Web上で鍼灸院を探すことが一般的になっている現代において、SEOで自院の存在感を高めることは事業の成長に欠かせません。適切なSEO対策は、集客の効率化や治療院としてのブランディングにつながります。
そこで本記事では、鍼灸院で行うべきSEOの具体的な施策を分かりやすく解説します。初心者でもすぐに実践できる内容なので、新規患者の獲得にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
鍼灸院にSEO対策が必要な3つの理由
鍼灸院の集客力を向上させるうえで、SEO対策は必要不可欠です。単にホームページを開設するだけではユーザーに気付いてもらえず、見込み患者は増えません。
鍼灸院にSEO対策が必要な理由は以下のとおりです。
- 多くの人がインターネット検索で鍼灸院を探すから
- 検索上位に表示されることで認知を拡大できるから
- 上位表示されている鍼灸院は信頼されやすいから
SEO対策によって公式サイトへのアクセス数が増加すれば、自院の理念や強みを訴求できる機会が増えます。結果として来院数や問い合わせ数の増加につながるため、上位表示を獲得することに注力すべきなのです。
【基本】鍼灸院のホームページに欠かせないSEO対策4選
まずは、鍼灸院のSEOにおける基礎的な対策を4つ紹介します。
- タイトル・ディスクリプションの設定
- 内部リンクの最適化
- ページの利便性向上
- 高品質な被リンクの獲得
それぞれ詳細を見ていきましょう。
タイトル・ディスクリプションの設定
検索結果に表示され、最初にユーザーの目に入る領域が「タイトル・ディスクリプション」です。
タイトルはSEO評価に、ディスクリプションはクリック率に大きく影響します。以下のポイントをふまえて最適化しましょう。
タイトル | ディスクリプション | |
文字数 | 30文字前後 | 120文字前後 |
キーワード | 左詰めで配置 | 前半に配置 |
文章 | 一目で理解できる文章 | ユーザーの悩みを解決できることを端的に示した文章 |
注意点 | コンテンツに関係のない情報は含めない | ページ単位で設定する |
タイトル・ディスクリプション設定は着手しやすい施策なので、始めに改善することをおすすめします。
内部リンクの最適化
内部リンクとは、自院のサイト内のページ同士をつなぐリンクを指します。内部リンクの最適化は、SEO評価を高めるうえではもちろん、ユーザーの利便性を向上させるうえでも非常に重要です。
内部リンクを設置する際は、以下のポイントをおさえましょう。
- 関連性の高いコンテンツ同士をつなぐ
- リンクテキストは、リンク先の内容を分かりやすく示す
- リンク先のURLを統一する
- ユーザーの利便性を考慮した位置に配置する
- 一目でリンクだと分かる見た目にする
内部リンクを適所に配置することで、ユーザーを他のページに誘導でき、回遊率が高まります。Googleのサイト巡回を促す効果もあるため、SEO施策として優先的に取り組みましょう。
ページの利便性向上
検索順位を決定づける大きな要因は「コンテンツの品質」ですが、ページの利便性もSEO評価に影響します。Googleは、ページの利便性(ページエクスペリエンス)について以下のように言及しています。
Google のコア ランキング システムは、優れたページ エクスペリエンスを提供するコンテンツを高く評価するように設計されています。
まずは、自院のサイトが以下の項目を満たしているかをチェックしてみましょう。
- 各ページが2.5秒以内に読み込まれる
- クリックやタッチなどの操作にすぐ反応する
- HTTPS(SSL対応)ができている
- どの端末から閲覧しても見やすく、操作性を損ねていない
- インターステイシャル(画面全域に覆いかぶさる広告)を使用していない
- 広告の量や掲載場所がコンテンツの邪魔になっていない
ページエクスペリエンスの測定・改善に役立つツールは以下のとおりです。
どちらもGoogleが提供する無料ツールなので、積極的に活用しましょう。
高品質な被リンクの獲得
被リンクとは、外部のサイト・ページから自院のサイトへリンクが貼られた状態のことです。高品質な被リンクを獲得すると、Googleから「信頼性の高いサイト」と判断され、SEO評価の向上に直結します。
鍼灸院が被リンクを獲得するには、以下のような方法があります。
- 取引のある病院や業者などに相互リンクを依頼する
- 協会・学会に加盟し、会員として掲載してもらう
- 関連メディアへのコラム寄稿や記事監修を行う
- 高品質なコンテンツを作成し、他サイトからの引用を狙う
被リンクは、関連性の高いサイトから獲得することで初めて効果を発揮します。信頼性の低いサイトからの被リンクや、不自然なリンクは逆効果になるため注意が必要です。
鍼灸院がSEO対策で狙うべきキーワード
SEO対策の基本は「適切なキーワード選定」です。鍼灸院においては、見込み患者が検索することの多い以下のキーワードを最優先で対策しましょう。
- 地域名+鍼灸院
- 症状名・施術+鍼灸院
- 患者のお悩み関連
具体例とともに、それぞれ詳細を解説します。
地域名+鍼灸院
ユーザーは通いやすい場所(自宅や事業所の近隣など)で鍼灸院を探す傾向にあります。地域名は最も検索されやすいキーワードなので、欠かさずに対策しましょう。
<地域名を含むキーワードの具体例>
- 鍼灸院 山梨
- はり 神戸市
- はりきゅう 赤羽
都道府県や市区町村、駅名など、狙う地域の規模もあわせて検討します。「東京」「大阪」のように競合の多いキーワードは、さらに複数語を組み合わせて対策するのがおすすめです。
症状名・施術の種類+鍼灸院
鍼灸院を探している人は、具体的な症状や悩みを抱えていることが大半です。そのため、以下のようなキーワードも検索されやすくなります。
- 鍼灸 腰痛
- はり 肩こり
- 美容鍼 妊活
このようなキーワードで検索するユーザーは目的意識がはっきりしており、問い合わせにつながりやすいことが特徴です。自院の強みをアピールする効果もあるため、積極的に対策すべきキーワードだといえます。
患者のお悩み関連
患者の疑問や悩みを解決するキーワードを含めてコンテンツを作成しましょう。ユーザーに有益な情報を提供することで、SEO評価の向上を狙えます。
<患者の悩みに関するキーワードの具体例>
- 鍼灸 痛い
- 自律神経 ツボ
- 免疫力 高める 方法
直接的に「鍼灸」を含めなくても、健康の維持・増進にかかわる多様なキーワードを対策可能です。患者から日々寄せられる疑問や悩みを参考に、どのようなコンテンツがユーザーの役に立つかを検討してみましょう。
鍼灸院のSEO対策で作成すべきコンテンツ
SEOの強化を図るためには、公式サイトのコンテンツを充実させる必要があります。Googleは、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供しているページを高く評価するためです。
鍼灸院が作成すべきコンテンツは以下のとおりです。
- ブログ記事
- 症例集
- 患者様の声
- プロフィール
- FAQ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブログ記事
ユーザーの疑問・悩みの解決を目的としたブログ記事を作成することで、集客力の向上が期待できます。特定のキーワードを狙った記事が上位表示されれば、公式サイトのアクセス数が増加し、自院を認知するユーザーが増えるためです。
鍼灸院が作成しやすいブログ記事のトピックには、以下のようなものがあります。
トピックの種類 | 具体例 |
症状・痛みに関する知識 | ・肩こりと睡眠時間の関係性 ・東洋医学と西洋医学の違い ・慢性腰痛の原因 |
健康情報・ノウハウ | ・自律神経を整える方法やおすすめグッズ ・温湿布と冷湿布の使い分け ・腰痛予防にウォーキングが効果的な理由 |
論文の解説 | ・かぜ予防に対する鍼灸の有効性 ・不妊症患者に対する鍼治療の効果 |
健康の維持・増進に関する幅広い情報を提供することで、ユーザーの役に立つ良質なサイトを目指せます。
症例集
患者の症例を紹介するページを作成することも有効です。部位ごとにカテゴリ分けしたうえで、ページごとに対策キーワードを設定することでSEO効果が期待できます。
症例集の作成は、上位表示を狙ううえではもちろん、ユーザーの信頼感・安心感を醸成するうえでも重要です。自院の技術力をアピールすることにもつながるため、積極的に取り入れましょう。
患者様の声
患者の口コミは、鍼灸院を探しているユーザーが最も知りたい情報の1つです。インターネットやSNS経由での情報収集が一般的になっている現代において、患者の「生の声」は情報源としての価値が高くなります。
ユーザーが求めている情報を掲載することは、ページ滞在時間の増加にも寄与します。専門性・信頼性のアピールも兼ねて、戦略的に口コミを紹介しましょう。
プロフィール
代表のプロフィールを紹介するページは、サイトのE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼)を高めるうえで非常に重要です。E-E-A-Tは、とくに病気や健康に関するコンテンツにおいて重要視されるため、鍼灸院のSEO対策では無視できない指標となります。
プロフィールページは、以下の項目を含めて作成することが有効です。
- 名前/肩書
- 顔写真
- 所属機関/役職
- 経歴
- 専門分野/得意分野
- 自院の理念/ビジョン
- 連絡先
- 見込み患者へのコメント
上記のプロフィールは、各記事コンテンツにも「著者情報」として掲載しましょう。
FAQ
FAQ(よくある質問)ページを作成することで、鍼灸院の利用を検討しているユーザーの懸念を払拭できます。日ごろ患者から寄せられる質問を参考に、掲載する項目を検討しましょう。
<鍼灸院のFAQの具体例>
- お灸は跡が残りますか?
- 鍼は痛くないですか?
- 鍼灸は保険適用ですか?
- 鍼灸師と整体師の違いはなんですか?
- 治療を受けるのに予約は必要ですか?
FAQは検索ユーザーのニーズを満たしやすいコンテンツなので、SEO評価の向上も期待できます。対策キーワードにもとづいて掲載する項目を決めることも有効です。
【重要】鍼灸院のMEO(ローカルSEO)対策の流れ
SEOとあわせて取り組むべき重要施策がMEO(ローカルSEO)です。MEOとは、特定の地域における検索結果で上位表示を狙うことを指します。
MEOとSEOは相互に影響し合うため、同時進行で対策することをおすすめします。鍼灸院のMEO対策は、以下の流れで進めましょう。
- Googleビジネスプロフィールを登録・設定する
- 店舗情報を充実させる
- 写真や動画、最新情報を発信する
- 良質な口コミを収集する
それぞれ詳細を解説します。
1. Googleビジネスプロフィールを登録・認証する
Googleビジネスプロフィールは、GoogleマップやGoogle検索でビジネス情報を表示するための無料サービスです。地域に特化した検索(ローカル検索)で上位表示を狙うためには、Googleビジネスプロフィールを運用する必要があります。
まずは、Googleビジネスプロフィールにログインしてビジネス情報を登録しましょう。すでに自院の情報がマップに表示されている場合は、そのビジネス情報のオーナー認証を行うことで利用を開始できます。
2. 店舗情報を充実させる
続いて、自院に関する情報を登録します。以下は、Googleビジネスプロフィールに登録できる基本情報の一部です。
- 店舗名
- ビジネス情報
- 商品・サービスのカテゴリ
- 住所・エリア
- 営業時間
- 電話番号
- 公式WebサイトのURL
- メニュー
上位表示を狙ううえでは「ユーザーが知りたがっている情報」を充実させることが大切です。ユーザーが検索しそうなキーワードを探りながら、ニーズに合致する情報を掲載しましょう。
3. 写真や動画、最新情報を発信する
写真や動画を掲載し、自院の雰囲気を伝えることで、ユーザーの来院意欲を醸成できます。外観や内部、スタッフなどの写真・動画を充実させましょう。
モバイル端末からGoogleマップに掲載されているビジネス情報を見ると、パソコン版と比較して多くの写真が一覧表示されます。
写真を充実させることで、スマートフォンユーザーへの視覚的な訴求力が高まるでしょう。
Googleビジネスプロフィールには、自院の最新情報やイベント情報などを発信できる「投稿」機能もあります。情報の鮮度はユーザーの来院・問い合わせを促すうえで非常に重要なので、写真や動画とあわせて活用しましょう。
4. 良質な口コミを収集する
Googleビジネスプロフィールでは、ユーザーが口コミを投稿できます。口コミは検索順位だけではなく、ユーザーの行動(来店・問い合わせ・公式サイト訪問など)にも大きな影響を与えます。集客力を向上させるためには、よいレビューをできる限り多く収集することが重要です。
鍼灸院に有効な口コミ収集方法には、以下のようなものがあります。
- 患者に口頭で依頼する
- 口コミ依頼用のポップやフライヤー、QRコードなどを治療院に掲示する
- メールやSMSで口コミ案内を送信する
良質な口コミは、一朝一夕では集まりません。患者に口コミ依頼をアピールすることを治療院全体で徹底し、継続的に取り組むことが大切です。
まとめ:鍼灸院のSEO対策はユーザーの有益性を重視しよう
鍼灸院の企業力を高めるうえで、SEOは必要不可欠な施策です。まずは本記事で紹介した以下のポイントにもとづいて、対策を進めましょう。
- 「地域」や「症状」など、適切な対策キーワードを選ぶ
- タイトルや内部リンクを最適化する
- ページの利便性を向上させる
- 被リンク獲得によってサイトの信頼性向上を図る
- Googleビジネスプロフィールの登録・運用を行う
- ユーザーにとっての有益性が高いコンテンツを充実させる
適切なSEO対策で集客力の向上を実現し、事業の成長につなげましょう。