ホームページの訪問者は増えてきたものの、「最後まで読まれていないようだ」「問い合わせの数は変わらない」と困っていませんか?
この記事では、Webサイトからの離脱を減らし、コンバージョンを増やすための方法を分かりやすく解説します。GA4で離脱率を確認する方法や、優先的に改善したいページの見極め方も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ユーザーがWebサイトから離脱する4つの原因
ユーザーがサイトを訪問したにもかかわらず、すぐにページを閉じる場合、以下のような原因が考えられます。
- 表示速度が遅い
- 必要な情報がない
- 情報を得て満足した
- サイトの利便性が低い
詳しく見ていきましょう。
表示速度が遅い
現代のユーザーはとてもせっかちで、ページが表示されるのに3秒以上かかると別のサイトに移動すると言われています。
実際、Googleは「読み込み時間が1秒から10秒に増加すると、直帰率は123%増加する」と公表しており、ページの読み込み速度がいかに重要かがわかります。
必要な情報がない
ユーザーは目的を持ってサイトに訪れます。そのため、欲しい情報が見つからなければ、すぐに離脱してしまいます。
たとえば、会社名やサービス名で検索しても、問い合わせ先が見当たらないと連絡を諦めるかもしれません。「自分だったら、このサイト(ページ)で何を知りたいか?」という視点で見直してみましょう。
情報を得て満足した
あなたも経験があるかと思いますが、必要な情報を得たら満足してページを閉じますよね。
たとえば「離脱率の計算方法」を知りたくて検索したところ、答えがブログ記事に書かれていたとします。目的は達成されたので、ほかのページを閲覧する動機はないですよね。
サイトの利便性が低い
サイトが使いにくいと、どれだけ質の高い記事を書いていても、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
スマホに対応していないサイトでは、リンクが小さすぎてタップしづらかったり、行間が狭くて文章が読みにくかったりしますよね。
ユーザーはストレスを感じるため、ほかのサイトで情報を探そうとするのです。
Webサイトからの離脱をなくす改善策8選
訪問者を引き留めるために知っておきたいポイントをまとめました。
- ペルソナに刺さるファーストビューにする
- コンテンツのタイトルと内容を一致させる
- ユーザーニーズを満たす内容にリライトする
- 成約までの導線を設計する
- 適切な箇所にCTAを設置する
- 関連記事への内部リンクを設置する
- 入力しやすいフォームにする
- ページの表示速度を改善する
ひとつずつ実施すれば、離脱率が改善されていきますよ。
ペルソナに刺さるファーストビューにする
サイトにアクセスした際、最初に目に入る部分が「ファーストビュー」です。この部分で訪問者の興味を引きつけることができなければ滞在時間が短くなり、離脱率が高まる原因になります。
たとえば「ダイエット」をテーマにした場合、ターゲットが20代の女性であれば「今年こそ彼氏を作ろう」といったメッセージは強く響くでしょう。しかし、40代の女性に対しては「いつまでもキレイと言われたい」の方が訴求力があります。
「自分のためのサイトだ」と感じてもらえるように、ペルソナに合わせてデザインやメッセージを考えましょう。
コンテンツのタイトルと内容を一致させる
検索結果やSNSで記事のタイトルを見て「これだ!」と思ってクリックしたのに、求めていた情報が見つからなければガッカリしますよね。
もしタイトルで「簡単ダイエット」と謳っているのに、内容が上級者向けの筋肉トレーニングだったらだったらどうでしょうか?多くのユーザーは期待を裏切られたと感じ、すぐにサイトを離れてしまうでしょう。
極端に離脱率が高いページは、タイトルと記事内容にギャップがないかをチェックしてみてください。
ユーザーニーズを満たす内容にリライトする
悩みを解決する記事は最後まで読まれるため、サイト滞在時間が延び、離脱も減ります。
離脱率が高いページをリライトする際は、ユーザーが「どんな意図で検索しているのか」を理解しましょう。検索クエリを参考にして、どの部分に疑問を感じているのか、どんな情報を求めているのかを分析するのがおすすめです。
読者にとってより有益なコンテンツになるよう、定期的に加筆修正していきましょう。
成約までの導線を設計する
ページを訪れたユーザーに、次に取ってほしい行動を示していますか?記事を読んだユーザーは「次に何をすればいいのか」が分からず、そのままサイトを閉じてしまうリスクが高くなります。
自然な流れで次のステップに進んでもらうためには導線設計が必要です。
たとえば、「こちらの記事もおすすめ」と関連コンテンツを紹介すると、別のページへとスムーズに誘導できます。ユーザーはストレスを感じることなく情報収集できるため、リピート率やアクセス数の向上にもつながります。
最終的には「お問い合わせフォームに入力する」「メルマガに登録する」といったコンバージョンに至るまでの導線を設定してみてください。
適切な箇所にCTAを設置する
CTAをユーザーの目に入りやすい位置に配置するとクリック率が高まるため、離脱率の改善につながります。特にコンテンツの末尾はCTAを設置するのに適した場所です。
記事を最後まで読んだユーザーは十分な情報を得ており、次のアクションを起こす準備ができている状態です。「今すぐ申し込む」や「無料お試し登録」といったCTAを提示すると、自然と次のステップへ進んでもらえるでしょう。
CTAの設置場所によってユーザーの反応は大きく変わります。記事の途中に配置するのが効果的な場合もあれば、サイドバーや固定表示のバナーが良い結果を生むこともあります。
CTAの位置を定期的に変更し、効果測定を繰り返しながら、最も反応がよい箇所を見つけていきましょう。
関連記事への内部リンクを設置する
ユーザーが1つの記事を読んだだけで離脱してしまう場合、ほかのページにも有益な情報が載っていることが十分に伝わっていないかもしれません。関連する記事への内部リンクを設置して、ユーザーの興味を引き続ける工夫が必要です。
特に、具体的な事例を紹介した直後やサービスの特徴を説明した直後は、関心が高まっているタイミングです。「詳しくはこちら」「この記事も読まれています」といった文言を添えて、回遊を促しましょう。
入力しやすいフォームにする
ユーザーが問い合わせや注文の段階まで来たとしても、「フォーム入力が面倒」と感じると離脱してしまいます。フォームはできるだけシンプルでわかりやすくし、ストレスを感じずに入力できるよう工夫しましょう。
住所を入力する欄がある場合、「オートコンプリート(自動補完)」機能を導入するのがおすすめです。郵便番号を入力するだけで住所が自動的に表示されるため、手入力の手間を減らせます。
ビジネスチャンスを逃さないためにも、ユーザーが入力しやすいデザインを意識しましょう。
ページの表示速度を改善する
前述したように、表示速度が遅いとユーザーは離脱してしまいます。
まずは、無料ツール「PageSpeed Insights」を使って、サイトのパフォーマンスを確認してみましょう。URLを入力し、「分析」ボタンをクリックするだけで結果が表示されます。
特に注目したいのは「First Contentful Paint(FCP)」です。「ページの最初のコンテンツがブラウザに表示されるまでの時間」を示しており、この時間が長いとユーザーは真っ白な画面を見続けることになります。
結果ページを下にスクロールすると、「診断」セクションが表示されます。各項目をクリックすると具体的な改善案も表示されるため、参考にしてみてください。
優先して離脱率を改善すべきページの種類
すべてのページを改善したい気持ちは分かりますが、時間や資金を考えると現実的ではありません。限られたリソースで効率的に成果を上げるために、対象とするページを絞りましょう。
特に優先して取り組みたいページは以下の3種類です。
- コンバージョンに近いページ
- 流入が多いページ
- 問い合わせフォーム
コンバージョンに近いページ
最優先で取り組みたいのが、コンバージョン直前のページです。ユーザーの関心が高まっている段階にもかかわらず、何かしらの要因で最終的な行動に至らなかった状態です。
商品やサービスの詳細ページで離脱する人数が多いなら、「良さそうだけど、もう少し検討したい」と感じたために、ページを閉じてしまったかもしれません。この場合、利用者の声や専門家からの推薦を追加して信頼性を高める、といった改善策が思いつきます。
なぜコンバージョンに至らないのかを分析し、ユーザーが安心して次のステップに進めるようにしましょう。
流入が多いページ
アクセス数は多いにもかかわらず、離脱数が高いページはありませんか?せっかくの訪問を無駄にしているので、できるだけ早く取り組みたいものです。
ユーザーが求める情報にアクセスしやすく、次のページに進みたくなるような構成に変えましょう。具体的には、ユーザーが興味を持ちそうな関連コンテンツへのリンクや、簡潔で分かりやすいナビゲーションが効果的です。
アクセス数の多いページを活用し、サイト全体のパフォーマンスを向上させましょう。
問い合わせフォーム
問い合わせフォームは、ユーザーがアクションを起こす最後のステップです。ここでの離脱は本当にもったいないですよね。
しかし、離脱の原因を見つけるにしても、GA4でフォームの送信や入力操作を細かく計測するのは手間がかかります。
もっと手軽に取り組みたい場合は、入力フォームの改善・分析に特化した「EFOツール」を導入するとよいでしょう。入力途中での離脱を防ぐために、さまざまな機能を搭載しています。
月1万円程度で利用できるプランもあるので、一度調べてみてはいかがでしょうか。
GA4離脱率の高いページを見つける方法
効果的な改善を行うためには、どのページで離脱が多いかを正確に把握しなければいけません。しかし、GA4の標準レポートでは「離脱率」の項目がなくなっています。
離脱率(%)は「離脱数 ÷ PV数 × 100」で計算できますが、「離脱数」を確認するために探索レポートを自分で作成する必要があります。手順は以下のとおりです。
1.GA4の探索タブで「自由形式」レポートを選ぶ
2.「ディメンション」横の「+」ボタンをクリックする
3.「ページタイトルとスクリーン名」を追加する
4.「行」に「ページ タイトルとスクリーン名」をドラッグアンドドロップ。ほかの項目は削除
5.「指標」横の「+」をクリックし、「離脱数」「表示回数」を追加する
6.「値」に「離脱数」「表示回数」をドラッグアンドドロップ。ほかの項目は削除する
デフォルトでは端末別(desktopやmobileなど)で表示されているかと思います。特に分けて考える必要がなければ、「列」の「デバイスカテゴリ」を削除すると全体を確認できます。
離脱率が高くても問題ないページもある
実は、離脱率が高くても気にしなくてよいページも存在します。
具体的には、用語説明ページやFAQ(よくある質問)ページです。ユーザーが特定の疑問を解決するためだけに訪れることが多く、情報を得た後にサイトを離れるのは正常な行動といえます。
サンクスページも同様です。サンクスページは、商品の購入や問い合わせを完了した後に表示されるページで、「アクションが正常に完了しました」と伝える役割を持っています。次に行うべきアクションが特にないため、ユーザーがそのままサイトを離れるのは自然です。
離脱率を改善すべきページと、そうでないページを見極めて、効率的に進めましょう。
まとめ
今回は、Webサイトからの離脱を減らす具体的な改善方法を紹介しました。
離脱の原因を理解し、ひとつずつ対策を講じることで、ユーザーを次のページへと自然に誘導できます。最終的には商品の購入や問い合わせ、資料請求といったコンバージョンに結びつけていきましょう。
すべてのページを改善するのはリソース的に難しいかと思いますので、まずはコンバージョンに近いページやアクセス数の多いページから取り組んでみてください。