行政書士事務所のWeb集客において、欠かせないのがSEO対策です。適切な施策を打つことは、継続的な見込み客獲得につながり、行政書士としての信頼性確立にも寄与します。
本記事では、行政書士におすすめのSEO対策や必須コンテンツ、成功のコツを具体的に紹介します。新規顧客獲得を目指す行政書士の方は、ぜひ参考にしてください。
行政書士事務所のSEO対策に必要な5つの施策
SEOを強化する施策にはさまざまなものがありますが、なかでも行政書士におすすめの対策は以下の5つです。
- 複数の対策キーワードを組み合わせる
- 見込み客のニーズに沿ったコンテンツを制作する
- 信頼性の高いサイトから被リンクを得る
- Webサイトの使い勝手を良くする
- E-E-A-Tを意識する
具体例とともに詳細を解説します。
1. 複数の対策キーワードを組み合わせる
対策キーワードは、「行政書士」と一緒に検索されている語句を組み合わせて選定しましょう。「行政書士」単独では月間検索数が多く、上位表示が困難になるためです。
「行政書士+○○」とキーワードを組み合わせることで競合の数が少なくなり、新規のサイトでも検索上位表示を狙いやすくなります。おすすめは以下のような、地域や業務内容に関するキーワードとの組み合わせです。
- 「行政書士 五反田」
- 「行政書士 仙台市」
- 「行政書士 名古屋 相続」
地域を絞り込んで行政書士を探すユーザーは多いため、活動エリアに関するキーワードへの対策は欠かさずに行いましょう。
- ラッコキーワード(無料)
- キーワード プランナー(無料)
- Ahrefs(有料)
2. 見込み客のニーズに沿ったコンテンツを制作する
SEO対策の要は、ユーザーにとって価値ある情報を提供することです。検索上位を獲得するためには、事業者側が発信したい情報ではなく、ユーザーが求めている情報を提供することを心がけましょう。
制作すべきコンテンツの内容は、「どのような見込み客を集めたいのか」によって変わります。
集めたい見込み客の例 | 制作コンテンツの例 |
相続関連の悩みを抱えている人 | 相続財産の調査方法を解説するコラム |
建設業を開業したい人 | 建設業許可の取得手続きに関するFAQ |
農地を売りたい人 | 土地関連の申請手続きについてまとめた記事 |
事務所の方針や得意業務と、見込み客が知りたがっていることを照らし合わせながらコンテンツの内容を検討しましょう。ユーザーが求めている情報を網羅的に提供することが、結果としてGoogleからの評価獲得につながります。
3. 信頼性の高いサイトから被リンクを得る
被リンクとは、他サイトから自社サイトへ貼られているリンクのことです。信頼性の高いサイトから被リンクが得られると、Googleからの評価が向上し、検索順位アップの一助になります。
行政書士事務所が獲得しやすいリンクの具体例は以下のとおりです。
- 所属する団体・協会のホームページに掲載してもらう
- 取引先や提携している事務所のホームページに掲載してもらう
- 他社メディアの記事を監修し、監修者として紹介してもらう
- 比較サイト・ポータルサイトに掲載する
被リンク獲得は、SEO評価を高めるうえで重要な要素です。積極的に対策を講じましょう。
4. Webサイトの使い勝手を良くする
Webサイトに訪問したユーザーが目的の情報をストレスなく探し出せるよう、サイト全体の利便性を向上させましょう。これにより、Googleがサイトを評価しやすくなる効果も得られます。
サイトの使い勝手を改善するうえで、優先的に見直したいポイントは以下のとおりです。
- モバイル端末からアクセスしたユーザーの利便性を損ねていないか
- ページの読み込みに時間がかかっていないか
- 同じようなコンテンツ(重複コンテンツ)が掲載されていないか
- 関連するコンテンツ同士が内部リンクでつながれているか
サイトの利便性向上は、見込み客の離脱を抑制するため、結果として効率的な新規顧客獲得にもつながります。
- 検索結果の測定・管理・改善:Google Search Console
- ページの読み込み速度改善:PageSpeed Insights
5. E-E-A-Tを意識する
E-E-A-Tとは、Googleの検索品質評価ガイドラインで定められているWebサイトの評価基準のことです。
- Experience(経験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
行政書士のような専門性の高いジャンルにおいてはとくに重視される指標のため、コンテンツの制作時は必ず考慮しましょう。
行政書士事務所に有効なE-E-A-T対策の具体例は以下のとおりです。
Experience(経験) | 独自の調査結果や実務で得られた一次情報を活用する |
Expertise(専門性) | 内部リンクを活用して専門知識量の多さを示す |
Authoritativeness(権威性) | 他サイトから引用・リンクされる機会を増やす |
Trustworthiness(信頼性) | ・情報の鮮度や正確性にこだわる・発信者(運営元)の情報を明示する |
E-E-A-T対策は、SEO的な観点からはもちろん、自社の信頼性を確立するうえでも重要です。
行政書士事務所のSEO対策におけるホームページの必須コンテンツ5選
行政書士のSEO対策において、土台となるホームページの中身を充実させることも忘れてはいけません。ホームページには必ず、下記のコンテンツを設置しましょう。
- 業務内容・料金
- お客様の声
- 代表からのメッセージ
- 問い合わせフォーム
- FAQ
それぞれの内容を具体例とあわせて紹介します。
業務内容・料金
業務内容・料金(報酬額)を明示したページは、最優先で作成すべきコンテンツです。ユーザーが知りたい情報を掲載することで、検索エンジンからの評価も高まります。
業務内容・料金ページを作成する際の注力ポイントは以下のとおりです。
業務内容 | ・1つの内容につき1ページずつ作成する ・ページごとに対策キーワードを設定する ・「法人向け」「個人向け」でカテゴリ分けする |
料金 | ・内容ごとの料金を詳細に明示する ・図や表を用いて視認性を高める ・業務内容のページとリンクする |
業務内容ページにはタイトルタグや見出しタグを設定し、対策キーワードを盛り込みます。さらに、関連性の高いページ同士をリンクさせ、ユーザーの利便性向上を図りましょう。
お客様の声
顧客の口コミは、ユーザーが最も注視するコンテンツの1つです。インターネットやSNSが普及している現代では、事業者側の一方的な発信よりも、利用者の「生の声」が情報源として信頼されます。
訪問者のニーズが高い情報を掲載することは、サイトへの滞在時間増加に寄与します。実績や専門性のアピールにもなるため、戦略的に口コミページを作成しましょう。
代表からのメッセージ
代表のプロフィールやメッセージを伝えるページは、以下のような項目を含めて作成することが有効です。
- 経歴
- 事務所の理念やビジョン
- 自身の得意分野
- 顔写真
- 見込み客へのメッセージ
SEOの重要要素の1つとして、Webサイトの信頼性・専門性・権威性があげられます。法律にかかわる分野でとくに重要視される指標なので、運営元の情報はできる限り詳細に記載しましょう。
問い合わせフォーム
ユーザーの利便性を高めるうえで、問い合わせフォームの設置は必須事項です。電話よりもハードルの低い問い合わせ手段を用意することで、見込み客の取りこぼしを最小限に抑制できます。
問い合わせフォームを設置する際は、以下のポイントをおさえましょう。
- 問い合わせフォームへのリンクを分かりやすい位置に設置する
- フォームの入力項目をできる限り減らす
- フォームの自由記述欄を減らし、選択式の回答を増やす
問い合わせフォームにたどり着くユーザーは、成約確度の高い見込み客です。フォームの使い勝手にストレスを感じさせることのないよう、利便性にこだわって作成すべきページだといえます。
FAQ
FAQ(よくある質問)をまとめておくことで、ユーザーの疑問・不安を先回りして解消できます。顧客から日ごろ多く寄せられる質問を参考に、掲載する内容を検討しましょう。
- 相談できる依頼内容にはどのようなものがありますか?
- 夜間や土日の相談、オンライン上で相談は可能ですか?
- 作成した書類の確認のみ依頼することはできますか?
- 他の専門家が必要な場合は紹介を依頼できますか?
FAQはユーザーの検索ニーズを満たしやすいコンテンツなので、SEOの観点からも有利です。選定した対策キーワードにもとづいて内容を調整するのもよいでしょう。
行政書士事務所のSEO対策を成功させる2つのコツ
行政書士のSEO対策を成功に導くうえで、以下のポイントを押さえておく必要があります。
- 中長期的な視点で取り組む
- 定期的に効果測定を行う
それぞれ詳細を解説します。
中長期的な視点で取り組む
SEO対策に即効性はありません。効果を実感できるようになるまで、数ヶ月~1年程度の期間が必要になることを見越しておきましょう。
Googleは、SEOの成果を得られるまでの期間について以下のように明言しています。
成果が出るまで時間がかかることを忘れないでください。変更に着手してからメリットが得られるようになるまで、通常は 4 か月から 1 年かかります。
適切なSEO対策は、継続的に安定した集客効果をもたらします。即効性を求める場合はWeb広告やSNSなどの併用を検討しつつ、中長期的な視点で戦略を立てましょう。
定期的に効果測定を行う
SEOで成果を得るためには、施策の良し悪しを判断する「効果測定」が欠かせません。効果測定が十分でない場合、改善ポイントが明確にならず、継続的に成果を出すことが難しくなります。
SEOの効果測定において、最優先で見るべき指標には以下のようなものがあります。
- 検索エンジン(自然検索)からの流入数
- キーワードごとの検索順位
- 被リンク数
まずは最低限、上記の数値を定期的に確認しましょう。
効果測定に役立つおすすめツール
- Google Analytics(無料)
- Google Search Console(無料)
- 検索順位チェックツールGRC(一部有料)
まとめ:行政書士のSEO対策はユーザー目線を重視しよう
SEO対策において最も注力すべきポイントは、ユーザーに価値ある情報を提供することです。「目の前にいる顧客の悩みを解決する」という姿勢でコンテンツを制作することが、結果としてGoogleからの評価獲得にもつながります。
まずは本記事で紹介した施策を参考にしつつ、自社サイトの改善点を探ってみてはいかがでしょうか。