）が減少、コーディングの性能向上、マルチモーダル理解（画像や動画を読み取る力）が向上
GPT‑5.1	2025年11月	会話のトーンを細かく調整可能 応答前に考える適応的推論が行えるため、より正確な回答を素早く回答

GeminiとChatGPTの違いを比較（機能・料金プラン・精度）

GeminiとChatGPTのおもな違いは、以下のとおりです。

評価項目	Gemini	ChatGPT
提供元と主なモデル	Google / Gemini 3、Gemini 3 Pro	OpenAI / GPT-5、GPT-5.1、GPT-5 Pro
無料プランの内容	画像生成 / 検索連携あり	使用回数制限あり / 一部機能制限
有料プランと料金	2,900円/月（1ヶ月無料あり）等	20ドル／月（Proは200ドル）
コンテキスト長と処理能力	最大100万トークン / 高性能マルチモーダル	最大100万トークン / 処理速度も〇
カスタム機能	Gems（プロンプト保存など）	GPTs（カスタムGPTが作れる）
画像・動画生成機能	画像生成・Veo 3.1での動画生成が可能	DALL·E対応 / Sora動画も一部対応
おすすめ用途	業務支援・ドキュメント活用	文章生成・創作・自然な会話

ここからは、以下の項目についてGeminiとChatGPTの違いを比較していきます。

無料版の制限と、有料版限定の機能も解説しているため、課金するべきかどうかも含めて参考にしてください。

おもな機能

GeminiとChatGPTの基本的な機能は同じですが、対応できるデータ形式や得意分野に違いがあります。

Geminiの特徴は、テキストや画像、音声、動画を同時に処理できるマルチモーダル機能です。また、Google検索やYouTubeと連携し、最新情報を取得できます。

ChatGPTは、自然な対話や長文の要約が得意で、DALL·E 3を活用した画像生成も可能です。豊富なGPTs（旧プラグイン）も利用可能で、幅広い用途に対応しています。

無料版の制限

GeminiもChatGPTも、無料版では利用できる機能に制限があります。それぞれのおもな制限を次にまとめました。

Gemini	・利用できるモデルのコンテキスト長に制限あり ・PDFやCSVなどのファイル読み込み （ファイルサイズや処理できる情報量に制限）
ChatGPT	・GPT-5の使用回数制限（5時間あたり約10回、変動あり）、 システム負荷やリクエストの複雑さにより変動 ・Thinkingは1日1回のみ（変動あり） ・画像生成は1日3枚まで（ただし仕様変更や一時的な緩和もあり）

画像生成を利用したい場合は、Geminiがおすすめです。 無料版でも複数枚の画像生成が可能で、イラスト作成で活用しやすいでしょう。

しかし、本記事執筆中に、ChatGPTの無料版でも画像生成の制限が緩和されるケースが確認されました。SNSなどで同様の事例は見当たらないため、一時的な仕様変更の可能性もあります。

有料版限定の機能

GeminiもChatGPTも、有料版ではより高度な機能を利用できます。それぞれのおもな機能を次にまとめました。

Gemini	・Gemini のより多くの機能や 最新のAIモデルへのアクセス （Deep Research、Veo 3.1など） ・最大100万トークン （将来的には200万トークン）の コンテキストウィンドウへのアクセス ・新機能への優先アクセス ・PDF、CSVファイルの読み込みほぼ制限なし ・複数ファイルからのデータ分析、グラフ作成 ・プロンプト管理機能（Gems）の作成
ChatGPT	・GPT-5使用回数制限の引き上げ ・GPT-5.1の使用 ・GPT-5 Proの利用 ・画像生成枚数の制限引き上げ ・新機能のテスト・カスタムGPT（GPTs）の作成 ・Sora（動画生成AI）は一部法人・開発者のみ （一般向けは公開前）

有料版を活用すれば、より専門的な作業や高度なコンテンツ作成が可能になるため、利用目的に応じて検討するとよいでしょう。

Geminiの有料版「Google AI Pro」（旧名称Gemini Advanced）および「Google AI Ultra」の無料版と有料版の最新の特典、料金については公式ページもご確認ください。ChatGPTの料金プラン、特典は配信元であるOpenAIの公式ページに掲載されています。

課金するならどっち？料金プランの違い（無料版・有料版）

GeminiとChatGPTでは、料金プランにも違いがあります。Geminiの料金プランは次のとおりで、有料プランはGoogle AI ProとGoogle AI Ultraの2種類です。

Geminiのプラン	料金	利用可能なモデル
無料版	無料	Gemini 3 Pro （1日あたり最大5件のプロンプト） Gemini 2.5 Flash
Google AI Pro （旧名称：Gemini Advanced）	月額2,900円 （1ヶ月間無料トライアルあり）	Gemini 3 Pro （1 日あたり最大 100 件のプロンプト） 3 Pro Deep Research （ 1 日あたり最大 20 件） Veo 3.1 Fast （より安定したアクセス／高い上限）
Google AI Ultra	月額36,400円	Gemini 3 Pro （1 日あたり最大 500 件のプロンプト） 3 Pro Deep Research （ 1 日あたり最大 200件） Veo 3.1 Deep Think （最優先アクセス、最高利用上限、Veo 3など専用機能）

現在1ヶ月間無料トライアルを実施しているため、無料プランとの違いを体感してみてもよいでしょう。

ChatGPTの料金プランは複数用意されており、プランにより利用可能なモデルや制限が異なります。

ChatGPTのプラン	料金	利用可能なモデル
無料版	無料	GPT-5（制限あり） GPT-5 mini（制限時に自動切替）
Plus	月額20ドル	GPT-5（無料版より利用範囲拡大） GPT-5.1 GPT-4.1 GPT-4o など
Pro	月額200ドル	GPT-5 Pro（制限なし） GPT-5（制限なし） GPT-5.1 GPT-4.1 GPT-4o など
Team	月額25ドル（1人あたり）	GPT-5 Pro（制限なし） GPT-5（制限なし） GPT-5.1 GPT-4.1 GPT-4o など
Enterprise（旧Pro）	要問い合わせ	GPT-5 Pro（契約内容により異なる） GPT-5（制限なし） GPT-5.1 GPT-4.1 GPT-4o など

ChatGPTのEnterprise（旧Pro）は、すべての主要モデルを大規模・高負荷でも安定して利用できる法人向けプランです。Teamプランは2名以上で使いたい場合におすすめで、月単位・年単位の契約に対応しています。

ChatGPTには原則として有料プランの無料トライアルはありません。無料プランの利用頻度や制限が気になる場合は、PlusやTeam、Enterpriseの有料プランを検討するとよいでしょう。

GeminiとChatGPTを使用して比較

AIチャットサービスを選ぶ際に重要なポイントとして、次の項目でGeminiとChatGPTを比較しました。

評価項目	Gemini	ChatGPT
文章生成	◎ 丁寧さに欠けることもある	◎ 柔らかく配慮ある表現
英語翻訳	◎ 丁寧で配慮された文章	◯ カジュアルかつ使いやすい文体
人物画像	◯ 特徴をよく表現・制限あり	◎ 特徴をよく表現
動物画像	◯ 一部誤認識あり	◎ 特徴をよく表現
画像認識	◎ 正答を出す精度は高め	△ 情報を絞る必要あり
文字認識	◎ 誤差が少なく正確	◯ 情報が混在しやすい
情報の正確さ	◎ 精度が高く要約も良好	◎ 精度が高く要約も良好
コード生成	◎ 解説付き、丁寧な構成	◎ シンプルかつ正確
長文要約	◎ 要点が整理されている	◎ 情報の漏れがなく正確
音声認識	◎ 音声ファイルの正確な認識ができる	△ 音声ファイル対応不可
業務効率化、業務サポート	◎ より深い理解で対応策を提示	○ 基本に忠実な対応

どちらも多くの機能を利用できるため、違いが気になる方も多いでしょう。そこで、実際にGeminiとChatGPTを使用し、それぞれの性能を比較した結果を紹介します。

文章生成機能

GeminiとChatGPTの文章生成機能を比較するために、取引先から入金がない場合の催促メール作成を指示しました。

【プロンプト】
「期日になっても取引先から入金がありません。角が立たないように催促する文章を作成してください。」

最初はGeminiで出力した文章です。

Geminiの文章は丁寧で、「ポイント」や「状況に応じて加えると良い要素」なども解説してくれている点が親切です。パターンも標準・柔らかめ・事務的の3つを出力してくれるため、状況に合わせて選べます。

次はChatGPTで作成した文章です。

ChatGPTも表現が柔らかく、相手に嫌な印象を与えにくい文章を生成しました。催促の意図を伝えつつも、礼儀正しく配慮された表現で、実用性が高いといえるでしょう。また、Geminiと同様に複数パターンの文章を作成してくれたため、相手に合わせた文章を選べます。

文章生成機能は、GeminiとChatGPTどちらも優秀です。催促のような繊細なコミュニケーションでは、相手の心理に配慮した文章を生成できる生成AIがおすすめであり、GeminiとChatGPTは両方とも高性能な文章生成ができます。

次は英語の文章生成機能を比較します。以下は、イギリスの商社向けに資料を送ってもらう用の文章を依頼しました。

たとえばGeminiは「お世話になっております」を「I apologize for the short notice」、「急なお願いで申し訳ありませんが、」を「apologize for the short notice,」とし、ニュアンスを表現していました。

次はChatGPTで作成した英文です。

イギリスの商社向けに作成した文章のため、ただ英文に翻訳するだけでなくアメリカ英語とイギリス英語の違いを理解して、文章の生成をしています。

GeminiとChatGPTによる英文の文章生成は、どちらも問題のない仕上がりです。以前はGeminiの方が英文の文章生成は優秀でしたが、ChatGPTも性能が向上しています。

画像生成機能

GeminiとChatGPTの画像生成機能を比較するために、恋人からの連絡を待つ女性の画像作成指示を出しました。

Geminiは少し前まで人物画像の生成ができませんでしたが、現在は生成が可能です。ただし、不適切なコンテンツと判断された場合には制限がかかります。

やや生成AI特有のイラストではありますが、1回で指定通りの画像を生成しました。どのようなプロセスで生成したのか質問したところ、下記の返答がありました。

• 「恋人からの連絡を待つ」という状況を表現するために、スマートフォンを手にして、少し不安げな表情
• 「悩んでいる」という感情を表現するために眉間にしわを寄せ、視線をスマートフォンに集中させる
• 「可愛い」という要素を考慮して、全体的な雰囲気や女性の顔立ちがそう見えるように調整

プロンプトの内容に沿って、言葉の意味を一つずつ解釈をして画像を生成していました。

ChatGPTで作成した画像は、以下のとおりです。

ChatGPTでも1回でイメージどおりの画像を生成しました。

動物の画像生成も比較しました。

お題は、ブリティッシュショートヘアとシャルトリューの横長画像です。どちらもグレーの毛色で似た外見を持つ猫種のため、それぞれの特徴を正しく捉えられるか検証しました。

なお、シャルトリューは筋肉質で、目の色はゴールド系のみです。ブリティッシュショートヘアの目の色はブルー・ゴールド・グリーン・カッパーなどで、筋肉質ながら全体的に丸みがあります。

Geminiは、1回目は縦長の画像を作成しましたが、修正の依頼を出すと横長で特徴を押さえた猫の画像を生成しました。一方のChatGPTは、1回で指定通りの画像を作成しました。

特徴も比較的よく捉えていました。画像に対してチェックをお願いしたところ、一部修正した方が良い改善案を提案しており、生成した画像に対する認識機能も高いです。

そのため、ChatGPTは動物は特徴を正確に捉えることができ、作成サイズの指示に対する対応も1回で正しく出力できました。

画像生成や動画生成の機能は日々進化しているため、どちらか一方のみをおすすめするには難しいですが、今回の調査ではChatGPTの画像生成機能の方が指示に対してより的確な回答が得られました。

画像認識機能

画像認識機能の比較として、鳥居の写真から徳島県鳴門市の大麻比古神社を特定できるかを検証しました。

Geminiは、画像のみで場所を特定できました。以前は詳細情報を追記しないと正答にたどり着かなかったのですが、Googleとの連携、マルチモーダル能力の強化と学習データの更新などが功を奏したようです。

Google画像検索でも一度で正答にたどり着きました。

ChatGPTは県名だけでなく、市までヒントにすることで正解にたどり着きました。

次に、手書きの文字を正しく認識できるかを検証しました。「15:00ミーティング、17:15TEL」とマウスで手書きし、画像として読み取らせます。

GeminiもChatGPTも正しく読み取れたため、画像のサイズを小さくして再度検証します。

Geminiは画像のサイズを小さくしても、正しく認識できました。

ChatGPTは「15:00チェックイン クローズ7:00」と回答し「15:00」を正しく認識しています。しかし、1回で正確な結果が出なかった点を考慮すると、文字認識の精度はGeminiのほうが優れています。

総合的に見ると、画像の内容を認識する精度・文字認識の精度ともにGeminiのほうが強いといえます。

情報の正確さ

情報の正確さを検証するために、映画「あん」の内容を300文字で要約するように指示しました。

Geminiが生成した内容に誤りはなく、生成された文章だけでストーリーを理解できます。「結果について」の部分で内容の正確性を確認できる点も高評価です。文字数は254字であり、指定した文字数にはやや不足していました。

ChatGPTも内容は正確に要約してくれましたが、文字数は指定した300文字に合わせて出力されませんでした。プロンプトを変更して300文字に近づけようと調整しても、250文字や350文字などばらつきが見られます。

Gemini・ChatGPTいずれも指示どおりの文字数にならない場合があるため、出力後に文字数を確認し、必要があれば再生成しましょう。

情報の正確さ自体に大きな違いはなく、正しい情報を参照しながら要約を作成したい場合は、Geminiの再確認する機能を利用すると安心です。

GeminiとChatGPTでは、トレーニングデータの範囲が異なります。Geminiのトレーニングデータは非公開ですが、Google検索と連携しており、常に最新の情報を取得できる点が強みです。

ChatGPTのトレーニングデータはモデルごとに異なりますが、GPT-5は2024年10月までのデータを学習しています。最新情報の取得は、ブラウジング機能やプラグインを利用すれば対応可能です。

最新の情報を効率よく取得するならGeminiが便利ですが、ChatGPTも設定を工夫すれば最新の情報を活用できます。

コード生成

GeminiとChatGPTのコード生成、プログラム作成について比較しました。

今回指示したコードは画面中央に「こんにちは！」と表示するという簡単なものですが、Geminiは解説と使い方の説明もありました。作成されたページをブラウザで開いても、問題がないと分かります。

つづいてChatGPTでもコードを作成し、ブラウザで開きました。

ChatGPTが生成したコードは、Geminiと違って使い方や解説はないものの、例題に対して正確かつ適切、シンプルでした。表示も問題なく行われています。

どちらも正しくコード生成ができています。Geminiは、作成したコードの詳しい解説文がついています。背景色を変えたり、文字のフォントを変えたりしたい場合の、CSSの部分を書き換え方法も説明されていました。一方、ChatGPTはシンプルなインラインCSSを採用しているため、コードが簡潔でした。

丁寧で正確に指示を実行しようとするならGemini、意図を読んで実行してほしいときはChatGPTの方がよいと言えます。

長文要約

長文要約の能力を比較するため、以下のプロンプトと900文字程度の文章をGeminiとChatGPTに読み込ませて違いを確認しました。

【プロンプト】
以下の長文を、重要点を落とさずに「箇条書き＋200文字の要約」の2段構成でまとめてください。
・専門用語の意味が曖昧な部分は補足説明を入れてください。
・主張、背景、結論が分かるように整理してください。
・誤った情報を加えず、本文に基づいて要約してください。

【長文】：
（ここに同じ文章をGeminiとChatGPTそれぞれに入力する）

Geminiが出力した結果は、以下のとおりです。

ChatGPTが出力した結果は、以下のとおりです。

GeminiとChatGPTは、「情報の詳しさ」と「まとめかた」に違いがあります。

Geminiは全体の流れを整理し、見やすくすることに優れています。大きな枠組みで要点を整理するため、プレゼン資料の構成案や、ビジネス上の要点を素早く把握したい場面で力を発揮してくれるでしょう。

一方、ChatGPTは事実や論理を細かく分解し、具体的に記述する点が特徴です。情報を取りこぼさず筋道を立てて記述するため、詳細なレポート作成や学習の用途に適しています。

細かい部分まで正確に情報を拾いたい場合はChatGPT、要点を整理して相手に伝えたい場合はGeminiという使い分けがおすすめです。

音声認識の性能

音声認識の性能の違いを比較するため、音声ファイルを添付して以下のプロンプトで文字起こしの指示を出しました。

音声ファイルは、以下の文章を読み上げたものです。

「近年、企業ではAIツールの導入が急速に進んでいます。しかし、AIが示した分析結果をそのまま信じてしまうと、誤った判断を招く可能性があります。大切なのは、AIの力を活用しつつ、人間が最終的な判断を行うことです。」

Geminiに音声ファイルを添付して上記のプロンプトを入力すると、以下のように文字起こしをしてくれました。

Geminiは音声ファイルの内容を間違いなく文字起こしできています。

一方でChatGPTは、音声ファイルの読み込みができませんでした。

Geminiはマルチモーダル機能により、音声ファイルを直接アップロードして文字起こしから分析まで完結できます。長時間の音声データにも対応しており、議事録の作成などを効率よくできる生成AIです。

対してChatGPTは、音声ファイルを直接認識する機能を持たないため、「Whisper」などの外部ツールを用いて一度テキストデータに変換しなければいけません。

なお、音声モードはGemini・ChatGPTの両方とも対応しているため、リアルタイムでの音声入力はどちらも可能です。音声入力により音声で質問したり、語学学習に活用したりという使い方ができます。

項目	ChatGPT	Gemini
音声ファイル入力	できない	できる
音声モード（音声会話）	できる	できる

音声モードを使ったリアルタイムの音声入力はGeminiとChatGPTどちらでも大丈夫ですが、音声ファイルの入力や解析を行う場合はGeminiを活用しましょう。

業務効率化、業務のサポート能力（顧客対応・マーケティング）

ビジネスでの実用性を比べるため、顧客対応力とマーケティング分析力の2つを確認。ChatGPTとGeminiの“実務レベルの使いやすさ”を比較しました。

最初は、顧客対応（クレーム対応）について、以下のプロンプトを2つのAIに入力しました。

【プロンプト】
「以下のクレームに対して、顧客が納得しやすい返信文を作成してください。
・内容：商品が初期不良で動作しない
・顧客の感情：怒っているが冷静
・目的：不満の沈静化と代替品の案内
顧客の気持ちに寄り添った表現を入れてください。」

Geminiの回答は以下のとおりです。

ChatGPTの回答は以下の内容です。

Geminiの回答は、検品を済ませた代替品を即日発送し、配達と同時に不良品を引き取る手配まで完了させる、問題解決を優先した構成です。顧客が返信する手間や梱包作業をなくし、迅速な行動と品質保証で信頼回復を図ることに特化しています。

一方でChatGPTの回答は、まず顧客に対して希望の配送日時や住所の確認をおこなう、対話を重視した慎重な姿勢が特徴です。相手の都合を最優先に考える丁寧さがありますが、商品の手配までにメールのやり取りが必要となります。

スピードを重視し相手の負担を軽減して実務的な解決を急ぐならGemini、丁寧なヒアリングで誠意を伝えるならChatGPTという使い分けがよいでしょう。

次に、マーケティング分析のプロンプトをGeminiとChatGPTの両方に入力・比較しました。

【プロンプト】
「以下の商品についてターゲット分析を行ってください。
・商品：高保湿フェイスクリーム
①ターゲット属性
②顕在ニーズ
③潜在ニーズ
④購入までの心理
⑤訴求に使えるメッセージ
を含めて作成してください。」

Geminiの回答は、以下のとおりです。

ChatGPTは、以下のように回答しています。

Geminiの回答は、30代から40代に対象を絞り込んでいます。「化粧水だけでは足りない」といった日常生活における具体的な悩みや、老けて見られることへの不安など、心の奥にある本音まで深掘りしているのが特徴です。

一方、ChatGPTの回答は、25歳から45歳まで対象を広く取り、乾燥肌の悩みや購入までの流れを偏りなく整理されています。全体像をつかみやすく、基本に忠実な構成です。

広い視点で全体を整理するならChatGPT、特定の層に強く響く企画を作るならGeminiという使い分けがおすすめです。

GeminiとChatGPT｜結局どっちを使えばいいの？

GeminiとChatGPTは、それぞれ得意分野や強みが異なるため、目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。

「情報整理や要点抽出ならGemini」「文章生成や相談ごとならChatGPT」のように、用途に合わせて選ぶと強みが活かせるため精度が上がります。

ここでは、それぞれのAIをおすすめする人とおすすめの活用シーンを紹介します。

Geminiがおすすめの人

Geminiは、Googleのサービスと連携しながらAIを活用したい方に最適です。Google検索・YouTube・Googleマップなどと連携し、最新の情報を取得しながら作業を進められます。

ほかには、Googleドキュメント内のデータ検索、表を生成してGoogleスプレッドシートにエクスポートなども可能です。作業効率の向上を目的とする場合は、Geminiが役立つでしょう。

おすすめの活用シーンは、以下のような場面があげられます。

GeminiでSEO対策をした記事を作りたい方は、以下の内容も参考にしてください。

ChatGPTがおすすめの人

ChatGPTは、機能を拡張しながら自分好みにAIを活用したい方に最適です。豊富なGPTs（カスタムGPT）を活用し、特定の目的に特化させながら作業を進められます。

自然な対話による文章作成、アイデアの壁打ちも得意です。クリエイティブな作業効率の向上を目的とする場合は、ChatGPTが役立つでしょう。

具体的な活用シーンは、以下のとおりです。

最終的には「どちらが優れているか」ではなく「目的に合っているか」が大切です。両者の強みを理解し、場面ごとに使い分けることで、AIを効率よく活用しましょう。

ClaudeやCopilotやPerplexityとの簡易比較

近年、GeminiやChatGPTのほかに、ClaudeやCopilot、Perplexityなどが生成AIとして知名度を上げています。GeminiやChatGPTとこれらの生成AIを、簡単に比較しました。

Claude、Microsoft Copilot、Perplexityとは？

Claude、Microsoft Copilot、PerplexityはいずれもAIツールの名称です。

Claudeとは、Anthropic社が開発したチャット型AIツールです。文章作成だけでなく推論、数学、コーディングにも優れたパフォーマンスを発揮します。

Microsoft CopilotはMicrosoftが開発したAIアシスタントツールです。有料版を契約するとOffice製品と連携ができるため、WordやExcelと一緒に使いたい方に向いています。

Perplexityは検索エンジンと生成AIが融合したAIツールです。Web上の最新情報を自動で要約し、ポイントをまとめてくれます。

Claude、Microsoft Copilot、Perplexityの機能・料金

Claude、Copilot、Perplexityそれぞれの機能を次にまとめました。

生成AI	機能
Claude（Anthropic社）	・人間のような自然な対話ができる ・顧客対応や社内の問い合わせ対応に適している ・長文の作成や大規模なドキュメントの要約も可能
Microsoft Copilot（Microsoft）	・プログラミングや文書作成に特化している ・コードの補完機能があり、エラーを減らせる ・Microsoft 365と統合している
Perplexity（Perplexity AI社）	・Web検索を行い、最新情報をもとに回答を生成 ・出典付きの回答を提供 ・最新ニュースや業界動向の調査に適している

ビジネスシーンでの対話を重視するならClaude、プログラミングのサポートが必要ならMicrosoft Copilot、最新情報の収集やデータリサーチをするのならPerplexityがおすすめです。

一方で、幅広い用途に対応できるAIを希望する場合は、GeminiやChatGPTが適しています。

Claudeには5つのプランがあり、料金はプランによって異なります。Freeプラン・Proプランは個人向け、Maxpランは個人・開発者向け、Teamプラン・Enterpriseプランは法人向けです。

上位のプランでは回数上限や使用できる機能が増えます。

Claudeのプラン	料金	特徴
Freeプラン	無料	利用制限あり
Proプラン	月額17〜20ドル	Freeプランより利用制限が緩和 混雑時の優先アクセス
Maxプラン	月額100ドル〜	Proプランより大幅に利用制限が緩和 「Integrations」で外部ツール連携が可能
Teamプラン	月額25ドル/人〜	チーム管理、共有機能
Enterpriseプラン	要問合せ	大容量データのアップロードに対応

Microsoft Copilotには3種類のプランがあり、無料プランには機能に制限があります。Microsoft Copilot、Microsoft Copilot Proは個人向け、Microsoft 365 Copilotは法人向けのプランです。

Microsoft Copilot Pro、Microsoft 365 CopilotはどちらもOffice製品と連携できますが、Microsoft 365 Copilotの方がより多くの製品と連携可能です。

Microsoft Copilotのプラン	料金	特徴
Microsoft Copilot	無料	ブラウザ上で使用可能
Microsoft Copilot Pro	月額3,200円 （1ヶ月間無料トライアルあり）	混雑時の優先アクセス Word、Excelなど基本的なOffice製品との連携が可能
Microsoft 365 Copilot	月額4,497円	法人向け Teams、Loopを含むさまざまなOffice製品との連携が可能

Perplexityは無料版、有料版（Perplexity Pro、Perplexity Max、Perplexity Enterprise Pro）の3種類があります。有料版にすると使用制限が緩和され、最新モデルが使えるようになります。有料版のPerplexity Pro、Perplexity Maxは個人向け、Perplexity Enterprise Proは法人・企業向けです。

有料プラン（Perplexity Pro）には月払いと年払いの2種類があり、年払いの方が割安になります。

Perplexityのプラン	料金	特徴
Perplexity	無料	利用制限あり
Perplexity Pro	月額20ドル／年額200ドル	利用制限の緩和 最新モデルを使用可能
Perplexity Max	月額200ドル	利用制限の緩和 優先サポート 最新モデルを使用可能
Perplexity Enterprise Pro	要問い合わせ	セキュリティ機能の強化 チーム管理機能

それぞれの特徴やプランの違いを比較し、活用したい機能に合わせて最適な生成AIを選びましょう。

GeminiとChatGPTの今後の展望

AI技術は日々進化を続けており、GeminiとChatGPTも今後さらなる発展が予想されます。それぞれの最新動向や今後の方向性を見てみましょう。

Geminiは、強みであるGoogleサービスとの連携をさらに深めつつ、Gemini 2.5、Gemini3を含めたGeminiシリーズの性能向上が見込まれています。加えて、Geminiのプロンプト管理機能「Gems」の強化が進み、ビジネスシーンや個人のニーズに応じた柔軟な活用が可能になると考えられます。

ChatGPTは、GPT-5・GPT-5.1以降の次世代モデルの開発が進み、より直感的で高精度な対話が実現される見込みです。さらに、カスタムGPT（GPTs）や動画生成AI「Sora」との連携強化により、マルチモーダルAIとしての進化が加速しています。

GeminiとChatGPTは互いに競い合うように進化しており、一方にしかなかった機能が、もう一方にもすぐ追加されることがよくあります。常にアップデートが繰り返されているため、最新情報をこまめにチェックすることが重要です。

GeminiとChatGPTの比較に関するよくある質問

まとめ：最新の情報収集ならGemini、複雑な文章作成ならChatGPT

GeminiとChatGPTは、それぞれ異なる強みを持つため、自身の用途に合わせて選びましょう。

最新の情報を収集したい場合は、Google検索と連携しているGeminiがおすすめです。情報の正確性を確認する機能も備えているため、再検索の手間を省けます。

人間らしい自然な文章を作成したい場合は、高度な文章生成が可能なChatGPTがおすすめです。豊富なプラグインの活用により、GPTのカスタマイズも可能で、より複雑なテキストの作成にも対応できます。