フィットネス市場の急回復にともない、パーソナルジムをはじめとする小規模ジムの出店が増加しています。
大規模ジムと比較して、認知度の低いジムの集客は決して容易ではありません。問い合わせ数の増加を図るためには、意欲の高いユーザーへ効率的にアプローチできる「SEO対策」が不可欠です。
本記事では、パーソナルジム向けのSEOについて、効果的な施策を分かりやすくまとめています。集客に悩んでいるジム経営者の方や、独立開業予定のトレーナーの方はぜひ参考にしてください。
パーソナルジムがSEO対策を行うメリット
パーソナルジムがSEO対策を行うおもなメリットは以下のとおりです。
- 入会意欲の高いユーザーを集客できる
- 中長期的に集客効果が持続する
- 認知の拡大により信頼性が構築される
とくに重要なのは「今すぐジムに通いたい」と考えているユーザーにリーチできることでしょう。認知を拡大するだけではなく、問い合わせに直結しやすい層を効率的に集客できることが、SEOならではのメリットです。
パーソナルジムのSEO対策におけるキーワード戦略
パーソナルジムのSEO対策では、競合との差別化を図るキーワード戦略が欠かせません。優先して狙うべきキーワード例は以下のとおりです。
- 地域名
- ジムの特徴
- ユーザーの目的
- ユーザーの悩み・疑問
それぞれ詳細を解説します。
地域名
地域を含むキーワードの対策は、パーソナルジムのSEOにおいて必須です。問い合わせにつながりやすいユーザーは、まず近隣のエリアを含むキーワードでジムを探します。
<地域を含むキーワードの具体例>
- パーソナルジム 茨城
- 那覇 パーソナルジム
- パーソナルトレーニング 秋葉原
地域に関連するキーワードの注意点は以下のとおりです。
- 検索数が極端に多いキーワード:競合が多く、上位表示を狙うことが困難
- 検索数が少なすぎるキーワード:上位表示できても、十分な集客効果を得られない
都道府県や市区町村、駅名など、地域の規模によって検索ボリュームが異なります。Googleキーワードプランナーをはじめとするツールを利用し、月間検索数を調査したうえでキーワードを選定しましょう。
ジムの特徴
ジムの特徴を含めたキーワードを選定することで、競合との差別化を図りやすくなります。
<ジムの特徴を含めたキーワードの具体例>
- パーソナルジム 神戸 初心者
- 24時間営業 パーソナルジム 池袋
- パーソナルジム 名古屋 女性専用
このようなキーワードで検索するユーザーは、ジム探しのモチベーションが高い傾向にあります。検索ボリュームが小さい場合でも、流入が問い合わせにつながりやすいため、積極的に対策しましょう。
ユーザーの目的
ユーザーがジムに通う「目的」をキーワードとして設定することも有効です。
<目的を含めたキーワードの具体例>
- パーソナルジム ダイエット 短期集中
- ボディメイク 女性 パーソナルトレーニング
ジムを探しているユーザーの多くは、すでに通う目的が明確化しています。地域名と組み合わせてキーワードに設定することで、ジムの独自性も訴求できるでしょう。
ユーザーの悩み・疑問
ユーザーの悩み・疑問を解決する記事を作成することで、ジム利用に興味を持ちそうな潜在層にもリーチを拡大できます。
<ユーザーの悩み・疑問を解決するキーワードの具体例>
- かっこいい体 体脂肪率
- ダイエット 食事 メニュー 1週間
- 筋肉 1kg 増やす 期間
ダイエットやボディメイクなど、身体にまつわる知識を幅広く提供することで、ジムの専門性もアピールできます。集客したいユーザー層を明確にしてキーワードを選定し、自社と相性のよい見込み客の獲得を目指しましょう。
パーソナルジムが取り組むべきSEO対策5選
パーソナルジムのSEOで優先して取り組むべき施策は以下のとおりです。
- タイトルタグの最適化
- 内部リンクの最適化
- 有益なコンテンツの作成
- ページエクスペリエンスの向上
- 高品質な被リンクの獲得
それぞれの詳細を分かりやすく解説します。
タイトルタグの最適化
SEO対策として初めに取り組みたいのが、タイトルタグの最適化です。
タイトルタグには、Googleにページ内容を正しく認識させる役割があります。SEO評価に大きく影響するため、以下のポイントをおさえて改善を行いましょう。
- 30文字前後で設定する(途中で切れずに表示される文字数の目安)
- 対策キーワードを左詰めで配置する
- サジェストワードも可能な限り含める
- 一目でコンテンツの内容を理解できる文章を心がける
- 競合や自社の他ページと重複しないタイトルにする
- コンテンツの内容に関係ないキーワードを含めない
タイトルは、検索結果でユーザーが最初に目にする領域です。一目でコンテンツの魅力が伝わる文章を設定し、クリックを促しましょう。
内部リンクの最適化
内部リンク(自社サイトのページ同士をつなぐリンク)の最適化も、非常に優先度の高いSEO対策の1つです。内部リンク構造を整えることで、ユーザーの利便性向上はもちろん、SEO評価の向上にもつながります。
<内部リンクを最適化するポイント>
- 関連性の高いページ同士をリンクする
- 重要なページにリンクを集約する
- リンクテキストは、リンク先の内容を端的に示す
ユーザーの回遊を促すうえでは「パンくずリスト」や「サイトマップ」の活用も効果的です。
求めている情報を探しやすくなることで、ユーザーのサイト滞在時間増加や離脱率低下が見込めます。結果的にGoogleから「高品質なサイト」と解釈されやすくなるため、内部リンクの最適化は積極的に取り組みましょう。
有益なコンテンツの作成
ユーザーの役に立つコンテンツを提供することは、検索順位の向上に直結します。Googleは「ユーザーにとっての有益性」を最優先してサイトを評価するためです。
<パーソナルジムのサイトに取り入れたいコンテンツ例>
ジムの特徴 | 自社ならではの特徴を掲載し、他社と差別化を図る |
サービス内容 | 提供プログラムを目的ごとに(ボディメイク・健康増進など)紹介する |
料金 | 一覧表・費用総額の計算例・支払い方法などを掲載する |
トレーナー紹介 | 在籍するトレーナーのプロフィールを写真付きで掲載する |
お客様の声 | 利用者の体験談やビフォー・アフター写真などを掲載し、ジムの実績を視覚的に示す |
利用の流れ | 問い合わせからトレーニング開始までの流れを解説する |
よくある質問 | 想定されるユーザーの疑問に対し、カテゴリ別に(トレーニング・設備・効果・料金・など)回答を用意する |
問い合わせフォーム | 入力の手間を最小限に抑えた問い合わせフォームを設ける |
ジムの基本情報 | 所在地・代表者・電話番号などの基本情報を掲載する |
ブログ記事 | ユーザーの悩み・疑問解消を目的とした記事コンテンツを用意し、定期的に更新する |
ジム利用者の目線で掲載情報を検討することが、SEO評価の向上につながります。各ページに対策キーワードを設定し、効果を最大化させましょう。
ページエクスペリエンスの向上
ページエクスペリエンスとは、サイトを訪問したユーザーに「良好な体験を与えているか」を測る指標です。検索順位の決定に大きく影響する要素として、Googleは以下のシグナルをあげています。
<ページエクスペリエンスのシグナル>
- ページの読み込み速度は2.5秒以内か
- タップやクリックに即時に反応するか
- 予期せぬレイアウトのズレは最小限に抑えられているか
- モバイル端末での見やすさ・読みやすさ・操作性を保っているか
- 接続の安全性を保っているか(HTTPS)
- インターステイシャル(画面全域に表示される広告)でユーザーの利便性を損ねていないか
- コンテンツの閲覧を妨害する量の広告が掲載されていないか
ページエクスペリエンスが向上すれば、ユーザーの離脱を最小限に抑えられます。結果として集客したユーザーを問い合わせにつなげやすくなり、コンバージョン率の向上も見込めます。
Google Search ConsoleやPageSpeed Insightsなどの無料ツールを活用し、ページの利便性を高めましょう。
高品質な被リンクの獲得
被リンク(外部サイトから自社サイトへ向けられたリンク)を獲得することは、信頼性の証としてSEO評価の向上につながります。低品質な被リンクはSEO評価に悪影響を及ぼすため、高品質な被リンクの獲得に努めましょう。
被リンクの特徴
低品質な被リンク | ・パーソナルジムと関連性の低いリンク ・有料で購入したリンク ・キーワードを詰め込んだ不自然なリンク |
高品質な被リンク | ・パーソナルジムと関連性の高いリンク ・権威性/信頼性の高いサイトからのリンク ・自然発生的なリンク |
高品質な被リンク獲得の難易度は高く、一朝一夕で実現できるものではありません。まずは、パーソナルジムと親和性の高い取引先へ相互リンクを提案することから始めてみましょう。
パーソナルジムに効果的なSEO対策以外のWeb施策
パーソナルジムのWeb集客手段として、SEO対策との相乗効果が見込める施策は以下のとおりです。
- MEO(ローカルSEO)対策
- リスティング広告
- ポータルサイト
それぞれ詳細を見ていきましょう。
MEO(ローカルSEO)対策
MEO(ローカルSEO)とは、特定の地域における検索結果で上位表示を目指す施策のことです。パーソナルジムは地域密着型の集客が適しているため、MEOはSEOと同等に重要視すべきでしょう。
Googleマップに自社の情報を表示させるためには、Googleビジネスプロフィールの登録が必要です。
- Googleビジネスプロフィールを登録する(またはオーナー認証する)
- 基本情報(住所・営業時間・電話番号・公式サイトのURLなど)を登録する
- 写真や動画を掲載し、ジムの魅力を視覚的に訴求する
- 「投稿」機能で最新情報やキャンペーン情報などを発信する
- 口コミを収集し、可能な限り返信する
MEOは、SEOと比較して初心者でも取り組みやすいことが特徴です。SEOとの相互作用で検索順位を向上させる効果があるため、同時進行で対策することをおすすめします。
リスティング広告
リスティング広告は、検索キーワードに連動して表示されるテキスト形式の広告です。
SEOと同様、能動的に情報収集するユーザーへリーチできるため、問い合わせに直結しやすい見込み客を集められます。上位表示を狙ううえでは一定の広告費を確保する必要があり、大手のジムに有利な施策です。
採算が合う場合は高い集客効果が見込めるため、積極的に運用してもよいでしょう。事前に費用対効果を検証しつつ、取り入れる場合はSEO対策と並行することをおすすめします。
ポータルサイト
パーソナルジムに関連するキーワードで、多くの上位表示を獲得しているのが大手のポータルサイトです。ポータルサイトへ自社の情報を掲載することで、補助的な流入経路が確保できます。
掲載先は「狙う地域名+パーソナルジム」で検索した際に、自社より上位表示されるポータルサイトの中から選びます。メインの集客経路として機能するほど多くの流入は期待できないため、利用する場合はSEO対策も同時に行いましょう。
パーソナルジムのSEO対策で問い合わせ数の増加を目指そう
パーソナルジムのWeb施策では、認知の拡大だけではなく「問い合わせにつながるかどうか」を重視することが大切です。まずは、本記事で紹介した以下の重要ポイントから着手を検討してみてください。
- 競合との差別化を図れる対策キーワードを選定する
- タイトル・内部リンクを最適化し、良質なコンテンツを充実させる
- ページの利便性向上を図る
- 高品質な被リンクを獲得し、サイトの権威性・信頼性を高める
- SEOと並行してMEOに取り組む
- 必要に応じて、リスティング広告やポータルサイトの活用も検討する
適切なSEO対策で集客力の向上を図り、事業の成長につなげましょう。