美容室はSEO対策すべき?6つの施策と成功させるポイントを解説

この記事の監修者

「新潟SEO情報局」の局長。SEO歴は10年以上で、オウンドメディア運用やコンテンツSEOが得意。普段はフリーランスのSEOコンサルタント兼ディレクターとして活動中。

全国の美容室数は令和4年度時点で「269,889施設」と、過去最高を更新しました。競合が増加している中、即効性の高いWeb施策を求めてポータルサイトや広告に依存している美容室も少なくありません。

しかし、長期的・継続的な集客効果を得るためには、公式サイトの品質を高める必要があります。そこで役立つのが「SEO対策」です。

本記事では、SEOで取り組むべき具体策を美容室向けにまとめました。SEOとの相乗効果を狙えるMEOや、業界の成功事例も紹介するため、来店数を増やしたい美容業界の方は、ぜひ参考にしてください。

この記事は「コンテンツ制作ポリシー」に沿って制作しています。

目次

美容室のWeb集客にSEO対策は必要なのか?

「美容室のSEO対策って意味あるの?」「小規模サロンはポータルサイト経由で集客するしか方法がないのでは?」

このようなお悩みを抱えていませんか。結論からお伝えすると、サロンの規模にかかわらず、美容室は最低限のSEO対策に取り組むべきです。

具体的には、自社の「サロン名」で検索した際に、検索結果の1位に公式サイトが表示されない場合はSEO対策が必要でしょう。

「知人から紹介されて気になった」「店舗の前を通りかかって興味を持った」など、意欲の高いユーザーの来店機会をみすみす逃してしまうためです。

美容室がSEO対策に取り組むとホームページの品質が高まる

SEO(検索エンジン最適化)は、上位表示を実現するための「テクニック」ではなく、ユーザーにとって有益な情報を提供するための手段です。そのため、SEOに取り組めば必然的にホームページの品質が高まります。

SEO対策で上位表示を目指すこと、ホームページの品質を向上させることの重要性は、以下の調査結果からも明らかです。

引用元:生活者の購買行動におけるUGC影響度調査ーLetro

「購入・来店前に情報を探す場所」は、検索エンジン(46.6%)がトップであり、比較サイト(13.2%)よりもブランドの公式サイト(20.4%)を参考にするユーザーが多いことがわかります。

このことから、美容室を探すユーザーは以下のような行動を取ることが推察できます。

SEO対策によって自社のホームページを上位表示させ、ユーザーを満足させる情報を提供すること。それが、競合ではなく自社を「選んでもらう」うえで重要です。

美容室への集客はSEOとMEOを同時進行することが大切

とはいえ、大手ポータルサイトはSEOに強く、ホームページを立ち上げて間もない小規模サロンが太刀打ちするのは難しいです。

Web集客に費やす予算が限られている場合は、最低限のSEO対策を講じつつ、他の施策を組み合わせて集客効果を高めましょう。できる限り早く効果を実感するためには、後述する「MEO対策」とSEOを同時進行するのがおすすめです。

美容室のSEO対策を成功させるための6つの戦略

美容室のSEO対策では、ユーザーを満足させるホームページを作成することに注力しましょう。Googleは、サイトの良し悪しを「ユーザーにとっての有益性」を重視して判断するためです。

SEO対策を成功させるうえで、とくに優先順位の高い施策は以下のとおりです。

美容室のSEO対策を成功させるための6つの戦略
  • 美容室を探している人に検索されやすいキーワードを狙う
  • 対策キーワードは必ずタイトルに含める
  • ユーザーにとって使いやすいサイトを目指す
  • ユーザーが知りたがっている情報を網羅する
  • ポータルサイトで認知を拡大する
  • SNS運用で流入経路を増やす

それぞれ詳細を見ていきましょう。

美容室を探している人に検索されやすいキーワードを狙う

SEO対策の最重要事項は、適切なキーワードを選定することです。とくに地域を含むキーワードは「今すぐ客」が最も検索しやすいキーワードなので、最優先で対策しましょう。

地域を含むキーワード例
  • 盛岡市 美容室
  • 美容院 代々木八幡
  • 南浦和 ヘアサロン

ほかにも、以下のようなカテゴリのキーワードから自社と相性のよいものを検討してみてください。

メニュー名川口 美容室 髪質改善
縮毛矯正 我孫子
ヘアサロン 平塚 トリートメント
美容室の特徴・強み山形市 美容室 夜
ヘアサロン 上尾 予約なし
国分寺 美容院 女性スタッフ
ターゲット層美容室 メンズ 鶴見
ヘアサロン 大宮 大学生
南船橋 美容院 子供
ユーザーの悩み縮毛矯正 断られた
ヘアカラー 痛む 頻度
カット やり直したい

ホットペッパービューティーの「フリーワード検索ランキング」を参考に、トレンドを調査するのもよいでしょう。

このように「美容室を探しているユーザーが検索しそうなキーワードは何か」を考え、ユーザーが求めているページを作成することが大切です。

対策キーワードは必ずタイトルに含める

適切なSEO評価を得るためには、Googleに各ページの内容を正しく認識させる必要があります。ページのタイトルには、対策キーワードを必ず含めましょう。

タイトルの改善ポイント
  • 30文字前後で設定する
  • 対策キーワードは可能な限り先頭部へ配置する
  • 不要な情報を詰め込まない
  • オリジナリティを意識する

タイトルは、ユーザーのクリック率を大きく左右する要素です。

せっかくページが上位表示されても、タイトルを見たユーザーに「このページには求めている情報がありそうだ」と思ってもらえなければ、ページを訪問してもらえません。

ページの内容を端的に示しつつ、競合と被らないタイトルを設定してユーザーを惹きつけましょう。

ユーザーにとって使いやすいサイトを目指す

ユーザーの満足度を高めるためには、コンテンツの品質はもちろん、サイトの使いやすさも重要です。ユーザーがストレスなく利用できるホームページを目指すことは、結果としてSEO評価の向上にもつながります。

使いやすいサイトを目指すうえで取り組みたい施策
  • 関連するページ同士をリンクでつなぐ
  • サイトマップ(サイトの全体構造を伝えるマップ)を用いる
  • ページの読み込み速度を速める(2.5秒以内)
  • スマホで閲覧した際の見やすさ・読みやすさ・操作性のよさを保つ
  • HTTPS(SSL対応)で接続の安全性を確保する

とくに関連ページ同士をつなぐ「内部リンク」は、Googleのクローラー(Webページ収集プログラム)の巡回を促す効果があるため、SEO対策には不可欠です。

ユーザーが知りたがっている情報を網羅する

自社が発信したい情報ではなく「ユーザーが知りたがっている情報」を提供する姿勢が大切です。

ユーザーが興味を持つ情報を提供できれば、サイト内での回遊率が高まり、Googleからも「ユーザーに有益な情報を提供しているサイト」と解釈されやすくなります。

ポイントは、他のページでは得られない自社独自の情報を発信することです。

たとえば、お客様の施術例として写真付きのビフォー・アフターを掲載すれば、スタイリストの技術力やサロンの強みを効果的にアピールできます。

美容室のホームページに掲載すべきコンテンツの例は後述します。

ポータルサイトで認知を拡大する

美容室を探しているユーザーの大多数が「ポータルサイト」を利用しています。個人の美容室の認知を拡大するうえでは積極的に活用すべきでしょう。

美容室に最適なポータルサイト

ただし、近年ではポータルサイト内の競争も激化しており、外部の集客手段のみに依存するのは危険です。

ホットペッパービューティーのブログは更新しているにもかかわらず、自社の公式サイトは全く更新されていない美容室も多く見られます。これでは、ポータルサイトの閉鎖や掲載の中断が発生した際、作成した記事が水の泡となってしまいます。

リソースを費やして作成したコンテンツは、自社独自の資産として公式サイトに蓄積させることが大切です。

ポータルサイトとうまく付き合いながらSEO対策を並行し、徐々にホームページでの集客割合を増やしていきましょう。

SNS運用で流入経路を増やす

SNS運用は、美容室の認知拡大に適した手段です。SNSによってサイテーション(Web上で自社が言及されること)を獲得できれば、SEO効果の向上も期待できます。

美容室に相性のよいSNSと特徴
  • Instagram:写真の投稿に最適
  • TikTok:フォロワーが少なくてもバズりやすい
  • X(旧Twitter):速報性と拡散性に優れている
  • YouTube:公式サイトのSEO対策と好相性

「SEOとSNS運用を並行するにはリソースが足りない」という場合は、SNSをホームページ更新の「告知」に活用するとよいでしょう。

コンテンツを公開したタイミングでSNSで宣伝することで、検索エンジン経由だけではなくSNS経由のサイト流入も増やせます。

美容室のSEO対策でホームページに掲載したいコンテンツ

美容室のホームページに掲載することで、SEO評価の向上に貢献するコンテンツ例は以下のとおりです。

美容室のSEO対策でホームページに掲載したいコンテンツ
  • メニュー・料金
  • 最新情報・キャンペーン情報
  • ヘアカタログ
  • スタッフ紹介
  • 店舗基本情報
  • 店舗の写真
  • FAQ
  • ブログ記事
  • 予約フォーム

それぞれ詳細を見ていきましょう。

メニュー・料金

メニューと料金は、美容室を検討するユーザーが最も知りたい情報の1つです。以下のポイントをおさえ、分かりやすい記載を心がけましょう。

メニュー・料金の掲載ポイント
  • メニューごとにページを分けて「1ページ1キーワード」で作成する
  • メニューを細分する(例:ヘアカラー「ブリーチ」「白髪染め」「マニキュア」)
  • 全メニューの費用一覧を用意する

情報の探しやすさや見やすさを、ユーザー目線で確認することが大切です。

最新情報・キャンペーン情報

情報の鮮度を保つことは、SEO評価の向上はもちろん、美容室の信頼性向上にもつながります。

鮮度の高い情報の具体例
  • 新メニューや新商品に関する情報
  • 季節性の高いキャンペーン情報(入卒式・新年度・クリスマスなど)
  • 美容室の周年限定サービスの案内

定期的にコンテンツを更新し、常に最新情報を発信できる体制を整えましょう。

ヘアカタログ

具体的なヘアスタイル案を提供することで、視覚的な訴求力が高まります。

「カットスタイル別」「カラー別」「年代別」のようにカテゴリを分け、情報を探しやすくすることが大切です。

画像を多く掲載すると、ユーザーのサイト滞在時間の増加が狙えます。結果としてGoogleからも「有益なサイト」と解釈されやすくなり、SEO評価の向上につながります。

スタッフ紹介

ユーザーの不安を解消し、来店のハードルを下げるうえで、スタッフ紹介ページは必須です。

スタッフ紹介ページの内容例
  • 氏名・顔写真
  • 経歴
  • プロフィール情報(出身地・性格・趣味など)
  • 得意なヘアスタイル

スタッフが店舗のブランディングにつながることも多いため、戦略的に取り入れたいコンテンツです。

店舗基本情報

情報の発信元を明記することは、SEO対策の基本です。店名や所在地などの基本情報は、詳細かつ正確に掲載しましょう。

重要ポイントは、ポータルサイトやSNSとのNAP表記(店名・住所・電話番号)を一致させることです。

文字や記号、空白などの表記方法が異なっていると、Googleに同じ店舗だと認識されず、適切なSEO評価を得られません。

英数字の半角・全角も含め、細かな書き方を統一しましょう。

店舗の写真

店舗の雰囲気や清潔感をアピールするために、外観や内装の写真を充実させましょう。

画像を掲載する際は、画像データのファイルサイズに注意が必要です。データの読み込みに時間がかかると、SEO評価に悪影響を及ぼします。

画像の圧縮や形式変換により、ファイルサイズを調整しましょう。

FAQ

よく寄せられる質問と回答をまとめたFAQページを作成することで、ユーザーの来店に対する懸念を払拭できます。

美容室のFAQの具体例
  • 予約なしで来店してもいいですか?
  • 美容師の指名はできますか?
  • 営業時間外でも対応してもらえますか?
  • スタイルのお直しは可能ですか?
  • 着付けやヘアメイクをお願いできますか?

「利用に関して」「メニューに関して」などカテゴリ別にFAQを整理し、ユーザーの利便性を高めることが大切です。

FAQはSEO上も有利に働くコンテンツなので、対策キーワードを含めつつ積極的に取り入れましょう。

ブログ記事

ユーザーの悩み・疑問を解決するブログ・コラムを作成することで、上位表示の可能性が高まります。Googleは、ユーザーにとっての有益性を重視してサイトを評価するためです。

美容室におすすめのブログ・コラム例
  • 眉毛のお手入れ方法・似合わせ方
  • 抜け毛や頭皮のニオイの解消法
  • 枝毛の予防と対策
  • くせ毛解消におすすめのメニュー

記事のトピックは、上位表示を獲得しやすい(検索ボリュームが小さい)キーワードを狙って選定することをおすすめします。

予約フォーム

機会損失を防ぐため、Webから予約が完結する専用ページは欠かさず設置しましょう。予約フォームは、ユーザーの使いやすさを重視して作成することが大切です。

ユーザーが使いやすい予約フォームの特徴
  • 選択式の回答のみで入力が完結する
  • どのページからでも予約フォームに遷移できる
  • スマホに最適化されている

とくにフォームの「見つけやすさ」は重要なので、スクロール追従型のボタンを採用することも有効です。

美容室がSEO対策と並行すべきMEO対策のポイント

MEOとは、Googleマップ検索において自社情報の表示を最適化させ、集客につなげる施策のことです。美容室のような地域密着型ビジネスにおいては、MEO対策が集客力向上の鍵を握ります。

MEO対策の具体的な手順・ポイントは以下のとおりです。

美容室がSEO対策と並行すべきMEOのポイント
  • Googleビジネスプロフィールを登録する
  • 店舗の基本情報を正しく設定する
  • 写真・動画を充実させる
  • 口コミを収集・管理する

それぞれの詳細を解説します。

Googleビジネスプロフィールを登録する

Googleマップに自社情報を表示させるためには、Googleビジネスプロフィールの運用が必要です。まずは、マップ検索で自社の情報が表示されるかどうかを確認しましょう。

すでに店舗情報が表示されている場合は、オーナー認証を済ませることで運用を開始できます。

検索しても店舗情報が表示されない場合は、新たにGoogleビジネスプロフィールを登録しましょう。

店舗の基本情報を正しく設定する

オーナー認証が完了したら、店舗の詳細情報を設定します。

店舗の基本情報の登録ポイント
  • 店名・住所・電話番号:公式サイトやSNSと情報を一致させる
  • 営業時間:通常時の開店・閉店時間や祝休日の営業時間を正確に入力する

基本情報を誤って設定すると、ユーザーの来店機会を阻害したり、ネガティブな口コミにつながったりする危険性があります。情報の正確性にはこだわりましょう。

写真・動画を充実させる

店舗やヘアスタイルの写真を掲載することで、視覚的な訴求力が増します。

写真・動画はユーザーからも投稿されますが、オーナー提供の写真もできる限り充実させましょう。

口コミを収集・管理する

美容室の集客効果に多大な影響を与えるのが「評価(口コミ)」です。

良質な口コミは一朝一夕では集まりません。以下の施策を参考に、長期的な視点で取り組みましょう。

良質な口コミを集める施策例
  • 利用者に直接口頭でお願いする
  • 店内に口コミ依頼のPOPやポスターを掲示する
  • SMSで口コミ依頼を送信する

収集した口コミには可能な限り返信し、ユーザーとのコミュニケーションを図ることが大切です。

お手本にしよう!美容室のSEO対策の成功事例

実際に、SEO対策に成功している美容室のホームページを紹介します。規模の異なる2つのサロンをピックアップしましたが、どちらの事例も「独自性の高い情報」を提供している点が共通しています。

自社に取り入れられるポイントがあるはずですので、ぜひ参考にしてください。

Realme恵比寿:小規模サロンでもSEO対策が有効なことを示した好例

引用元:美髪特化美容師 サトウヨウスケ

フリーランス美容室「Realme恵比寿」のホームページです。髪質改善や縮毛矯正にまつわるお悩み解決記事が豊富で、実際に「ブログを見て来店」という事例も確認できました。

お客様の施術例を紹介した記事は、どれも独自性が高く、代表の専門知識の豊富さが伺えます。ユーザーの悩みに徹底的に寄り添うことで、小規模サロンでもSEO対策が有効なことを示した事例です。

ENORE:ユーザーのあらゆる悩みを解決するブログが特徴

引用元:ENORE

ENOREは、関東圏に複数店舗を展開する美容室です。「パーマ 落とす」「縮毛矯正 お風呂」など、多くのお悩み関連キーワードで上位表示を獲得しています。

SEOを意識したキーワードを選定しつつ、あくまでベースは「実際の施術実績」にもとづいた知識を提供していることが特徴。更新頻度が高いことも、SEO評価の向上に貢献していることが伺えます。

ブログのネタを「目の前のお客様の悩み」から探し、ユーザーを満足させている事例です。

まとめ:美容室のSEO対策は地域性とコンテンツの品質を重視しよう

美容室数が増加している中、自店舗の存在感を高めるためにはSEO対策が欠かせません。ぜひ本記事で紹介した施策を参考に、着手を検討してみてください。

美容室のSEO対策は、地域への密着度とコンテンツの品質を重視することが大切です。ユーザーにとって有益な情報を提供し、事業の成長につなげましょう。

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この記事の監修者

「新潟SEO情報局」の局長。SEO歴は10年以上で、オウンドメディア運用やコンテンツSEOが得意。普段はフリーランスのSEOコンサルタント兼ディレクターとして活動中。

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