SEO対策を進めるうえで必ず確認しなければいけない指標が「検索順位」です。
Google・Yahoo!・Bingなどの検索エンジンがありますが、使用率No.1はGoogleなので「SEO対策=Google対策」ともいえます。ちなみに、Yahoo!もGoogleの検索エンジンを導入しているので、表示される検索結果はほぼ同じ。
とはいえ、SEO対策を実行しても、なかなか順位が安定しないことも多くあります。
そこでこの記事では、検索順位が安定しない原因や対処法をまとめて紹介します。
私はSEO対策に10年以上、携わっていますが…今でも「順位が安定しない!」というケースに直面します。一気に順位が下落したり、そこから復活させた経験も。
SEOの天国と地獄を経験した、私ならではの見解も交えているので、ぜひ参考にしてみてください!
Googleの「検索順位が安定しない」という現象について
「SEO=上位表示させれば流入や成約数が安定する」という話を聞いたことがあるかもしれません。確かに間違ってはいませんが、決してそうとも言い切れません。
というのも、検索エンジンの代表ともいえるGoogleは日々、小規模のアルゴリズム変更を実施しているから。
検索結果の順位を決める仕組みのこと。Googleの検索順位はクロール・インデックス・ランキングという流れで決まる。
- クロール:Googlebotがサイトやページを探す
- インデックス:中身を解析し、問題なければデータベースに登録
- ランキング:200を超えるアルゴリズムをもとにAIが検索順位を判断する
アルゴリズムの内容は公表されていないため、「どうすれば上位表示されるか」を試行錯誤しなければいけない。
たとえば、昨日まで1位だったページが突然、3位や5位に転落することもよくあります。また、大規模なアルゴリズム変更(コアアップデートなど)が実施された際は、検索結果にすら掲載されなくなることも。
このような順位変動にいち早く気づくためには「Nobilista(ノビリスタ)」や「GRC」といった、順位チェックツールを活用するのがおすすめ。
毎日手動で検索し確認する方法もありますが、ページ数が多いと途方もない労力を要します。他の業務に注力するためにも、ツールを有効活用しましょう。
Googleの検索順位が安定するまでの期間とは?
サイトの運営期間やドメイン評価、対策するキーワードによって、検索順位が安定するまでの期間は異なります。あくまでも個人的な肌感覚ですが、おおまかな目安をまとめてみました。
サイトの種類 | 目安の期間 |
---|---|
トップページ (社名やサービス名での検索) | 1〜2ヶ月 |
サービスページ (地域名+サービス名などでの検索) | 3〜6ヶ月 |
ビッグワードで対策するページ (単一キーワード) | 6ヶ月〜1年 |
ミドルワードで対策するページ (2語の複合キーワード) | 3〜6ヶ月 |
スモールワードで対策するページ (3語以上の複合キーワード) | 1〜3ヶ月 |
「検索順位 安定しない」や「企業 ブログ 書き方」のようなスモールワードは、検索ボリュームが月間100未満ですが競合も少ない傾向。そのため短期間で上位表示され、順位も安定します。
しかし「Web集客」「ホームページ制作」「SEO対策」などのビッグキーワードは競合がひしめき、そう簡単に上位表示できません。売上にも直結するキーワードなので注力の度合いが大きく、毎日のように順位も変動しています。
どのキーワードを対策するかは、事業規模や段階によって異なります。もしサイトやメディアを立ち上げて間もないのであれば、スモールもしくはミドルワードから対策を始め、地道に流入を獲得していきましょう。
Googleの検索順位が安定しない5つの原因
適切なSEO対策を実施していても、アルゴリズムの変動により日々、検索順位が変動します。しかし、予想以上に検索順位が安定しないケースもあるでしょう。
Googleの検索順位が安定しないとき、考えられる原因は5つあげられます。
- Googleアルゴリズムが変化した
- 新規記事を公開した直後である
- 記事が重複している
- 競合サイトが出現した
- 記事の内容が古くなった
それぞれ詳しく解説していきます。
Googleのアルゴリズムが変化した
Googleは「よりよい検索結果」を目指して日々、アルゴリズムを変更しています。目視ではなくAIによって機械的に順位が決まるので、「お金を払うから1位にしてください」などの手段は通用しません。
厄介なことに、Googleのアルゴリズムは非公開です。。そのため専門家が発信する内容をもとに、アルゴリズムの傾向を掴み、それに沿った対策が求められます。
GoogleやSEO対策に関する情報を集めるなら、X(Twitter)が最適。数々の著名なSEOプレイヤーが有益な情報を発信しているので、Web集客をするうえでXは欠かせないツールです。
新規サイトや記事を公開した直後である
サイト(ホームページ)やブログ記事は、次の流れで検索結果に掲載されます。
- クロール:Googlebot(クローラーがサイトやページを探す
- インデックス:中身を解析し、問題なければデータベースに登録
- ランキング:200を超えるアルゴリズムをもとにAIが検索順位を判断する
そのため、公開直後はGoogleに見つけてもらえていない状態です。現在でも新しいサイトやページが次々に生み出されているため、Googlebot(クローラー)がたどり着くまでに時間がかかります。
そしてインデックスされた後は、競合のデータやアルゴリズムをもとに順位が決まります。
このとき、仮に1位になったとしても「滞在時間が著しく短い」「離脱して他のキーワードで検索した」など、ユーザーの満足度を満たせない場合はすぐに転落します。
不安定な期間が数ヶ月ほど続くこともありますが、Googleアナリティクスやサーチコンソールのデータを確認しながら、地道にメンテナンスを続けましょう。
記事が重複している
やみくもにブログ記事を更新していると、記事の重複が発生しやすいです。過去のSEO対策は「1キーワード=1記事で対策」という手法が定番でした。
しかし現在は「1テーマ=1記事で対策」が主流。たとえば次のキーワードは、単語こそ異なるもののユーザーの悩みや求める答えは共通しています。
- SEO対策 費用
- SEO対策 料金
- SEO対策 値段
「おすすめ」と「人気」、「口コミ」と「評判」なども同様。もし重複している記事があれば1つにまとめる、キーワードを変えて独自性を出すなどの対策をしましょう。
競合サイトが出現した
規模が大きい市場の場合、毎日のように新しい競合サイトが出現します。とくに金融・美容・健康などはこの動きが顕著。
経験談なのですが、私は過去に金融やゲーム系のメディアを運営していました。ピーク時は数百万円を超える売上を立てていたものの、強力なメディアが出てきたり、アルゴリズム変動の影響を受けたりして一気に順位が転落。
売上も壊滅し、働き方を見直すことになりました。
SEO対策は安定性がある一方で、大きなアルゴリズム変動(コアアップデート)で事業が傾く恐れもあります。
検索順位が安定している間は収益の見通しも立てやすいですが、他の収益源を作る動きもすることをおすすめします。
記事の内容が古くなった
Googleのアルゴリズムの1つに「フレッシュネスシステム」があります。最新情報が掲載されているページを上位表示させる仕組みです。
去年のイベントやキャンペーン情報が掲載されているサイトを見て、どのような印象を受けるでしょうか?
おそらく、「メンテナンスをしていないんだ」「なんだか不親切だな」など、マイナスのイメージを持つかと思います。
SEO対策=Googleに評価してもらうための手法と思われがちですが、大切なのは検索するユーザーに満足してもらうこと。専門用語で「ユーザーファースト」ともいいます。
読者のことを第一に考えれば自然と検索順位も安定し、流入や成約にもつながるでしょう。
Googleの検索順位を安定させるポイント5つ
ユーザーファースト(読者第一)を意識したうえで、次のポイントを意識することで検索順位が安定しやすくなります。
- アップデートの傾向を確認する
- 対策キーワードを見直す
- 内容が似ている記事は統合する
- 定期的にリライトする
- 関連記事を内部リンクでつなぐ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アップデートの傾向を確認する
大きなアルゴリズム変動(コアアップデート)が起きると、Xはお祭り騒ぎに。それだけのSEOプレイヤーが注目しているので、いつもより情報量も多くなります。
また、なかには速報を動画でまとめてくれる親切な方も。代表的な人が次のとおり。
この2人をフォローしておけば間違いありません。アップデートの傾向や、それを踏まえた対策も発信しているのでフォロー必須です。
対策キーワードを見直す
現在のドメイン評価や競合の有無によって、対策すべきキーワードは異なります。簡単にまとめた表がこちら。
ドメイン評価(DR) | 対策すべきキーワード | 検索ボリューム |
---|---|---|
高(50〜) | ビッグ〜ミドル | 1,000〜 |
中(30〜40) | スモール〜ミドル | 500〜1,000 |
低(0〜20) | スモール | 10〜500 |
サイトやページのドメイン評価を数値で表したもの。SEOツール「Ahrefs(エイチレフス)」でチェックできる。
「どのようなキーワードを対策すべきかわからない…」という場合は、ラッコキーワードやUbersuggest(ウーバーサジェスト)というツールを活用しましょう。
キーワード候補を提案してくれるので、SEO対策に欠かせません。
内容が似ている記事は統合する
現在のSEOは「1テーマ=1記事」が鉄則。そのため、キーワードや内容が似ている記事は統合しましょう。
統合の際は301リダイレクトという処理をしますが、WordPressであればプラグインを使うと簡単です。
サイトやページのURLを変更する、コンテンツを1つにまとめる際などに実施する処理。たとえば「ページA」から「ページB」にリダイレクトするよう設定すると、自動的に転送されれる。
また、記事を統合するかどうかは次の手順で判断できます。
- 対策キーワードをスプレッドシートなどにまとめる
- 実際にキーワードを検索し、表示される結果から判断する
- ほぼ重複→統合
- 半分くらい重複→一部統合
- 重複していない→統合せず各記事リライト
- 統合する場合はプラグイン「Redirection」が便利
もしRedirectionを使ってリダイレクトする場合、次の手順で進めれば問題ありません。
- プラグインをインストールしたら「ツール→Redirection」と進む
- 転送ルールの項目から「新規追加」をクリック
- URLを入力
- ソースURLには「リダイレクト元のURLを入力
- クエリーパラメータはそのまま
- ターゲットURLは「リダイレクト先」のURLを入力
- 「転送ルールを追加」をクリック
- 正常にリダイレクトされるか確認
定期的にリライトする
情報を最新にしたり、キーワードを見直して記事を修正したりする作業を「リライト」といいます。このとき、Google Search Console(サーチコンソール)のデータを確認しつつ、記事のタイトルや見出しを改善することも効果的。
サーチコンソールの画面を開くとこのようなデータが表示されます。対象のURLを入力すれば「実際にどのようなキーワードで検索されたのか」も確認できます。
たとえば当初「ホームページ 集客 やり方」を狙っていたけど、蓋を開けたら「Web集客 手順」での表示回数が多かったとします。そして、タイトルや見出しも次のように変更。
<タイトル> 効果的なWeb集客の手順とは?基本の流れを7つのステップで解説 <h2>Web集客の手順 <h3>1.ペルソナの設定 <h3>2.カスタマージャーニーマップの作成 <h3>3.3C(顧客・市場、競合、自社)分析を実施 <h3>4.集客方法の選定 <h3>5.戦略および施策の策定 <h3>6.PDCAを回す <h2>Web集客の方法とメリット・デメリット <h3>SEO対策 <h3>MEO対策 <h3>SNS運用 <h3>広告運用 <h3>メルマガ <h3>LINE <h2>まとめ |
リライトの際は一次方法や体験談を積極的に盛り込み、競合との差別化を図りましょう。
関連記事を内部リンクでつなぐ
内部リンクとは記事AからBに対し「詳細はこちら」のようにリンクを設置する施策です。以前は1記事ですべての情報を網羅する「長文型SEO」が流行したのですが、今では通用しません。
キーワードや競合によっては数万文字を超える長文になるケースもあるものの、読者から言わせれば「そんなに長い文章は読めない…」となりますよね。
そこで効果的なのが内部リンク。
たとえばこの記事では「検索順位が安定しない原因と対処法」をまとめていますが、「もっと検索順位を上げたい」という読者の悩みも想定されます。
同じ記事にまとめることもできますが、文章量が多くなったり悩みが混在したりと問題が生じます。では、このような形にするのはいかがでしょう?
(各施策の詳細を個別記事で解説し、内部リンクを設置する)
検索順位が安定しても、10〜11位などを推移していたら「もっと上位表示させたい」と思いませんか?サイトやページを実際に見てみないと明言できませんが、効果的な施策の例は3つあります。
・リライト:関連キーワード、独自性、オリジナル画像などを追加する
・関連記事の追加:トピッククラスターモデルを意識し、関連記事を追加する
・被リンク獲得:第三者のサイトからリンクを獲得し、ドメイン評価を高める
それぞれの詳細や具体的な進め方をまとめた記事もあるので、施策を実行する際は参考にしてみてください。
関連記事を作成しそこに促すことで、読者の悩みを解決しつつ流入の向上も狙えるのでぜひお試しください。
まとめ
正直、SEO対策に手を出すと検索順位に一喜一憂します。上位表示されている間は安心ですが、そこから転落した途端、顔が青ざめ業務どころじゃなくなる恐れも…。
とはいえ、そこまで大ダメージを受けるのは極めてまれ。適切なSEO対策を地道に進めていけば、安定した集客経路になってくれます。
ただ油断は禁物。MEO対策やリスティング広告、SNSなど他の集客媒体も育てておきましょう。