内部リンクとは、サイト内にある他のページへつなぐリンクのことです。内部リンクを可視化すると、サイトの構造を整理してよりユーザーフレンドリーなコンテンツを作れます。
内部リンクはユーザーのサイト回遊率を高め、内部SEO対策として役立ちます。しかし記事数が増えてくると、内部リンクの管理を手動で行うのは手間がかかるでしょう。
この記事では、内部リンクを可視化するおすすめのチェックツールのおすすめとポイントについて解説します。内部リンクの管理にお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
内部リンクの可視化におすすめのチェックツール3選
内部リンクの可視化にはチェックツールを使います。おすすめのチェックツールは次の3つです。
- Show Article Map
- Screaming Frog SEO Spider
- Google Search Console
どのツールも無料で使えます。各ツールの特徴、使い方をスクショ付きで紹介します。
ShowArticleMap
ShowArticleMapは、内部リンクの構造を可視化できるプラグインです。ShowArticleMapを使うと全体の内部リンクがマップ表示され、孤立したページを一目で見つけられます。
WordPress公式プラグインではないため、作者・NAEさんのホームページからダウンロードして使用します。
.zipファイルをダウンロードしてください。
圧縮ファイルは解凍せず、そのままWordPressの「プラグインのアップロード」からファイルを選択します。
プラグインを有効化して、新規固定ページを作成します。データ容量が大きく表示に時間がかかるため、固定ページは「非公開」に設定しましょう。
本文にショートコード[show_article_map]を入力し「保存」をクリックします。サイト内のページ数が多い場合、読み込みに時間がかかる場合があるのでしばらく待ちましょう。
作成した固定ページを表示すると、サイト全体の内部リンクが図で表示されます。ページ内を拡大すると、各ページのURLが確認できます。
Screaming Frog SEO Spider
Screaming Frog SEO Spiderは内部リンクを一覧で表示、管理できるチェックツールです。使用するにはソフトをインストールする必要があります。有料版もありますが、URL500個までは無料で使用できます。
使用するには、Screaming Frog SEO Spiderの公式サイトからインストーラーをダウンロードしてください。
使っている端末のOSを選択してください。Screaming Frog SEO SpiderはWindows、Mac、Linuxに対応しています。
私はWindowsを使っているので、「Windows」を選択します。
保存場所やショートカットの有無を選択して、「Install」をクリックしましょう。
インストールが完了すると、ソフトを起動できます。「Enter URL to spider」にサイトのURLを入力しましょう。
サイト内のURL、リンクの状態、インデックスの有無が一覧で表示されます。リンク切れやリダイレクトがある場合は、「Status」「Indexability」に表示されます。
Google Search Console
Google Search Consoleでも、内部リンクを可視化できるツールです。普段からサイト解析に使われているツールなので、ソフトやプラグインを導入せずに使えます。
Google Search Consoleで内部リンクを可視化するには、トップ画面から「リンク」をクリックします。
外部リンク、内部リンクが表示されるので、内部リンクの「詳細」をクリックしましょう。
URLごとに内部リンクの数が表示されます。内部リンクの数が少ない記事をチェックして、リンクを追加しましょう。
Google Search Consoleでは外部リンクも表示されるので、被リンクの状態も確認できます。
内部リンクを可視化するメリット
内部リンクを可視化するメリットを5点紹介します。
- ユーザーの回遊率を高める
- 収益性の高いページにユーザーを誘導できる
- サイト構造を整理できる
- リンク切れ、リダイレクトの問題に気付ける
- クローラーに見付けてもらいやすくなるリスト
内部リンクの可視化は、内部SEO対策だけでなくユーザーフレンドリーの観点からも重要です。それぞれのメリットを解説します。
ユーザーの回遊率を高める
内部リンクが適切に貼られていると、ユーザーが複数のページを訪れるため回遊率が高まります。回遊率が上がるとサイト評価も上がるため、内部リンクの充実はSEO対策として有効です。
特にユーザーの深い悩みを解決したい場合、1つのページで解決するのが難しいこともあります。その場合、むやみに1ページのコンテンツを増やすより複数のページで解決した方がいいこともあるでしょう。内部リンクにより複数のページを見てもらうことで、ユーザーの深い悩みも解決できます。
収益性の高いページにユーザーを誘導できる
サイト運営により収益を得るためには、サイトに訪問してもらうだけでなく収益性の高いページへ読者を誘導する必要があります。内部リンクは、収益性の高いページにユーザーを誘導するために重要な施策です。
いきなりユーザーをこれらのページに誘導しても、ユーザーはまだサイトを信頼していないため成約につながりません。集客記事でユーザーの信頼を得てから収益性の高いページにユーザーを誘導することで、CV(コンバージョン)を高められます。
例えばコンサルティングの会社であれば、内部リンクを通してユーザーがお問い合わせページ、LP(ランディングページ)経由でコンサルティングの契約を申し込むことで収益につながります。
サイト構造を整理できる
内部リンクを可視化するとサイト構造を整理できるため、ユーザーフレンドリーなサイト作りに役立ちます。
サイト内のページが増えてくると、階層が増えサイト構造が複雑になります。構造が複雑なサイトは、管理が難しいだけでなくユーザーにとってもわかりにくい印象を与えます。せっかく有益なコンテンツを発信していても、ユーザーがサイトから離脱してしまい読んでもらうチャンスを逃してしまうかもしれません。
内部リンクを可視化してサイト構造を整理すると、サイトが分かりやすくなるためユーザーあたりのPV増加が期待できます。
リンク切れ、リダイレクトの問題に気付ける
ページを一つひとつ手動で確認するのは手間がかかりますが、チェックツールを使えば一括でリンク切れ、リダイレクトの状態がわかります。
ページを削除した場合やURLを変更した場合、内部リンクのリンク切れやリダイレクトが起こります。特にユーザーがリンク切れに気付くと、「このサイトは長期間管理されていないのでは?」とサイトの信頼性を疑うかもしれません。
サイトのリンク切れ、リダイレクトを修正すれば、より信頼性の高いサイト作りに役立ちます。
クローラーに見付けてもらいやすくなる
クローラーは、検索エンジンを巡回してサイト内のページをインデックスします。ページ同士を内部リンクでつないでいると、クローラーが巡回しやすくなるためページがインデックスされやすくなります。
逆に孤立したページがあると、クローラーが巡回しにくいためインデックスが遅くなる可能性があります。
内部リンクを可視化する際のチェックポイント
内部リンクを可視化する際に確認しておくべきポイントを5点紹介します。
- 関連性の高いページ同士をリンクできているか
- 収益性の高いページへ誘導するリンクを貼っているか
- 読者の悩みを解決できるサイト構造になっているか
- 孤立したリンクはないか
- 不自然な内部リンクはないか
それぞれのポイントについて、より詳しく解説します。
関連性の高いページ同士をリンクできているか
内部リンクはむやみに貼ればいいわけではありません。関連性が高いページ同士をリンクする必要があります。
例えばテニスラケットのおすすめを紹介している記事に、お洒落なカフェの記事へ飛ぶ内部リンクを貼っても多くのユーザーはクリックしないでしょう。関連性の高い、テニスラケットの価格やラケットの選び方について内部リンクを貼るのが適切です。
リンクの貼り方に迷ったら、再検索キーワードを参考にしましょう。再検索キーワードとは、ユーザーが検索結果に満足できない場合に入力するキーワードです。
再検索キーワードに関するコンテンツを内部リンクで貼ると、ユーザーが離脱せず複数のページを見てくれる可能性が高まります。
再検索キーワードは、SEOコンサルタント・柏崎剛さんが開発した「再検索キーワード調査ツール」で調べられます。
収益性の高いページへ誘導するリンクを貼っているか
サイト運営のゴールは、ユーザーに商品やサービスを購入してもらうことです。収益性の高いページへユーザーを誘導しなければ、PVが増えてもCV率は上がりません。
特に検索上位に入っている記事やPVの高い記事に収益記事への内部リンクを貼ると、収益記事のクリック数増加が見込めます。
特にPVは高いものの、商品・サービスの購入や問い合わせにつながらない場合は収益性の高いページへの動線が悪い可能性があります。PVだけでなく、CVも意識して内部リンクを貼りましょう。
読者の悩みを解決できるサイト構造になっているか
内部リンクを可視化するときは、全体的なサイト構造もチェックする必要があります。ユーザーの悩みを解決するために必要なページ同士が、内部リンクでつながっているか確認しましょう。
ユーザーが検索してサイトを訪問する理由は、悩みや疑問を解決するためです。もしサイトのコンテンツを見ても悩みを解決できない場合、ユーザーはサイトを離脱してしまいます。
簡単な悩みであれば1つのページでも解決できますが、より複雑な悩みや様々なケースが考えられる悩みは複数のページが必要になります。もし既存のページだけでは不十分だと判断される場合は、ページを追加して内部リンクを貼りましょう。
孤立したリンクはないか
内部リンクを貼らず孤立したページがあると、良質なコンテンツでも読者に気付いてもらえません。クローラーもページを認識しにくいため、内部リンクを貼った状態よりもインデックスが遅れる可能性があります。
孤立したリンクは、プラグインのShowArticleMapで見つけられます。〇で囲んだ部分のように、どのページともつながっていないページが孤立したリンクです。
特に新しい記事の内部リンクは、意識して貼る必要があります。記事のリライトをするときは、内容の更新、追加だけでなく新しい記事の内部リンクが貼れないか検討しましょう。
不自然な内部リンクはないか
内部リンクにリンク切れ、不自然なリダイレクトを見つけた場合はすぐに修正しましょう。
また、不自然な内部リンクは、ユーザーにとって不要なだけでなくペナルティの対象となる可能性があります。Googleより、不適切な内部リンクについて下記のように言及しています。
Google は、ウェブページの関連性を判断するための要素としてリンクを使用しています。Google 検索の検索結果ランキングを操作することを目的としたリンクは、リンクスパムと見なされる場合があります。これには、自分のサイトへのリンクを操作する行為も、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれます。
ペナルティを受けると検索順位が大きく下降し、最悪の場合検索エンジンからページが削除されてしまう可能性もあります。不自然な内部リンクを過剰に貼らないよう注意しましょう。
まとめ
ページが増えてくると、手動で内部リンクを管理するのは大変です。チェックツールを利用すると効率よく内部リンクを可視化できます。
内部リンクはSEO対策に加え、ユーザーにとってわかりやすいサイトを作るために必要不可欠な施策です。この記事で紹介した内容を元に、内部リンクを可視化、改善して集客力のあるサイトを作りましょう。