地域住民を集客するにあたって、欠かせない手法のひとつが「MEO対策」です。MEO対策とはGoogleマップで自店舗を上位表示させるテクニックですが、とくに口コミを集めることが有効。
「星5つ付けてくれたお客様にはドリンク1杯サービス!」
「次回の来店時に使えるクーポンをプレゼント♪」
一時期、このような口コミを促すキャンペーンが多く見られましたが…実はGoogleのガイドライン違反なのです。
もしバレてしまうと、Googleマップでの上位表示が難しくなるばかりか、最悪の場合、Googleアカウントが停止されてしまう恐れも…。
今回は、口コミに関するガイドラインや、キャンペーンに頼らず口コミを集める方法も紹介します。
「MEO対策は不要!」という声もありますが、地域集客において口コミは必須の要素なので、無視は厳禁ですよ。
キャンペーン(特典)でGoogleマップの口コミを増やすのはガイドライン違反
キャンペーンや特典で口コミを集める行為は、Googleビジネスプロフィールのガイドライン違反です。実際、Googleは以下のように明言しています。
販売者が次の行為を行うことは許可されません。
- 実体験に基づいていないコンテンツの投稿を募ったり促したりする行為。
- レビューの投稿や否定的なレビューの修正または削除と引き換えに、インセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為。
- 顧客からの否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為。
- 競合他社のお店や場所について、その企業や商品の評判を傷つけるコンテンツを投稿する行為。
ちなみに、とある飲食店へ足を運んだ際、このようなPOPを見かけました。
高評価(星5つ)を付けて評価するだけで、ドリンクが1杯無料でもらえるキャンペーン。お客様からすると魅力的ですし、多くの口コミも集まるのでMEO対策に有効と思えますが…リスクが伴います。
ガイドライン違反の対象になるキャンペーン(特典)の例
Googleビジネスプロフィールのガイドラインに違反するキャンペーンや特典の例を挙げます。
- 口コミを書いてくれたら割引券をプレゼント
- 【500円クーポン】レビュー投稿キャンペーン
- 口コミを投稿したらビール1杯分が無料に!
- レビュー投稿で商品券プレゼント
- レビューを書いて次回使えるクーポンゲット
- 星(評価)5の投稿でギフトカードプレゼント
- 高評価コメントでポイントがもらえる!
すべてGoogleのガイドラインに違反する可能性が高いため、絶対に避けてください。
「ライバル店がやっているから大丈夫だろう」「そんなに問題にならないだろう」と思うかもしれませんが、油断は禁物ですよ。
Googleガイドラインに違反するとどうなる?
Googleビジネスプロフィールのガイドラインに違反すると、まず検索順位が下がってしまう可能性が考えられます。ユーザーが検索しても、あなたの店舗やサービスが上位に表示されにくくなるため、集客に大きな影響が出るでしょう。
さらに深刻なのは、Googleビジネスプロフィールの停止です。プロフィールの編集ができなくなるだけでなく、店舗情報が検索結果から削除される可能性もあります。
今まで一生懸命集めた口コミや、MEO対策の努力がすべて無駄になるかもしれません。
また、悪質だと判断された場合はGoogleアカウント自体が停止されます。そしてGmailやGoogleアドセンスなど、Googleが提供しているすべてのサービスが利用できなくなります。
「新しいアカウントを作ればいいじゃないか」と考えるかもしれません。しかし、同じ店舗名・会社名で登録しようとしても審査が通らないケースも考えられます。
キャンペーンに頼らずGoogleの口コミを投稿してもらう方法7選
「キャンペーンや特典なしで口コミを増やせるかな?」と不安になるかもしれません。Googleビジネスプロフィールのガイドラインを守りながら口コミを増やす方法は7つあげられます。
以下に、具体的なアイデアを紹介しますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
- 口頭で依頼する
- レシートに印刷する
- 店頭にPOPを設置する
- メールやLINEに記載する
- SNSで依頼する
- ホームページに口コミを表示する
- 口コミに返信する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
口頭で依頼する
店舗を訪れてくれたお客様に、口コミを書いてもらうようお願いする方法です。
たとえば飲食店の場合、お会計の際や食事が終わった後に「口コミを書いていただけるととても嬉しいです!」と伝えてみてください。何を書けばよいか分からない方もいるため、「メニューの感想や店舗の雰囲気など、感じたことをぜひ投稿してください」と一言添えるのがおすすめです。
直接お願いすることでお客様との距離がぐっと縮まり、「このお店、美味しかったし応援したいな」と感じてもらえるはずです。
最初は恥ずかしいと感じるかもしれませんが、ぜひ積極的に声をかけてみてくださいね。少しの勇気が、大きな効果を生むかもしれませんよ。
レシートに印刷する
レシートやチラシ、お友達紹介カード、名刺などに「口コミのご協力をお願いします。」と印刷しておく方法です。
その場で投稿する時間がなさそうなお客様には、紙媒体を持ち帰ってもらいましょう。「そういえば、あのお店良かったな」と思い出したときに、口コミを書いてくれるかもしれません。
さらに、印刷物はお客様の手元に残るため、後日見返したときに「またあのお店に行きたい」と感じてもらえる可能性も高まります。冷蔵庫にチラシを貼っておく方も多いので、目に入るたびにお店を思い出してもらえるかもしれませんね。
ちょっとした工夫ですが、口コミの数を増やすだけでなくリピーターを増やす効果も期待できるので、ぜひ試してみてください。
店内にPOPを設置する
店内に「レビューをお願いします」と書いたPOPを設置するだけでも効果はありますが、「どこから投稿するの?」「面倒そうだから、やめておこうかな」と思われるかもしれません。
そのため、QRコードを一緒に掲載するのがおすすめです。QRコードなら、スマホで読み込むだけで口コミ投稿画面をすぐに開けるため手間がかかりません。
特に座席やレジの近くにPOPを貼っておけば、待ち時間を利用して書いてもらえる可能性が高まりますよ。
口コミ投稿用URLをQRコードに変換する手順は以下のとおりです。
- Googleビジネスプロフィールの管理画面にアクセスする
- 「レビューを依頼」のアイコンをクリックする
- 表示されるURLをコピーする
- URLからQRコードを作成する
- QRコードをPOPに印刷し、店内に掲示する
無料でQRコードを作成できるツール(サイト)はいくつもありますが、「QRのススメ」や「クルクル マネージャー」が使いやすいですよ。
メールやLINEに記載する
メールアドレスを登録してくれた方やLINEでお友達申請をしてくれた方に、レビューをお願いするメッセージを送ってみましょう。
文章が長すぎると途中で読むのをやめてしまう方もいますので、簡潔に書くことがポイントです。以下の例文をアレンジしてみてください。
「当店をご利用いただき、ありがとうございました。当店では皆さまの声を大切にしています。もしよろしければ、良かった点や改善してほしい点などを投稿していただけると大変助かります。」
メッセージには口コミ投稿用のURLを必ず追記してください。リンクをクリックするだけで簡単に口コミを書けるので、「それならやってみようかな」と思ってもらえるかもしれません。
また、LINE公式アカウントを運用している方は、リッチメニューにリンクを設定するのも有効です。トーク画面の下部に大きく表示されるため、お客様をスムーズに誘導できますよ。
SNSで依頼する
InstagramやX(旧Twitter)、FacebookなどのSNSを運用していますか?
フォロワーに向けて、口コミをお願いするのもよい方法です。定期的に「もしよろしければ、お店のサービスや商品について口コミをお願いできますか?」と呼びかけてみましょう。
Googleの口コミ投稿ページにアクセスするリンクも忘れずに添えてくださいね。
特にX(旧Twitter)はフォロワーとの距離感が近いため信頼関係を築きやすく、気軽に依頼しやすいのが特徴です。SNSを上手に利用して、口コミを増やしていきましょう。
ホームページに口コミを表示する
お店のホームページにGoogleの口コミを表示してみましょう。
既存顧客には「私も口コミ書いておこうかな」と自然に促せますし、検索経由で訪れた新規顧客には商品やお店への期待を高める効果も期待できます。
WebサイトにGoogleの口コミを表示する方法を2つ紹介します。
Business Profile APIを利用する方法
Business Profile APIは、Googleビジネスプロフィールに登録されている口コミ情報を自動的に取得・表示します。ほかにもビジネス情報の編集やメニュー情報の更新なども効率化できるため便利です。
ただし、設定にはプログラミング知識が求められます。大半の方は専門家に依頼する事になりますが、開発費用はとても高額です。ランニングコストも考慮すると、チェーン店などの大規模に展開している経営者向けでしょう。
WordPressプラグインを利用する方法
ホームページにWordPressを使っている場合は、プラグインを利用すると簡単に口コミを表示できます。
たとえば「Plugin for Google Reviews」や「Widgets for Google Reviews」が有名です。どちらも無料なので、気になった方はインストールしてみてはいかがでしょうか。
初期設定は必要なものの、基本的にはウィジェットやショートコードを口コミを表示したいページ(部分)に追加するだけです。専門知識は不要です。
個人経営のサロンなど小規模ビジネスでも手軽に導入しやすいでしょう。
口コミに返信する
Googleマップに投稿された口コミには積極的に返信しましょう。書き込んだ方は「自分の声がちゃんと届いているんだ」と感じるため満足感が高まりますし、ほかの方も「私も書いてみようかな」と思ってくれるはずです。
低評価の口コミはスルーしたくなるかもしれませんが、必ず対応してください。たとえ厳しい内容であっても、意見を真摯に受け止め、店舗の改善に役立てるチャンスと考えましょう。
問題がすでに解消されている場合は「ご指摘いただいた内容ですが、現在は○○のように改善しております。」といった形で、対応済みであることを伝えるとよいでしょう。
投稿者にも閲覧者にも良い印象を与えますし、結果として新しい口コミの投稿を促すきっかけにもなります
Googleの口コミやキャンペーンに関してよくある質問
Googleの口コミやキャンペーンに関して、よくある質問と回答をまとめました。
Q.どうやって口コミの投稿をお願いすればよい?
リピーターのお客様が多い場合、直接お願いするのが効果的です。「口コミに協力していただけませんか?」「改善点などがあれば、ぜひ投稿していただけませんか?」など、正直に申し出ればお客様も対応してくれるでしょう。
ただし、強引に投稿させてはいけません。もちろん、特典をつけるのもNGですよ。
Q.低評価や悪い口コミを投稿されたら削除できる?
MEO対策をしていると、できるだけ「星5つ」をキープしたいですよね。しかしお客様によっては星1〜2つなど低評価をつけることもあります。
事業者側からするとネガティブな気持ちになりますが、ここで大切なのが真摯な対応です。口コミの内容によっては削除申請ができますが、すべて削除されるわけではありません。
そのため、悪い口コミに対しても丁寧に返信することがポイント。反論せず、口コミを投稿してくれたお礼とその内容に対する謝罪、具体的な改善案などを記載し、返信しましょう。
Q.どれくらいの数の口コミを集めればGoogleマップで上位表示される?
明確な基準はなく、競合によって変わります。例えば「新潟市 ラーメン」とGoogleマップで検索したときの結果がこちら。
1位は2,000件、2位は1,000件もの口コミを集めています。つまり、上位に食い込むためには最低でも1,000件前後の口コミが必要と推測されます。
ちなみに、「新潟市 中央区 塩ラーメン」というキーワードにすると、このような検索結果が。
1位の口コミが50件弱なので、これくらいならコツコツ集められそうですよね。キーワードによって競合や難易度も変わるので、もしお悩みであればお気軽にご相談ください。
まとめ
口コミをキャンペーンや特典で増やす行為は、Googleビジネスプロフィールのガイドラインに違反します。よく見かける手法ですし、知らずにやってしまっていた方もいらっしゃるかもしれません。
しかしバレてしまうと、店舗情報が検索結果に表示されなくなったり、Googleアカウントが停止されたりします。
時間はかかるかもしれませんが、正しい方法で口コミを集めることが大切です。お客様に直接お願いしたり、レシートやメールで促す方法を取り入れてみてくださいね。
コツコツと信頼を積み重ねて、より多くのお客様に愛されるお店を目指しましょう。