会計事務所・税理士のSEO対策7選!事例から学ぶ集客成功のコツとは

この記事の監修者

「新潟SEO情報局」の局長。SEO歴は10年以上で、オウンドメディア運用やコンテンツSEOが得意。普段はフリーランスのSEOコンサルタント兼ディレクターとして活動中。

会計事務所・税理士事務所の顧客獲得において、欠かすことのできない「SEO対策」。中長期的な集客効果をもたらすことから、近年では多数の事務所がSEO対策に注力しています。

本記事では、会計事務所・税理士事務所のSEO対策について、具体策や実際の成功事例をまとめました。「何から手をつけたらよいか分からない」とお悩みの税理士・会計士の先生は、ぜひ参考にしてください。

この記事は「コンテンツ制作ポリシー」に沿って制作しています。

目次

会計事務所・税理士にSEO対策が必要な理由とは?

SEO対策とは、自社のWebサイトが検索結果に上位表示されるよう、サイトの構造や内容を最適化することです。インターネットを通じた情報収集が主流になっている現代では、会計事務所のWeb集客を成功させるために避けては通れない施策だといえます。

会計事務所がSEO対策で得られるメリットは以下のとおりです。

SEO対策で得られるメリット
  • 狙ったターゲットからの認知度向上
  • 競合優位性の確保
  • 長期的な集客効果

ここで「検索結果の上位を獲得するだけなら、リスティング広告のほうが手っ取り早いのでは?」といった疑問が浮かびませんか。

広告費を支払えば検索結果の上位を獲得できるため、苦労してSEO対策を行う必要性を感じられない方もいるかもしれません。

しかし「広告枠で上位表示した場合」と「SEO対策で上位表示した場合」では、ユーザーからの信頼度が大きく異なります。両者のクリック率の違いを見てみましょう。

引用元:First Page Sage「Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2024 」をもとに作成

自然検索1位は、広告枠1位よりも約19倍クリックされやすいことがわかります。SEO対策によって検索結果の上位を獲得できれば、リスティング広告を出稿するよりも大幅にホームページへの流入数を増やせるでしょう。

事務所の信頼性を確立し、ブランド価値を高める意味でも、SEO対策は重要な役割を果たします。

会計事務所・税理士のSEO対策を成功させる7つのポイント

会計事務所のSEO対策では、以下のポイントに注力することが成功の近道です。

SEO対策の成功ポイント
  • タイトル・ディスクリプションを最適化する
  • 内部リンク設計を見直す
  • ページの利便性を高める
  • 見込み客が求めているコンテンツを充実させる
  • E-E-A-Tを重視する
  • 信頼性の高いサイトから被リンクを得る
  • MEO対策(ローカルSEO対策)を並行する

それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

タイトル・ディスクリプションを最適化する

タイトルタグは、検索結果に表示されるページごとのタイトルです。コンテンツの内容を適切に表現し、ユーザーの目を引きやすいタイトル設定を心がけましょう。

タイトル設定のポイント
  • 30文字程度におさめる
  • 含める対策キーワードは1~2個
  • キーワードは可能な限り左詰め

ディスクリプションとは、検索結果でタイトル下に表示される文章のことです。ページの内容を要約して記述します。

ディスクリプション設定のポイント
  • 120文字程度におさめる
  • 含める対策キーワードは2~3個
  • キーワードや重要事項は前半に配置する

タイトルとディスクリプションは、ユーザーがクリックするか否かの判断材料として利用します。検索エンジンにコンテンツの内容を正しく伝える役割も担うため、SEOの基本事項として優先的に取り組みましょう。

内部リンク設計を見直す

内部リンクとは、自社サイト内の関連コンテンツ同士をつなぐリンクのことです。内部リンク設計はサイトの評価に大きく影響するため、SEOにおける優先順位はとくに高くなります。

内部リンク設置の際は、アンカーテキスト(文章にURLが設置されているテキスト)の最適化も同時に図りましょう。対策キーワードをできる限り含めつつ、リンク先の内容を分かりやすく記述することが大切です。

スクロールできます
OK例NG例
リンク先の内容を端的に示す内部リンク設計のポイントはこちらここをクリック
URLをそのまま設定しない出典:経済産業省出典:https://www.meti.go.jp/
長くしすぎないSEOのための内部リンク設計会計事務所のSEO対策において重要な内部リンク設計の詳細について
アンカーテキスト作成時の注意点

内部リンクを適切に設計することで、リンク元とリンク先双方のページの品質が高まり、相乗効果で上位表示を狙えます。

ページの利便性を高める

ページの利便性(ページエクスペリエンス)は、Webページを閲覧するユーザーの利便性や安全性を示す指標です。Googleは、ページエクスペリエンスがWebページの評価に影響することを明言しています。

Google のコア ランキング システムは、優れたページ エクスペリエンスを提供するコンテンツを高く評価するように設計されています。

出典:Google検索セントラル「ページ エクスペリエンスの Google 検索結果への影響について」

ページエクスペリエンスの基本的なシグナルは以下のとおりです。

ページエクスペリエンスのシグナル
  • コアウェブバイタル(Core Web Vitals)は良好な状態か
  • 安全な方法で配信されているか
  • モバイル端末でも適切に表示されるか
  • コンテンツに大量の広告が掲載されていないか
  • ユーザーがコンテンツを容易に見つけてアクセスできるか

ページエクスペリエンスを測定する際には、Googleが提供している無料ツール「Google Search Console」が役立ちます。SEO対策には欠かせないツールなので、優先的に導入しましょう。

見込み客が求めているコンテンツを充実させる

自社が発信したい情報ではなく「見込み客が求めている情報」を提供することがSEO対策の基本です。会計事務所のホームページを訪れる多くのユーザーが求めているコンテンツには、以下のようなものがあります。

ユーザーにとっての「分かりやすさ」を重視してコンテンツを掲載することで、サイトの滞在時間や回遊率が高まります。結果としてGoogleからも「有益な情報を提供しているサイト」と解釈され、SEO評価の向上につながるのです。

E-E-A-Tを重視する

E-E-A-Tとは、Googleの検索品質評価ガイドラインで示されている、Webサイトとコンテンツの品質を評価する基準のことです。E-E-A-Tを考慮してサイトの品質を高めることは、結果的にSEOへいい影響を与えます。

会計事務所のホームページでE-E-A-Tを高めるためには、ページごと(コンテンツごと)に監修者・著者情報を明記することが大切です。

著者情報の項目例
  • 名前/肩書
  • プロフィール/経歴
  • 監修者・著者のコメント

さらに、上記の情報は構造化データとして記述しましょう。構造化データの種類によっては、リッチリザルト表示につながるものもあります。

※構造化データ・リッチスニペットとは?
  • 構造化データ:検索エンジンがページ内容を理解しやすくなるデータ形式のこと
  • リッチリザルト:通常に比べてより多くの情報が表示された検索結果のこと

信頼性の高いサイトから被リンクを得る

被リンクとは、他サイトから自社サイトへリンクが貼られている状態のことです。高品質なサイトから被リンクを獲得することで、自社サイトの権威性や信頼性を示すことにつながります。

会計事務所におすすめの被リンク獲得先は以下のとおりです。

獲得先獲得方法の具体例
商工会議所や公的機関・会員としての掲載や専門家データベースへの登録
・イベントやプロジェクトへの参加
取引先や顧問先企業「顧問税理士」や「パートナー」としての紹介
比較・ポータルサイト・比較サイト/会計事務所検索サイトへの登録
・口コミサイト/ランキングサイトへの登録
税務関連メディア・専門メディアにおけるコラム寄稿や記事監修
・高品質コンテンツ作成による誘導

低品質・不自然な被リンクは、ペナルティを招く要因になります。獲得先を吟味したうえで、適切な獲得方法を選択しましょう。

MEO対策(ローカルSEO対策)を並行する

MEO(ローカルSEO)とは、地図検索やローカル検索における自社情報表示の最適化、順位アップを図る施策のことです。MEOはSEOとの相互作用があるとされているため、同時進行することをおすすめします。

特定の地域における検索結果(ローカル検索)でビジネス情報を表示させるためには、Googleビジネスプロフィールの運用が必要です。登録・設定をしたのち、以下のポイントに注力して活用してみましょう。

Googleビジネスプロフィールの運用ポイント
  • 基本情報(住所・営業時間・電話番号など)を詳細に登録する
  • 「投稿」で最新情報を提供する
  • 写真や動画で事務所の雰囲気を伝える
  • 良質な口コミを収集する

地図検索・ローカル検索の順位は、ユーザーの現在地や時間帯などさまざまな要因で変動します。1位を獲得することが集客に直結するとも限らないため、順位アップのみに囚われすぎないことが大切です。

見込み客が依頼を検討しやすいよう、事務所の詳細情報や雰囲気、口コミなどを充実させ、多角的な視点で集客を目指しましょう。

会計事務所・税理士が選定すべきSEO対策キーワード

会計事務所・税理士事務所のSEOでは、以下のキーワードを手厚く対策しましょう。

対策キーワード
  • 地域名
  • 業務内容
  • 税務のお悩み関連

詳細を具体例とともに解説します。

地域名

見込み客は自宅や事業所の近くで会計事務所を探す傾向にあるため、地域にかかわるキーワードは高確率で検索されます。問い合わせに直結するキーワードなので、最優先で対策しましょう。

地域名を含めた対策キーワードの具体例は以下のとおりです。

キーワードの例
  • 会計事務所 滋賀
  • 税理士 つくば市
  • 税理士事務所 代々木上原

「東京」「横浜」など競合の多いキーワードを狙う際は、「会計事務所 横浜 安い」のように複数語を組み合わせることも有効です。

業務内容

業務に関連したキーワードも、地域名と同等に重要です。得意業務や、事務所の方向性に合う業務を中心にピックアップしましょう。

キーワードの例
  • 税理士 記帳代行
  • 会計事務所 年末調整
  • 会計士 事業継承対策
  • 税理士事務所 コンサルティング

上記のキーワードに「無料相談」「夜間対応」「英語対応」などの単語を組み合わせることも有効です。競合が少なくなることに加え、事務所の特長もアピールできます。

税務のお悩み関連

ユーザーの疑問に応えるコンテンツを作成することで、潜在層へのリーチを拡大できます。悩みを解決するためにキーワード検索したユーザーが、自社を認知するきっかけになるのです。

キーワードの例
  • 個人事業主 確定申告 やり方
  • 会計事務所 料金 相場
  • 事業継承 相談先

まずは、月間検索ボリュームが1,000未満で、複数語の組み合わせからなる「ロングテールキーワード」から着手しましょう。ユーザーのニーズに合致したコンテンツを作りやすく、ライバルも少ないため上位表示を狙いやすくなります。

会計事務所・税理士のSEO対策と好相性のWeb集客方法

SEO対策は、さまざまなWebマーケティング施策と組み合わせることで一層効果が高まります。会計事務所におすすめの、SEOと相性のよいWeb媒体は以下のとおりです。

会計事務所におすすめのWeb媒体
  • LINE公式アカウント
  • メールマガジン
  • SNS(InstagramやXなど)
  • YouTube

具体例とともに、それぞれの活用方法を見ていきましょう。

SEO対策×LINE公式アカウント

LINE公式アカウントは、速報性と開封率に強みのあるビジネス用サービスです。以下のように、SEOコンテンツと連携させることで施策の効果が一層高まります。

コンテンツに関連するメッセージの配信LINEでキャッチーな話題を配信し、「詳細情報はこちら」と記事コンテンツにリンクする
セグメント配信(絞り込み配信)の利用ユーザーの属性に合わせて配信内容を変え、それぞれ興味を持ちそうな記事コンテンツに誘導する
検索流入したユーザーをLINEへ誘導WebサイトでLINE公式アカウントを紹介し、友だち登録を促す

実際、Web集客に成功している会計事務所の多くはLINE公式アカウントを開設しています。リソースを割ける場合は積極的に活用しましょう。

SEO対策×メールマガジン

メールマガジンもSEOと相性の良い施策です。読者はLINEやSNSのフォロワーよりも深い情報を求めている傾向にあり、記事コンテンツへの誘導がスムーズに進みます。

SEO効果を高めるメールマガジンの活用例は以下のとおりです。

「関連記事」の紹介メルマガ読者が以前に読んだことのある記事の「関連記事」をリンクで紹介する
コンテンツのリマインド過去に公開した重要コンテンツや人気記事を定期的に再紹介する
メールに「シェア」ボタンを設置メールにSNSの「シェア」ボタンを設置し、コンテンツの拡散や被リンク獲得を狙う

メールマガジンの効果測定で得られる指標(開封率やクリック率など)は、コンテンツ制作の戦略策定にも生かせます。SEOの推進力として、効果的に活用しましょう。

SEO対策×SNS

SNSの速報性や拡散性を利用してサイトへのアクセス数増加を狙い、間接的にSEO効果を高める方法もあります。SNSとの連携は、サイテーション獲得にも効果的です。

※サイテーションとは?

事務所やサイト名がインターネット上で言及されること。話題性や知名度の証となることから、SEO評価にもよい影響を与えるとされている。

SNSでSEOの効果を高める具体策は以下のとおりです。

ハッシュタグの活用税務や会計に関するハッシュタグを使い、テーマに関心のあるユーザーにコンテンツを届ける
ユーザー生成コンテンツ(UGC)の活用記事コンテンツをSNSで紹介し「この記事が役立ったらコメント欄で感想を教えてください」とアクションを促す
SNS用コンテンツからの誘導記事コンテンツの一部をSNS用に再構成して投稿し、サイトへのアクセスを促す

十分なリソースを費やせる場合は、SNS運用をSEO戦略の一部として組み合わせてみましょう。

YouTubeチャンネル運営

税務・会計ジャンルにおける難解な情報の提供には、動画コンテンツが最適です。動画は視覚や聴覚にも訴えられるため、複雑な内容をコンパクトに分かりやすく解説できます。

とくに「YouTube」はGoogle検索結果に表示されやすく、SEOの観点からも効果的。YouTubeを活用してSEOの効果を高める方法には、以下のようなものがあります。

概要欄へのリンク追加動画の概要欄に関連する記事コンテンツへのリンクを追加し、アクセスを促す
記事コンテンツへの動画の組み込み動画を記事コンテンツに埋め込み、サイトへの滞在時間増加を狙う
YouTubeとサイトの相互リンク強化「動画⇔記事コンテンツ」「サイト⇔YouTubeチャンネル」の相互リンクを強化し、検索結果における可視性を向上させる

YouTube動画は演者への愛着・信頼感を醸成しやすいことから、個人や法人のブランディングにもつながります。

会計事務所・税理士のSEO対策成功事例

SEO対策で集客に成功している会計事務所・税理士のホームページには、どのような工夫がなされているのでしょうか。

以下では、ホームページ運営のお手本となる2つの事務所の事例を紹介します。SEO戦略を策定する際のヒントとしてお役立てください。

信頼獲得のお手本|ユーザーに役立つ情報を惜しみなく提供

引用元:吉田一仁税理士事務所

吉田一仁税理士事務所は、首都圏近隣の経営者サポートに特化した会計事務所です。融資・資金調達や会社設立など、専門分野に関する知識をコラムやダウンロード資料で惜しみなく提供しています。

参考ポイント
  • 思わず「無料でいいの?」と感じてしまうほど、有益な情報が充実している
  • コンテンツをメンテナンスして最新情報を保つことで、数年前の記事も上位に表示されている

ユーザーに役立つ情報を提供するという姿勢が信頼性の確立につながり、結果としてGoogleからも高評価を得られている事例です。

事務所の強みを明確化|地道なSEO対策による差別化に成功

引用元:保田会計事務所

保田会計事務所は、江東区を拠点とする税務会計・コンサルティングのプロ集団です。地名はもちろん、会計事務所と相性のよい多くのロングテールキーワードで上位表示を獲得しています。

参考ポイント
  • 代表や事務所の強みを明確化し、ホームページ全体で訴求できている
  • 見込み客が検索しそうなキーワードを幅広く対策し、高頻度で記事コンテンツを発信している

長期的な視点でSEOに取り組むことで、良質なコンテンツが蓄積し、サイトの集客力が高まっている事例です。

まとめ

会計事務所・税理士事務所のWeb集客を効率化するうえで、避けては通れないのがSEOです。専門性の高い税務・会計ジャンルで上位表示を狙うためには、多角的に対策を講じる必要があります。

まずは、本記事で紹介した以下の重要事項から着手してみてください。

  • 内部対策:検索エンジンからの評価を得やすくする
  • MEO対策:地図検索・ローカル検索における順位アップを狙う
  • E-E-A-T対策:サイトの信頼性を高める
  • コンテンツSEO対策:ユーザーにとって有益なコンテンツを充実させる

適切なSEO対策で継続的な集客を実現し、事業の安定・成長につなげましょう。

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この記事の監修者

「新潟SEO情報局」の局長。SEO歴は10年以上で、オウンドメディア運用やコンテンツSEOが得意。普段はフリーランスのSEOコンサルタント兼ディレクターとして活動中。

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