Perplexity AIは、情報収集に特化したAIです。しかし、安全性は高いのか、危険性があるなら対処法は何があるのか、気になる方もいるでしょう。
本記事では、Perplexity AIの基礎知識や危険性、安全に使うためのコツを解説します。これからPerplexity AIを活用してみたいと考えている方は、参考にしてください。
Perplexity AIとは?
Perplexity AIは「対話型のAI検索アシスタント」です。知りたいことを質問するだけで、AIが関連情報を整理して出典元を明記した形で回答を生成してくれます。
おもな特徴は、以下のとおりです。
- 効率的な情報収集
- 出典の明示
- 自然な対話形式
- 無料で利用可能
Perplexity AIは、複数の情報源を自動で調査・要約してくれるため、必要な情報を短時間で把握可能です。情報の信頼性を確認しやすくするために、根拠となる情報源がリストアップされるので、ファクトチェックにも役立ちます。
自然に会話をするように質問を重ねられるので、知りたい情報をピンポイントで掘り下げられます。Web業務に不慣れな方や、自社メディアの集客を強化したいと考えている方にとって、Perplexity AIは便利な情報収集ツールです。
ChatGPTとの違い
Perplexity AIとChatGPTは、どちらも優れたAIですが、得意分野や用途目的が異なります。そのため、利用者の目的によります。
特徴 | Perplexity AI | ChatGPT |
---|---|---|
主な用途 | 情報の検索、情報収集 | テキスト生成、要約、プログラミング |
強み | 情報収集に特化、出典元を明記、リアルタイム情報アクセス | 文章生成、タスク管理などマルチに対応 |
出典表示 | あり | 基本的になし(プロンプトにより明示可能) |
AIモデルの選択 | GPT-4Claude 2.1Gemini Pro※有料プランのみ選択可能 | GPTシリーズ(GPT-4o、GPT-4o Mini、o3-miniなど) |
有料プランの価格 | $20 / 月(約3,000円) | Plus:$20 / 月(約3,000円)Pro:$200 / 月(約30,000円) |
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Perplexity AIは「最新情報を含む検索・情報収集」に、ChatGPTは「多様なテキスト生成やアイデア創出」に特化しています。
Perplexity AIの使い方
Perplexity AIの使い方は以下のとおりです。
- アカウントを作成してログイン
- 質問を入力
- 回答を確認
各手順について詳しく見ていきましょう。
1.アカウントを作成してログイン
アカウントの作成・ログイン方法は、ブラウザ版とアプリ版で異なります。
ブラウザ版の場合
Perplexity AIのブラウザ版にアクセスし、ログインを行います。左下のサインインをクリックします。
メールアドレスを入力、またはGoogle・Appleで続けるを選択しましょう。
これでログイン完了です。
アプリ版の場合
アプリ版の場合は、App Storeからアプリをインストールする必要があります。「Perplexity AI」と検索し、インストールを行ってください。
インストールできたらアプリを開き、サインインをクリックします。
お好みの方法を選択してください。
情報を入力したらログイン完了です。
2.質問を入力
知りたい情報を入力しましょう。自然な会話口調で入力するだけなので、誰でも簡単に利用できます。今回は、Perplexity AI自身について聞いてみました。
3.回答を確認
回答をみてみましょう。今回の質問では、以下のような回答を得られました。
トップに質問内容を解決できる記事がトップに記載され、箇条書きで簡潔な説明もありました。他にも知りたいことがあれば、同様に質問することで解決できます。
Perplexity AIの安全性
Perplexity AIで収集される情報と、その扱われ方を把握しておく必要があります。ここでは、Perplexity AIが収集する個人情報や、アカウント削除後の情報の取り扱いについて解説します。
収集している個人情報
Perplexity AIは、プライバシーポリシーに収集情報について記載しています。以下は、登録すると収集される情報です。
- 名前・住所・電話番号・メールアドレスなどの基本的な連絡先
- ユーザー名・パスワードなどのアカウント情報
- クレジットカード・デビットカード・請求先住所などの支払い情報
続いて、Perplexity AIを利用すると自動的に収集される情報を紹介します。
- デバイスの種類・インターネットプロトコルなどのデバイス情報
- ブラウザの種類・ログデータ・タイムスタンプなどのやり取りに関する情報
Perplexity AIは、以上の情報が第三者と共有されるか、という質問に対し、次のように回答しています。
多くの情報を収集しますが、第三者に共有しないため、比較的安全性が高いといえます。
アカウント削除後の情報の取り扱い
Perplexity AIは、アカウントを削除すると収集データは削除されます。ただし、アカウント削除から、30日間は保持していると明記しています。すぐに削除されるわけではない旨を把握しておきましょう。
データの流出や乱用など、悪用の恐れがある場合でも30日間はデータが保持されてしまう点に注意してください。万が一、悪用の疑いがあれば、迅速に上記の連絡先に問い合わせましょう。
Perplexity AIを利用する危険性
Perplexity AIの利用時の危険性は、情報漏洩と情報の正確性です。具体的にみていきましょう。
情報漏洩
Perplexity AIのセキュリティ対策は、100%安全とは言い切れないため、機密性の高い情報の入力は避けてください。Perplexity AIのプライバシーポリシーでも、以下のように明記されています。
重要な情報は入力せず、安全に利用するよう心がけましょう。
情報の正確性
Perplexity AIが提供する情報は、必ずしも正確とは限りません。情報が不正確または古い可能性があるため、必ずファクトチェックが必要です。
PerplexityAIは、学習データに基づいて、リアルタイムのウェブ検索結果を参照する機能が搭載されています。しかし、参照の情報源が古い場合や、AIが情報処理・解釈する過程で最新のニュアンスを捉えきれない場合があるのです。
また、ハルシネーションという、AIが事実に基づかない、嘘の情報を生成してしまう現象が発生することもあります。
Perplexity AIは、他のAIツールに比べて情報の検証はしやすいですが、最終判断は人間が行いましょう。
Perplexity AIを安全に利用するための6つのコツ
日々の業務で安心してPerplexity AIを活用するために、6つのコツを参考にしてみてください。
- 機密情報を入力しない
- ファクトチェックを行う
- データ保持の設定を切る
- ブラウザ版はインコグニートモードをオンにする
- アプリ版はシークレットモードをオンにする
- 有料プランの利用を検討する
それぞれ見ていきましょう。
機密情報を入力しない
Perplexity AIを安全に利用するには、重要情報の入力は避けてください。Perplexity AIに入力した質問やデータが、AIモデルの改善やサービス向上のために記録・利用される可能性があります。
Perplexity AIはセキュリティ対策を講じていますが、データ侵害や情報流出のリスクを完全に排除できません。以下のような情報の入力は避けてください。
- 氏名・住所・電話番号などの個人情報
- 未公開情報・経営戦略・顧客リストなどの社外秘情報
許可なく取引先の機密情報を入力することも問題になり得ます。
万が一、上記のような機密情報が漏洩した場合、顧客だけでなく社会からの信用も失墜します。場合によっては法的な責任を問われ、損害賠償問題に発展する可能性も否定できません。Perplexity AIは、あくまで公開情報に基づいたリサーチや一般的な知識の問い合わせに利用しましょう。
ファクトチェックを行う
他のAIツールも同様ですが、得られた回答は鵜呑みにせず、必ず情報の正誤を確認しましょう。
Perplexity AIが生成する文章は、流暢で説得力がありますが、内容が常に正しいとは限りません。AIは学習データの偏りや古さ、ハルシネーションによって、誤った情報や不完全な情報を提供することがあります。
ファクトチェックの方法の一例は、以下のとおりです。
出典の確認 | 出典元にアクセスし、提供された情報が正しいかを確認する。 |
複数の情報源との比較 | 一つの情報源だけでなく、公的機関の発表や専門家の意見など、複数の情報源と照らし合わせて内容の妥当性を検証する。 |
情報の鮮度の確認 | 時事性の高い情報や統計データなどは、いつ時点の情報なのかを確認し、必要なら最新の情報を探す。 |
Perplexity AIの回答を、顧客に提示する情報やSNS等に発信するコンテンツなどで利用する場合は、ファクトチェックが不可欠です。手間がかかると感じる方もいるかもしれませんが、誤情報によるトラブルを未然に防ぐ、重要なプロセスです。
データ保持の設定を切る
Perplexity AIでは、ユーザーが入力したデータをAIモデルの改善のために使用することを許可するかどうかを、設定で変更できます。
「データ保持」とは、Perplexity AIが検索履歴や対話内容などを、同社のAIモデルのトレーニングや性能向上のために利用することを許可する機能です。この設定をオフにすると、データがAI学習に直接使われるのを防げます。
設定方法は、Perplexity AIの設定を開き、「AIデータ保持」をオフにするだけです。設定以降に入力したデータは、AIモデルのトレーニングには使用されなくなります。
ただし、この設定をオフにしても、サービス提供に必要なログデータやセキュリティ目的でのデータ収集が、完全に停止するわけではありません。AIモデルの改善目的で、データ利用を制限するものと把握しておきましょう。
ブラウザ版はインコグニートモードをオンにする
ブラウザ版のPerplexity AIは、インコグニートモードをオンにすると、情報漏洩リスクをさらに軽減できます。インコグニートモードは、一時的に匿名でPerplexity AIを利用するための機能です。設定方法は以下のとおりです。
- Perplexity AIのブラウザ版にアクセスし、ログイン
- 画面左下にあるアカウントをクリック
- 表示されたメニューの中から「インコグニートモード」を選択して完了
インコグニートモードで作成されたスレッド(チャットのやり取り)は、ライブラリーに表示されず、24時間後に有効期限が切れます。いわゆる匿名スレッドを作成できるため、履歴を残したくない場合に有効です。
質問履歴がPerplexity AIアカウントに紐づいて長期間保存されるのを防ぎ、情報漏洩リスクの軽減が期待できます。ぜひ活用してみてください。
アプリ版はシークレットモードをオンにする
Perplexity AIアプリ版でも、ブラウザ版インコグニートモードと同様の機能であるシークレットモードを利用できます。
シークレットモードをオンにすると、アプリ内での検索履歴や対話内容が、Perplexity AIのサーバーに保存されるのを防ぎます。設定方法は以下のとおりです。
- Perplexity AIアプリを開く
- アカウントから設定をタップ
- シークレットモードをタップしてオンにする
プライバシーに配慮したい検索を行う場合は、シークレットモードを活用してみてください。
有料プランの利用を検討する
無料プランでもPerplexity AIの基本機能は十分に活用できますが、有料プランは利用範囲が広がります。Perplexity AIの安全性を高め、より快適に利用するためにも、有料プランを検討してみましょう。
無料プランと有料プランの違いは、以下のとおりです。
項目 | 無料プラン | 有料プラン (Perplexity Pro) |
価格 | 0円 | 月払い:$20 / 月(約3,000円)年払い:$200 / 年(約30,000円) |
検索 | 無制限 | 無制限 |
Pro Search | 3回 / 日 | 300回以上 / 日 |
リサーチモード | 3回 / 日 | 無制限 |
ファイルアップロード | 3回 / 日 | 無制限 |
画像生成モデル | 利用不可 | 選択可能 |
AI生成モデル | 独自モデル | 選択可能 |
データ保持期間 | 30日間 | 7日間 |
無料プランは利用制限が厳しめで、画像生成も行えません。一方、有料プランではクリエイティブな利用も可能になります。
また、有料プランは、AIのデータ学習が実施されず、アップロードファイルが7日後に自動削除されるメリットがあります。セキュリティレベルが向上し、安全に利用できるようになるため、ぜひ検討してみてください。
まとめ|Perplexity AIの安全性を理解して効率よくリサーチしよう
Perplexity AIは、情報収集の効率を飛躍的に高めてくれる便利なツールです。しかし、利用には情報漏洩や情報の不正確さといったリスクが伴います。
機密情報の入力は避け、ファクトチェックを必ず行ってください。Perplexity AIの特性と安全対策を正しく理解し、日々の情報収集や業務改善に賢く取り入れていきましょう。