ネガティブSEOとは?検索順位が下がる攻撃例と対策方法

監修者

つるけん(鶴巻健太) つるけん(鶴巻健太) 新潟SEO情報局長

SEO歴は10年以上で、オウンドメディア運用やコンテンツSEOが得意。普段はフリーランスのSEOディレクターとして活動中。

「サイトの検索順位が急に下がった」「アクセス数が激減した」

このような現象の原因は、もしかするとネガティブSEOかもしれません。

ライバルサイトからの嫌がらせによって自社サイトの評価が大きく低下し、SEOに影響を及ぼしている可能性があります。

この記事では、ネガティブSEOの具体例と対策方法について解説します。サイトを守るため、ぜひ参考にしてください。

この記事は「コンテンツ制作ポリシー」に沿って制作しています。

目次

ネガティブSEO(リバースSEO)とは?  

「ネガティブSEO」とは、競合サイトが自社サイトの検索順位を下げる行為を指します。具体的な手口として、質の低いリンクを大量に貼り付けたり、コンテンツを無断でコピーしたりなどがあります。

Googleからの評価が悪くなり、検索で上位表示されていたページも順位が低下してしまうのです。サイトへのアクセス数が激減するため、ビジネスにも大きなダメージを与えるでしょう。

逆SEOとの違い  

ネガティブSEOと混同されがちなのが「逆SEO」です。

逆SEOは、自社サイトの順位を向上させて、競合サイトの順位を相対的に下げる戦略です。たとえば、品質の高いコンテンツを作成し、自然な被リンクを増やすことで自社の評価を高めます。

逆SEOは自社サイトを強化する正当な手法であり、ネガティブSEOは相手サイトを故意に貶める不正な手段なのです。

ネガティブSEOの具体例  

ネガティブSEOでよく使われる攻撃手法を具体的に紹介します。

  • 質の低いリンクを大量に貼る  
  • アンカーテキストにキーワードを詰め込む
  • コピーコンテンツを量産する  
  • 嘘のDMCA通知を送る
  • ネガティブワードで大量に検索する

不審な動きに早く気づければ被害を最小限に抑えられるため、ひとつずつ確認しておきましょう。

質の低いリンクを大量に貼る  

Google は、ページの関連性を評価する要素としてリンクを挙げています。

内容の薄いブログや怪しいサイトから大量のリンクが貼られると、Googleのアルゴリズムに「スパム行為」と判断されるリスクがあります。

Google 検索の検索結果ランキングを操作することを目的としたリンクは、リンクスパムと見なされる場合があります。これには、自分のサイトへのリンクを操作する行為も、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれます。

引用:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル  |  ドキュメント  |  Google for Developers

被リンクは自社で設定したリンクではないため、不審なリンクが貼られても気づきにくいのがやっかいです。

アンカーテキストにキーワードを詰め込む  

不自然なアンカーテキストリンクを作成するのも、ネガティブSEOの一環です。

たとえば、競合が特定のキーワードを大量に詰め込んだリンクを生成し、自社サイトに向けます。検索エンジンに「不正な手法で順位を上げようとしている(ブラックハットSEO)」と認識させようと狙っているのです。

Googleに悪質とみなされれば検索順位が大幅に下がるだけでなく、最悪の場合、サイトが検索結果から削除されてしまう危険性もあります。

コピーコンテンツを量産する  

サイトのコンテンツをコピーして掲載する「コピーコンテンツ」は、Googleのペナルティ対象です。

不正な複製の例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 他のサイトのコンテンツをコピーし、元のソースを引用することさえせず、独自のコンテンツや価値を加えずに転載しているサイト
  • 他のサイトのコンテンツをコピーし、(語句を類義語に置き換えたり自動化された手法を使用したりして)若干の修正を加えたうえで転載しているサイト

引用:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル  |  ドキュメント  |  Google for Developers

このポリシーを利用するために、競合が自社サイトの文章を無断で複製し、別のサイトに載せます。

自社サイトがオリジナルコンテンツであっても、Googleに「重複コンテンツ」と見なされればペナルティを受けてしまうのです。

嘘のDMCA通知を送る  

「DMCA(Digital Millennium Copyright Act)」とは、日本語で「デジタルミレニアム著作権法」と呼ばれます。簡単に言えば、Web上の著作物を保護するアメリカの法律です。

著作権保有者が、著作権を侵害しているサイトのプロバイダーに対して著作権侵害の通告を送ることで、盗用コンテンツの削除を求めるしくみです。

ネガティブSEOでは、本来、違法なコンテンツを取り締まるためのDMCAを悪用します。競合が自社サイトのコンテンツに対して虚偽のDMCA通知を送信し、検索結果から自社サイトを削除させることで露出を抑えようとするのです。

ネガティブワードで大量に検索する  

ネガティブなキーワードを大量に検索し、自社サイト名と関連付ける手法は「サジェスト汚染」と呼ばれています。

サジェストとは、検索窓にキーワードを入力すると、自動的に関連キーワードが候補として表示される機能です。ユーザーの関心に基づいてキーワードが表示されますが、必ずしも事実に基づくものではありません。

「詐欺」「やばい」「効果ない」「まずい」などのワードとともに自社名が頻繁に検索されると、Googleが「検索ニーズが高い語句」と認識してしまいます。サジェストに表示されれば、ユーザーにネガティブな印象を与え、サイトのクリック率が低下するでしょう。

特に、検索エンジンからの集客に頼るサイトにとっては、非常に迷惑な攻撃手法です。

ネガティブSEOをされた場合の対処法  

ネガティブSEOを受けてしまった場合、どうすればいいのでしょうか?以下に、効果的な対策方法をまとめました。

  • 怪しいリンクを否認する
  • スパムとして報告する
  • 自然な被リンクを増やす
  • DMCAの削除申請を行う
  • サジェスト削除申請を行う

自社サイトの評価を守るために、迅速に行動してください。

怪しいリンクを否認する  

Googleサーチコンソールでは、被リンクの詳細を確認できます。スパム的なリンクや質の低いページからのリンクが見つかった場合は「リンク否認」を行いましょう。

  1. サーチコンソールを開き、左のメニュー「リンク」をクリックする
  2. 「外部リンク」の「詳細」をクリックする
  3. 「エクスポート」から「CSVをダウンロード」を選択する
  4. 否認したいリンクをテキストファイル(.txt形式)にまとめる
  5. リンクの否認ページにアクセスし、テキストファイルをアップロードする

なお、テキストファイルの形式にはルールがあります。

  • URLやドメインは1行ずつ記載する
  • 無効化したいドメインの前に「domain:」を付ける
  • ファイルは UTF-8 または 7-bit ASCII 形式で保存する
  • ファイル名の末尾は必ず「.txt」とする
  • URL の最大文字数は 2,048文字
  • ファイルの最大サイズは2MB(100,000行まで)
  • コメント(メモ)を追加したい場合は、行の先頭に「 # 」を付ける

詳しくはサイトへのリンクを否認する – Search Console ヘルプをご覧ください。

スパムとして報告する  

自社サイトに対して大量のリンクが貼られていたり、アンカーテキストに過剰なキーワードが含まれている場合、プログラムを利用したスパム行為の可能性が考えられます。

スパム行為に対しては品質に関する問題を報告するページから簡単に報告できます。手順は以下のとおりです。

  1. Googleアカウントにログインする
  2. スパム行為や不正行為のあるページ、または質の低いウェブページを報告するページにアクセスする
  3. 報告したいサイトのURLを記入する
  4. 問題点を選択する
  5. 検索キーワード(クエリ)を入力する
  6. 詳しい理由を入力する(300文字程度)

Googleが「ポリシー違反」と判断した場合、該当するサイトの検索順位を下げる、または検索結果から除外するなどの対策が行われます。

自然な被リンクを増やす  

ネガティブSEOの影響を和らげるために、自然な被リンクを増やしましょう。

読者に「ほかの人にも伝えたい!」と思ってもらえる内容を目指してください。価値のあるコンテンツを提供していれば、リンクを貼ってもらえる可能性が高まります。

また、SNSでのシェアも効果的な手段です。コンテンツをSNSに投稿し、多くのユーザーに見てもらうことで、リンクや拡散が期待できます。

被リンクは簡単には増えませんが、金銭や物品・サービスを提供してリンクを依頼するのは絶対に避けてください。Googleはランキング操作を目的としたリンクを「リンクスパム」と判断するため、ペナルティを受けてしまいます。

正当な手段で被リンクを獲得していきましょう。

DMCAの削除申請を行う  

自社のオリジナルコンテンツがコピーされた場合は、GoogleにDMCAの削除申請を行いましょう。

  1. Googleアカウントにログインする
  2. 著作権侵害の報告: ウェブ検索(Report content on Google)にアクセスする
  3. 連絡先情報を入力する
  4. 著作権を侵害しているサイト情報を入力する
  5. 「宣誓供述書」の内容を確認してチェックする
  6. 署名日と氏名を入力する
  7. 「私はロボットではありません」にチェックし、送信する

申請が認められれば、著作権侵害と判断されたページは検索結果から削除されます。検索してもユーザーには表示されなくなるので安心してください。

また、自社がオリジナルコンテンツであるにもかかわらず、著作権侵害の申請を出されてしまうケースもあります。

この場合、Googleサーチコンソールにサイトを連携しておくと通知が届きます。メール内のリンクから異議申し立てを行い、正当な権利者であることを伝えましょう。

検索結果からサジェスト削除申請を行う  

ネガティブなワードが自社ブランドやサービスに悪影響を及ぼさないよう、定期的に検索結果のサジェストをチェックしましょう。

ただし、ひとつひとつキーワードを入力して確認する方法は手間がかかります。見落としのリスクもあるため、サジェスト検索ツールを活用すると便利です。

以下は、「ラッコキーワード(無料)」を使った場合の手順です。

  1. ラッコキーワードにアクセスする
  2. 検索窓に企業名や商品・サービス名を入力する
  3. 検索窓横のリストから「サジェスト(Google)」を選択し、検索する
  4. 結果を保存する(CSVでダウンロードしておくと便利)

サジェストに問題のあるワードが含まれている場合、検索窓から削除を申請しましょう。

  1. Googleの検索窓に企業名や商品・サービス名などを入力する
  2. サジェスト一覧の右下にある「不適切な検索候補の報告」をクリックする
  3. 削除したいサジェストを選ぶ
  4. 「Googleにフィードバックを送信」画面で削除理由を選択し、送信する

参照:Google の予測入力候補を管理する(Google 検索 ヘルプ)

この方法なら簡単に申請できますが、特にフィードバックはなく、確実に削除されるわけではないというデメリットがあります。Googleからの回答が欲しい場合は次の方法を試してください。

法的な報告ページからサジェスト削除申請を行う

ネガティブなサジェストが深刻な影響を与えているなら、「法的削除に関連する問題を報告する」フォームを通して削除申請を行うのがおすすめです。

  1. 法的な理由でコンテンツを報告する(Legal ヘルプ)にアクセスする
  2. 「リクエストを作成」をクリックする
  3. 「Google 検索」→「その他の検索機能」を選択する
  4. 「オートコンプリートまたは関連検索キーワード」→「コンテンツを報告する法律上の理由」を選択する
  5. 「その他」を選択する(すでに裁判所から違法性が認められている場合は「裁判所命令」を選択)
  6. 「リクエストを作成」ボタンをクリックすると、「法的削除に関連する問題を報告する」フォームが表示される
  7. 必要な情報を入力し、送信する

数日以内にGoogleから削除の可否についての結果がメールで届きます。

まとめ

リンクの大量作成やコピーコンテンツの量産、さらには嘘のDMCA通知といった、さまざまな手法が存在します。

もし検索順位が急に下がったり、アクセス数が減少したりするような異変に気づいたら、この記事を参考に原因を探ってみてください。迅速かつ適切に対応すれば、サイトへの悪影響を最小限に抑えることができるでしょう。

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この記事の監修者

「新潟SEO情報局」の局長。SEO歴は10年以上で、オウンドメディア運用やコンテンツSEOが得意。普段はフリーランスのSEOコンサルタント兼ディレクターとして活動中。

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