「ホームページはあるけど、正直あまり集客にはつながっていない……」
「うちは小さな工務店だから、ネットでの集客は難しいのでは?」
このようなお悩みを抱えていませんか。
今は、地域密着型の小さな工務店こそホームページ集客が欠かせない時代です。大手と同じ土俵で戦うのではなく「地元で信頼される存在」として選ばれる工夫をすれば、規模に関係なく反響を得られます。
本記事では、地域で頑張る工務店オーナーの方に向けて、実際に効果のあるホームページ集客の戦略を分かりやすくまとめました。限られた予算・人手でも実践できる内容を厳選しているので、ぜひ参考にしてみてください。
小さな工務店の集客にホームページが必要不可欠な理由
小さな工務店の集客において、ホームページが欠かせない理由は以下のとおりです。
- 住宅購入希望者の約7割がWebで情報収集する
- 信頼がないと選ばれない
- 自社の強みを訴求できる場が必要
- ホームページは24時間365日働いてくれる
小さな工務店「だからこそ」ホームページの集客インパクトは大きいです。それぞれの詳細を解説します。
住宅購入希望者の約7割がWebで情報収集する
小さな工務店は地域に根ざす活動を重視すると、どうしても施策がオフラインに偏りがちになります。しかし、現代のマーケティングにおいてWeb集客は避けて通れません。
UNIIDEO株式会社が注文住宅購入者に行ったアンケート調査では、工務店選びにおいて69.4%の人がWebの情報を参考にしたことが明かされています(※)。
家は高額商品なので、ネットで事前に情報収集し、じっくり検討する人が多いのです。工務店を探している人に自社のホームページを見つけてもらえなければ、比較検討の土俵にすら立てないことがわかるでしょう。
まずは「オンラインで見つけてもらう→実際に来てもらう」流れをつくる土台として、ホームページの内容を充実させることが重要です。
(※)PR TIMES|【注文住宅購入者が選ぶ、工務店選びのポイントは?ランキング調査を実施】第1位「施工事例」、第2位「性能や構造の紹介」(41.9%)
信頼がないと選ばれない
小さな工務店には、大手のようなネームバリューがありません。チラシや広告などで認知を広めるだけでは、ユーザーの「実績はあるの?」「技術力は十分?」「対応は丁寧?」といった不安を解消できないのです。
たとえば、新聞折込チラシで自社のことを知ったユーザーが、もっと詳しい情報を知るためにホームページを訪れたとします。そこでホームページが全く充実していなければ「この会社は大丈夫なのか」と不信感を覚えるでしょう。

信頼感・安心感を訴求できるホームページがあることで、初めて次のアクションを促せます。「〇〇工務店=信頼できる」と地域に周知されるまでは、コツコツと会社の実績や技術力、人間力を伝え続けていく取り組みが必要です。
自社の強みを訴求できる場が必要
小さな工務店が苦戦するポイントは、強みがないことではなく「強みを訴求できる場がない、もしくは訴求する場を間違っている」点です。
チラシは家を建てるつもりがない人にも届きますが、ホームページは家づくりの情報を収集しているユーザーしか見ません。そのため強みの訴求が刺さりやすく、自社のアピールをする場として最適なのです。
競合調査や自社の沿革の振り返りを通じて、自社にしかない特徴を探し、ホームページでその価値をしっかり伝えましょう。たとえば以下のような特徴は、小さな工務店ならではの「強み」として訴求できます。
- 顧客が希望する建材を使える柔軟性
- 納得できるまでとことん相談できるきめ細やかさ
- 地元の気候を熟知した設計技術
コンセプトを明確に定め、ホームページ全体で訴求することによって他社と差別化しやすくなります。
ホームページは24時間365日働いてくれる
小さな工務店にとって、広告宣伝費に十分な予算を充当できないことは悩みの種です。営業にかけられる人員にも限りがあるでしょう。
そこで役に立つのがホームページ。会社の魅力を24時間365日見込み客に届けてくれる、無料の営業ツールとして機能します。検索結果の上位表示を獲得できれば、集客効果が格段に高まることもメリットです。
ホームページには施工事例やお客様の声、スタッフの日常など、さまざまなコンテンツを掲載できます。そのため会社の想いやスタンスを理解してもらいやすく、無理に売り込まなくても「問い合わせが来る」状態を構築できます。
リソースが有限である小さな工務店ほど、ホームページ集客で得られるメリットは大きいでしょう。
小さな工務店のためのホームページ集客戦略5選

小さな工務店が限られたリソースで集客を行うには、ホームページを単なる「会社紹介ページ」ではなく、「自動営業システム」として機能させる戦略が重要です。
- SEO対策で「地名+工務店」の検索順位を上げる
- 施工事例ページを充実させる
- お客様の声を掲載する
- ブログで信頼感・安心感を伝える
- 「資料請求」「無料相談」への導線を整える
今すぐ着手できる取り組みに厳選しました。それぞれ詳細を見ていきましょう。
SEO対策で「地名+工務店」の検索順位を上げる
家を建てることを検討しているユーザーに気づいてもらうためには、ホームページがGoogle検索の上位に表示されることが重要です。
「新潟 工務店」「家づくり 神戸市」のように地名を含めたキーワードで上位表示できれば、多数の見込み客に自社の存在を認知してもらえます。

このように、検索結果における表示順位を向上させる施策を「SEO」といいます。
まずは、商圏の中でどの地名を狙うのかを明確化し、トップページや各ページのタイトルに対策キーワードを含めましょう。
- 大和市 工務店
- 新百合ヶ丘 注文住宅
- 横浜市鶴見区 家づくり
ポイントは、「横浜 工務店」のように競合が多い(検索される数が多い)キーワードを狙わないことです。「横浜→横浜市鶴見区」「工務店→家づくり」のように、検索ボリュームの小さいキーワードを見つけることで、小さな工務店でも上位表示を狙いやすくなります。
工務店のSEO対策の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
施工事例ページを充実させる
施工事例は、ユーザーが最も興味を持つ情報の1つです。集客に成功しているホームページやSNSは、例外なく施工事例が充実しています。
施工事例ページには、以下のような情報を掲載しましょう。
- 施工前後のビフォー・アフター写真
- 具体的な工事内容や工期
- かかった費用
- お客様のコメント
- 施工のこだわりポイント
掲載のポイントは、単に写真を並べるだけではなく「どのような要望があり、どう対応したのか」を分かりやすくすることです。家づくりのストーリー性が伝われば、訪問者は自分事として捉えやすくなります。
SEO効果を高めるために、各事例ページのタイトルには「地名+工事内容」を含めることを意識しましょう。
お客様の声を掲載する
実際に自社を利用した顧客の声は、広告よりも強い説得感があります。「施工後の顧客が満足している」という実績を示し、工務店選びに悩んでいるユーザーの不安を解消しましょう。
お客様の声を効果的に利用するポイントは以下のとおりです。
- 手書きアンケートの写真を掲載する
- 顔写真や名前付きで掲載する
- 「最初は不安だった」などリアルなエピソードを盛り込む
小さな工務店は、ネームバリューに頼らずに「この担当者だから」「この会社だから」お願いしたいと思ってもらう必要があります。そのため経営者・スタッフの人柄や、対応の丁寧さが伝わるエピソードがとくに効果的です。
ブログで信頼感・安心感を伝える
ブログ記事は、小さな工務店の「専門性」「信頼性」を伝えるのに有効な手段です。家づくりを検討中のユーザーが抱える疑問・悩みを探り、それを解消するコンテンツを作成しましょう。
記事のテーマは、「自社が伝えたいこと」よりも「見込み客が知りたがっていること」をベースに検討することが大切です。
- 商圏の注文住宅にかかる建築相場や坪単価
- 商圏の家づくりで活用できる補助金・助成金
- 子育て世帯向けの学区情報・おすすめエリア
- 顧客からよく寄せられる質問への回答集
最初は、ターゲットが広いテーマではなく、地域密着型のお役立ち情報を発信するのがおすすめです。これにより、地名を含めたキーワードでのSEO効果も高まります。
「資料請求」「無料相談」への導線を整える
ホームページでは「資料請求」や「問い合わせ」などの行動に、訪問者を誘導する必要があります。「この工務店は良さそうだな」と思ってくれたユーザーを、離脱させない工夫が大切です。
問い合わせにつながらないホームページが陥りがちな失敗には、以下のようなものがあります。
- 電話番号しか記載されておらず、問い合わせのハードルが高い
- 「資料請求」「問い合わせ」ボタンがどこにあるのか分からない
- 問い合わせフォームの入力項目が多すぎて面倒くさい
ユーザーに無用なストレスを感じさせることのないよう、以下のポイントにもとづいて利便性を高めましょう。
- ハードルの低い問い合わせ手段(フォーム・LINEなど)を用意する
- 「資料請求」などのリンクはトップページの最初に目にする部分に設置する
- 問い合わせフォームの入力項目数を最小限にする
ホームページの目的を、見てもらうことだけではなく「行動してもらうこと」と捉えることが重要です。
小さな工務店のホームページ成功事例を紹介
以下では、小さな工務店のお手本ともいえる企業のホームページを紹介します。参考になるポイントをまとめているので、自社に取り入れられそうな部分を探してみてください。
株式会社カクニシビルダー|人柄訴求で信頼感を醸成

引用元|株式会社カクニシビルダー
カクニシビルダーは、栃木に拠点を置く地域密着型工務店です。求めている情報をスムーズに探せる、ストレスのないホームページに仕上がっています。
- どのページからでも「来場予約」「資料請求」に遷移できる
- 施工事例がカテゴリ別に整理されている
- 「お客様の声」からスタッフの人柄が伝わる
- イベント情報やブログの更新頻度が高い
とくに、スタッフの人柄を訴求することで信頼感を生む工夫は、今すぐ真似できるポイントです。
オフィスHanako株式会社|コンセプトの明確化による差別化

引用元|オフィスHanako
オフィスHanakoは、女性建築士が設計を手がける新潟市の工務店です。「女性視点の使いやすさにこだわった家づくり」というポイントを明確に訴求できており、他社と差別化されています。
- ホームページ全体でコンセプト・強みを訴求している
- 施工事例では「家事動線」「クローゼット」など使い勝手の良さを細かく掲載している
- ルームツアーやスタッフインタビューなどの動画が充実している
- 商品ラインナップでは、料金の目安や内訳が確認できる
コンセプトを明確に打ち出し、ターゲットを絞ることの重要性が分かるホームページです。
小さな工務店がホームページの集客効果を高めるポイント
ホームページ運営に以下の施策を組み合わせることで、さらに集客効果が高まります。
- MEO対策と同時進行する
- ホームページをスマホ対応にする
- SNSを活用する
それぞれ詳細を見ていきましょう。
MEO対策と同時進行する
Google検索では、地名を含めたキーワードで検索すると、上部にマップ情報が表示される仕様になっています。ここで自社情報を上位表示させる取り組みが「MEO(マップ検索エンジン最適化)」です。

MEOは「今すぐ客」にリーチしやすく、問い合わせにつながりやすい施策です。とくに地域密着型ビジネスに有効なので、SEOと同時進行して相乗効果を狙いましょう。
MEOの手順は、以下の記事で詳しく解説しています。
ホームページをスマホ対応にする
現代では、7割以上の人がインターネット利用時にスマホを利用します(※)。スマホで見にくいホームページはすぐに離脱されてしまうため、モバイル最適化(モバイルフレンドリー)は欠かさず行いましょう。
まずは、自社のホームページが以下のポイントを満たしているかチェックしてみてください。
- レスポンシブデザインを採用しているか
- ページの読み込み速度は適切か(推奨2.5秒以内)
- スマホ閲覧時のボタン・フォントサイズ・行間は適切か
とくに、ページの読み込み速度は最重要項目です。Googleの無料ツール「PageSpeed Insights」を利用すると改善ポイントが分かるため、チェックしてみることをおすすめします。
SNSを活用する
SNSを活用することで、ホームページへの流入数を増やせる可能性があります。その理由は以下の2点です。
- スマホで調べ物をするときに、SNSを利用する人が増加している
- 20代の持ち家率が増加している
20代の持ち家率は7年連続で増加し、2023年には35.2%(3世帯に1つ以上)と過去最高を突破しました(※)。若年層が日常的に利用している媒体(SNS)を活用すれば、効率的にリーチを拡大できるでしょう。
SNSは、種類によってユーザー層や向いている訴求の仕方が異なります。小さな工務店におすすめのSNSは以下のとおりです。
向いている活用方法 | おすすめ度 | |
---|---|---|
施工事例で関心を集める | ★★★★★ | |
LINE公式アカウント | 興味を持った人との関係づくり | ★★★★★ |
Youtube | 専門性を訴求しファンを生み出す | ★★★★ |
地域密着での拡散 | ★★★ | |
検索経由の導線確保 | ★★★ |
一気に複数のSNSに着手すると手が回らなくなってしまうため、まずは「継続できそう」と思える1つに絞ってチャレンジすることをおすすめします。
(※)日本経済新聞「20代持ち家率、過去最高 3世帯に1つはマイホームあり」
小さな工務店のホームページ集客でよくある質問
小さな工務店のホームページ運営において、よくある質問は以下のとおりです。
- ブログは毎日更新しないとダメ?
- ホームページとSNSのどちらを優先すべき?
- チラシ配布よりもホームページに注力したほうが効果が出る?
- ホームページを作り込んだけど問い合わせが来ない
それぞれの質問に回答していきます。
ブログは毎日更新しないとダメ?
毎日更新が必須ではありません。更新頻度よりも記事のクオリティを優先し、ユーザーの役に立つことが重要です。
とはいえ、更新頻度が高いと「情報の鮮度が高い」と解釈されるため、ホームページの信頼性がアップします。SEOにも良い影響を与えるので、まずは「週1回」など継続できる頻度で目標を設定してみましょう。
ホームページとSNSのどちらを優先すべき?
検索エンジン経由でも、SNS経由でも、ユーザーが最終的に行き着くのはホームページです。そのため、ホームページの作り込みを最優先すべきでしょう。
ただし、デザインにこだわりすぎるあまり、必要以上に時間を費やすことはおすすめしません。ユーザーが求めている情報を「過不足なく」「分かりやすく」届けることを重視しましょう。
チラシ配布よりもホームページに注力したほうが効果が出る?
地域密着型ビジネスにおいて、ポスティングや折り込みチラシは依然として有効な手法です。情報収集段階に至っていない層にも認知を拡大できるため、ホームページ運営と同時進行すべきでしょう。
ただし、地域やターゲット層によって効果的な媒体は異なります。「数ヶ月継続して効果が見られない場合は切り替える」など、費用対効果を検証しながら最適な媒体を見極めましょう。
チラシにホームページやSNSに飛べるQRコードを付けておくと、興味を持ったユーザーを効率的に集客できます。
ホームページを作り込んだけど問い合わせが来ない
問い合わせが来ない原因をハッキリさせる必要があります。ホームページが集客につながらない原因は、おもに以下の3点です。
- ホームページへの訪問者数が少ない
- 問い合わせフォームへの到達数が少ない
- 問い合わせフォームの通過率が低い
ホームページを「作っただけ」であれば、多くの場合「1」に原因があります。検索結果の上位に表示されない限り、ユーザーはホームページの存在に気づかないからです。
一定の訪問者数(母数)を確保できなければ「2」「3」の段階に進むユーザーも少なくなるため、問い合わせはなかなか増えません。SEO対策によって、検索結果の上位表示を目指すことが必要不可欠です。
小さな工務店のホームページ集客は「できること」から始める
小さな工務店がホームページの集客効果を高めるには、実践できそうな施策から「なるべく早期に」着手することが大切です。
成功パターンや勝ち筋などの「正解」は、ネットで簡単に情報収集できます。しかし正解を知っていても、それを実行し、継続している人は決して多くありません。
だからこそ、1日でも早く「行動する」ことが成功の秘訣です。本記事で紹介した内容を参考に、地域で選ばれる工務店への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。